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「勉強を遊ぶ」5万人が利用する日本史問題集アプリ「マッチ」

執筆者:ドリームゲート事務局
更新日:2016年03月01日

面白ければ夢中で学ぶ! 教育をエンターテイメントに変えるベンチャー 展開している事業の内容・特徴

20160301-1受験戦争と比喩されるほど、学生にとって勉強は厳しくつらいもの。学校の勉強が大好きだったという秀才は別として、受験勉強は大多数の大人にとって嫌な思い出なのではないだろうか。しかし、社会人になってからも、様々な勉強は続く。仕事で必要な知識やスキルを得るため、あるいは資格取得やキャリアアップのため。

ただ、自分の興味のあることや好きなことであれば、勉強は苦痛ではない。むしろ楽しみになる。例えばマンガや小説、あるいはゲームに夢中になって、その分野が自然と仕事になっていった人もいると思う。また例えば、古いパソコンゲームに夢中になっていたら英単語をゲームのコマンドで覚えた、恋愛マンガの舞台や背景から古典が得意になったなど。筆者も中学時代に光栄の「三国志2」と「信長の野望 武将風雲禄」に夢中になってからは、日本史や中国史全般に興味が広がり、自然と小説や歴史資料を読み漁るようになった。歴史は勉強しなくても得意科目になっていたクチだ。

本稿で紹介するベンチャー、株式会社batonは、「遊び=勉強」というコンセプトで、日本史バトルゲーム「マッチ」というアプリを開発している。2013年6月にリリースされた同アプリは中高生を中心に口コミで人気を集め、2016年2月時点で5万人がユーザーとなっている。アプリは基本無料で、いわゆるソーシャルゲームとしてアプリ内課金も行っているが、マネタイズの主な狙いは各種学校などからの広告収益、送客手数料など。いわゆるB2B2Cモデルだ。

baton代表の衣川洋佑氏によれば、「マッチ」を利用しているユーザーからは、「日本史以外もゲームにしてほしい。例えば英語とか」のといった声がたくさん届いている。また、受験や試験対策になるような本格的なものが欲しいというニーズを受けて、第2弾のゲームも開発中。「チノクライシス」(知能+クライシス(転機))という名称で、2016年春のAndroidアプリリリースを予定している。

自分自身の受験体験から「勉強を遊ぶ」をテーマに起業 ビジネスアイディア発想のきっかけ

20160301-2.jpg衣川氏は、2004年に横浜国立大学を卒業後、ワークスアプリケーションズでERPシステムの開発などを手がけていた。大学時代はサークルやバイトに夢中で遊んでばかり。ほとんど大学には行ってなかったという生活で、起業する意識もまったくなかったという。それでもなんとか卒業して、入社したのがワークス社。それまでIT関連知識はまったくなく、入社して初めてプログラミングを覚えたという。

衣川氏が起業を意識したのは、ワークス社勤務時代に中国に赴任した経験がきっかけ。若い中国人の持つ熱意、ハングリーさに圧倒され、彼らがどんどん成長していく様に圧倒された。一方で日本人の元気のなさ、日本経済の停滞に強い危機感を覚えたという。

また、自分自身の経験として、受験勉強や大学での勉強がつまらなかったこと、社会人になりITの仕事を始めたことでプログラミングを学習せざるを得なかったこと、そして、社会人になってからの勉強で自分自身が劇的に変わったことから、教育の持つ可能性とミスマッチのギャップを埋めたいと考えるようになった。

そんな思いをもって衣川氏はワークス社で働きながら、2006年にビジネスブレイクスルー大学のMBAに進み、2012年から本格的な起業準備に入った。

注目したのはゲームだ。ソーシャルゲームが大ヒットをしていたが、なぜ多くの人があれほど夢中になるのだろうか、お金をつぎ込んでまでゲームをしたいのだろうか……考えた。そうした観点でゲームを分析すると、細かなフィードバックが得られる、何度でもリトライできる、最終的にはクリアが目的、そういったレベルデザインで設計されている。これらが組み合わされると、強い快感を生むというポイントに気づいた。

それならば、勉強も同様にすれば楽しくなるのではないか、という仮説を立てて開発したのが「マッチ」だった。最初は個人で開発していたが、2013年6月にリリースしてすぐに大きな反響があったため、2013年10月に会社を設立。本格的に事業化することを決めた。2014年には「TechCrunchTokyo2014」のスタートアップバトルに参加。ファイナリストに残り、ビットアイル賞を獲得している。

目下の課題はプロモーションだ。特にターゲットである中高生の興味をどうすれば獲得できるか、認知してもらえるか、に腐心しているという。

衣川氏は実際に中高生へインタビューをして、ニーズを収集しているそうだが、デジタルネイティブ世代である中高生との感覚の違いの大きさに驚かれるという。例えば、メモを取るにしても手書きのほうが早く確実と思いがちだが、今の10代は手書きよりスマホでメモをとるほうが早く、それが普通だという。また、テレビよりもYouTubeを見て同時にSNSでコメントし合うのが楽しい、といった感じだそうだ。

みなでゲームをしながら東大へ!ワクワクする学びを提供する 将来の展望

衣川氏に今後の展望を伺った。単純に儲けるだけならソーシャルゲーム寄りに事業を強化してくべきだが、そうなると肝心の教育という軸から離れてしまう。あくまで教育のためという目的を外さないように、慎重に事業を進めているという。

現状、ゲームだけでは採算がとれないため、会社としてはコンサルティングなどの仕事も受託している状態だ。運転資金は、立ち上げ時の資本金710万円と金融機関からの融資借り入れのみで、ベンチャーキャピタルからの引き合いは多いが、外部からの投資はまだ受けていない。

ただ、第2弾となるゲームのリリースが目前で、そのための大規模なプロモーション計画は念頭にある。プロモーションへの投資のため、資金調達の検討に入っているようだ。

目標は、2016年内に20万ユーザーの獲得。その後は海外にも展開していきたいと衣川氏は語る。

日本の教育現場では、先生の裁量権が小さいため、自由に教材を選ぶことが制限されている。タブレット端末なども普及しつあるが、そこで動かすアプリについては指定された学習アプリが中心で、ゲームを授業に取り入れるというのは、まだまだ困難があると衣川氏は見ている。一方、例えばアメリカでは教師が自由に教材を選べ、教育方法も生徒の主体性にゆだねている。そのうえで試行錯誤させながら、討論やプレゼンをしていくといった方針だ。そうした風土であれば、ゲームを教材に取り入れることが容易なため、海外市場への展開は有望と見ている。

株式会社baton
代表者:衣川 洋佑氏 設立:2013年10月
URL:
http://baton8.com/
スタッフ数:7名
事業内容:
・教育サービスの提供

当記事の内容は 2016/03/01 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

この記事の執筆者

ドリームゲート事務局
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取材・文:ドリームゲート事務局 起業・開業・独立・ベンチャーの悩みに、専門家がお答えします。無料なのでお気軽にどうぞ。

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