年間登録数2万人、アクティブ人材6000人。「リゾートバイト」専業の人材ビジネスのフロントランナー「株式会社アプリ」が仕掛ける人材流動課題へのブレークスルー

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

少子化の一方で、高まるインバウンド需要で進む人手不足。地方の人材課題と若者をつなぎ、シームレスな労働力活性化を図る「アプリリゾート」。
展開している事業の内容・特徴

20160426-012014年に日本創成会議が公表した試算は、全国の地方都市に多大なる衝撃を与えた。「2040年に若年女性人口が5割以下に減少する市区町村は、全国1799のうち、896にのぼり、消滅する可能性が高い」というものだ。

また、同時期に発表された大阪商工会議所の調査結果では、大阪商工会議所の会員約1700社のうちおよそ65%が人材不足に悩んでいるという。
昨今ではメディアで「人材倒産」なる言葉が囁かれるように、一部のサービス業では人材を確保できず店舗の閉店を余儀なくされるところも登場している。

これを見れば、地方創生の鍵は間違いなく生産人材の流動と言えるだろう。

だが、若者が雇用を求めて地方→東京へという図式の想像は容易いが、東京または首都圏→地方へ労働を求める若者はどのくらいいるのだろうか。この課題の突破が現代の問題だ。

今回紹介するのは、まさにこの図式を打開する可能性をはらんだ人材ビジネスを展開する「株式会社アプリ」。2002年からリゾートバイトを専業とし、働き盛りの若者を、人材を求める地方のリゾート施設(温泉旅館・ホテル・スキー場)へ送り込んできた、“リゾートバイト”のフロントランナーである。同社運営の「はたらくどっとこむ」は、100,000人もの登録スタッフを抱える(2014年時)。
派遣先は、北は北海道の礼文島から、南は日本の最西端・沖縄県与那国島までと全国を網羅。若者と各地のホテルや旅館、スキー場などの観光施設をマッチングさせている。

労働期間は提携施設によってさまざまだが、1ヶ月〜6ヶ月程度。一人暮らしの資金を貯めたい・ワーキングホリデー・海外留学に行きたいという夢を持ったフリーターの方やGWや夏休みの長期休暇を有効活用したい学生などが多く働いている。その間の宿泊先など、生活に必要な環境はあらかじめ用意されているので、自宅から遠く離れた勤務地であっても手軽に働き始めることができる。

同社によれば、少子化が進み人手不足と言われる近年にあっても、登録・派遣数は安定しているという。それは、労働だけではなく、「観光」というバリューがあるからだろう。温泉地の募集であれば温泉を、スキー場であればスキーを楽しめる。募集案件にはスタッフ優待サービスなどもあり、オフも充実させながら働くことが可能だ。

また、地方の観光地で働くという新鮮さや、新しい仲間との出会いも大きな魅力になっている。現在は20代を中心に、1年で20,000人ものスタッフが登録し、約6000人が実稼働している。

アメリカから帰国し、仕事を探した20代。人材派遣で働いた実体験から、人材ビジネス業界に飛び込むことに
ビジネスアイディア発想のきっかけ

20160426-02同社代表取締役の庄子潔氏が人材ビジネスを事業ドメインに定めたのは20代のこと。自らの体験を通してだという。

音楽好きが高じ、2年間アメリカに留学。帰国後は本場で得た英語スキルを活用できる就職先を探していたが、なかなか内定を得られず。食い扶持を稼ぐために始めたのが人材派遣での工場アルバイトだった。そこに在籍する派遣会社の担当者の気配りに感動し、今度は派遣されるスタッフとしてではなく、派遣する側に興味を抱き、人材業界に飛び込んだ。

地元である仙台市の派遣会社に就職をし、営業を担当。その際に出会ったのが株式会社アプリ立上げ時の社長だったという。庄子氏は社長に誘われ、同社の立ち上げに参画。
以後、仙台支社を任されていた庄子氏が、代表取締役に就任したのは2011年のことである。

「国が進めている観光立国への取り組み、インバウンド需要などもあり、リゾートの労働市場は成長しています。特にこの2〜3年の成長は著しいものでした。弊社の成長は、私が代表取締役になったからというよりも、社会の流れに沿った面も大きいんです。ただ、私なりに事業拡大を進めながら、登録スタッフの方々や社員の皆が快適に働ける環境の創出に取り組んできました。」
と語る庄子氏。代表に就任されてからは、前にもまして会社は順調に成長しているそうだ。

また会社が順調に成長している背景に、社内環境が整備されていることと、リゾート事業部・中日本エリアマネージャーの野方慎太郎氏は語る。庄子代表と社員間の距離が近く、とてもフラットな社内環境にあり、社員一丸となって事業を進められる体制にあるとのことだ。

現在、社員はおよそ60名。現在進行形で社員を募集しており、今年4月には東京本社・札幌支店・仙台支店・名古屋支店・大阪支店・福岡支店に次ぐ、7店舗目となる沖縄支店をオープンさせた。

若者の「100万回のチャレンジ」を支援する「TSUNAGU CHALLENGE!」プロジェクト始動!テーマは「若者に価値あるChallenge」を!地方→東京、日本→海外で働ける人材サービスも市場投下!
将来の展望

同社は、「TSUNAGU CHALLENGE!」プロジェクトの中でミッションを掲げている。それは、同社サービスを1回利用することを1チャレンジとして、2025年までに100万チャレンジを達成するというミッション。同社は、仕事や経験を通して、若者たちのさまざまな目標や夢のチャレンジを応援していきたいとしている。

そのために、今年に入って「Tokyo Dive(トーキョーダイブ)」、「Global Dive(グローバルダイブ)」という、新たなサービスを市場投下した。

Tokyo Dive(トーキョーダイブ)は、東京で働きたい地方の若者を対象に、就業と住まい提供を同時に支援するサービスである。上京を考えていても、なかなか第一歩を踏み出せない若者に向けだ。

東京へ地方人材を流入させる。これについては、「東京一極集中が加速」と言われる近年にあって、どのくらいの市場があるのかと感じるが、NTTデータ経営研究所が興味深い内容を発表している。

それは、「1990年以降から、東京や首都圏に人口流入が続いているものの、東京都の生産人口の全国シェアは変化なく、人口流入があっても、生産年齢人口が大きく増えているわけではない」ということ。つまり、一極集中はしていても人手が足りない状況があるというのだ。これを考えれば、東京および首都圏→地方への人材流入も重要だが、地方→東京への人材もまた重要。トーキョーダイブは、ここにフィットする。

まだローンチしたばかりであり、サービス事例は僅かだが、東京で働きたいという若者は多数いるそうで、同社はその受け入れ先企業との提携の拡充を急いでいる。

一方の、グローバルダイブは、海外でのチャレンジを夢見る若者の支援だ。「すべての若者に1ヵ月以上の海外経験を!」というポリシーのもと、留学・ワーキングホリデー、あるいはバックパッカーでの旅などを考える若者のサポートを事業にしており、語学留学先、ワーキングホリデー先、ホームステイ先などの紹介やカウンセリングを行う。これは、海外に夢を抱く若者の支援はもとより、日本人留学者が減少傾向にあるという、グローバル人材育成の課題解決にも寄与していくのではないだろうか。

「アプリリゾート」、「トーキョーダイブ」、「グローバルダイブ」この3本柱で、同社はTSUNAGU CHALLENGE!の実現に邁進していく。今後の展開によっては、資金調達も視野に入れていくとのことだ。

若者の夢をサポートし、生産人材における課題改善ともなる事業を展開させるアプリ社。今後も、同社のビジネス展開を注視していきたい。

株式会社アプリ
代表者:庄子 潔氏 設立:2002年3月
URL:https://hataraku.com/ スタッフ数:60名
事業内容:人材派遣業(一般派遣)、人材紹介業

当記事の内容は 2016/04/21 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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