独自のアルゴリズムで最適な眠りを提供。
「健康経営」は睡眠の向上にあり!

ヘルスケア

執筆者: 佐々木正孝  編集:菊池 徳行(ハイキックス)

独自のアルゴリズムで最適な眠りを提供。
「健康経営」は睡眠の向上にあり! 展開している事業の内容・特徴

photo1.jpg 「睡眠負債」という言葉が注目を集めている。日々の睡眠不足が積み重なって心身の負債になり、健康上、見逃せないリスクになるという考えだ。夜討ち朝駆け、徹夜ワークが幅を利かせていた時代も今や昔。働き方改革や生産性向上が重要な課題とされる現代において、睡眠は軽視できないものになりつつある。

株式会社ニューロスペースは、企業向けに睡眠改善プログラム、ソリューションを提供し、従業員の睡眠の向上に尽力している。メンタルヘルス・マネジメントを実現し、活き活きと働ける職場づくりを目指す睡眠改善ベンチャーだ。代表の小林孝徳氏は「健康経営、働き方改革にフォーカスした睡眠改善プログラムを提供するのは当社だけ。ヘルスケアの領域で競合は見当たりません」と、睡眠関連事業における優位性を語る。

同社が提供するのは睡眠の質を高めるための技術講習。メンタルヘルスを改善させて睡眠を原因とする生活習慣病を予防。さらに職場環境の向上を目指すものだ。

「睡眠のメカニズムに始まって睡眠時、睡眠前の最適な過ごし方、姿勢といったテクニック、ノウハウをレクチャーします。ポイントは、従業員の働き方に合わせたオーダーメイドの改善策を構築・提供していること。外食産業や工場であればシフト勤務による睡眠のとり方を、航空会社であれば時差ボケを考慮した改善を提案します。社員の方々の睡眠の実態をリサーチした上で、最適なプログラムを提供しているのです」

外食チェーンの吉野家ホールディングス、農機具メーカーのクボタ、航空会社のANA、物流業界のSBSホールディングスなど、研修先は30社以上。IT大手DeNAのように、睡眠改善の目覚ましい効果を実感し、新入社員研修に改善プログラムを組み込む企業があるほど。多様な企業にプログラムを提供することで、業種・業態ごとの睡眠データも収集。知見、ノウハウに落とし込み、実践的プログラムへのさらなるブラッシュアップも怠らない。

自身の睡眠体験をベースに起業
眠りの質を「見える化」する ビジネスアイディア発想のきっかけ

photo2.jpg ビジネスモデルを着想したのは、小林氏自身が眠りで悩まされていたからだ。大学時代、そしてIT企業で働く社会人になってからも、睡眠時間が足りなくなるとパフォーマンスを発揮できないことに悩んでいた。しかし、学校でも職場でも「良質な睡眠はどうやったら得られるのか」「何が睡眠を悪化させるのか」について体系的に学びを得る機会はなかった。

「睡眠不足による経済損失は約3.5兆円に及ぶという試算(2006年日本大学医学部)もあるように、睡眠に起因する不眠症やうつ病など、従業員の士気低下、人員不足が急増しています。どうやら、これは自分だけの問題ではなく、社会問題になっていることに気づきました。そもそも、世の中の睡眠ソリューションは寝具などのモノか薬かしかありません。どうやったらよく寝られるのか、睡眠はどんなメカニズムなのか、基礎を学ぶ仕組みづくりが求められていると考え、起業したのです」

当初は企業の人事、労務、産業医にヒアリングをしてデータをコツコツ収集。企業のニーズを知るためにビジネスコンテストに出展したところ、吉野家ホールディングスの代表が興味を持ってくれたことから研修の実施に発展したという。前述の通り、睡眠ソリューションは寝具系か投薬系しか見当たらなかった。データを積み重ねてエビデンスを導き出す同社の先には、眠り改善のブルーオーシャンが広がっていたのだ。

「肥満やメタボは体重計で認知されますが、睡眠には客観的な指標がありません。しかし、睡眠の不全によって生活習慣病に罹るリスクが1.5~2倍に上昇するという論文も発表されています。私たちは座学のプログラムを整備しつつ、睡眠の計測技術、評価アルゴリズムの確率にも注力してきました。研修、改善プログラムを提供するステージから、これまでの知見を活用した新たなステージを見据えているのです」

高度なアルゴリズムを構築し、
眠り改善の最先端企業を目指していく 将来の展望

photo3.jpg 2017年6月、ニューロスペースの取締役に佐藤牧人氏が就任。佐藤氏は筑波大学で睡眠医科学の研究室でデバイスやソフトウェアの開発に従事してきた人物だ。佐藤氏がリードするなか、睡眠の状態を計測するセンシング技術を中心に、睡眠解析技術の高度化を目指す。

「今後は、睡眠テクノロジーをベースにして事業規模を拡大してきたいと考えています。あくまでアカデミックに、臨床の領域の方々との連携を密にしてエビデンスを作った上で進めていくのが大前提。アルゴリズム、センサーが、私たちが蓄積してきた様々な睡眠のデータ、ノウハウを生かしてくれるでしょう」

ニューロスペースの睡眠改善プログラムをベースにしたeラーニングコンテンツの商品化が進み、パナソニックとビッグデータと睡眠改善プログラムをマッチングさせたソリューション、コンサルティングサービスを共同開発中。同社が培ってきた眠りのテクノロジーは、もはや他の追随を許さない。

「企業にとって従業員の休職や生産性の低下を導く、睡眠障害は看過できない問題です。本来なら国を巻き込んで睡眠教育の仕組みを作っていきたいところですが、まずは様々な企業とパートナーシップを結びながら、そして結果を出しながら、徐々に睡眠事業をスケールアップさせていければ」

昨今の潮流である「健康経営」を推進する上で、睡眠改善は見逃せないファクターとなった。業界や業種、規模を問わず、企業経営者にとってニューロスペースは力強いパートナーとなるに違いない。

株式会社ニューロスペース
代表者:小林 孝徳 氏 設立:2013年
URL:https://neurospace.jp スタッフ数:6名
事業内容: 事業内容: 睡眠改善プログラムによる企業の健康経営の支援。睡眠ビジネスに関わる研究開発の技術的支援、睡眠ソリューション開発支援およびアルゴリズムAPIのライセンス提供など。

当記事の内容は 2017/09/12 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。