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感性を“ホンヤク”。脳波計×ビックデータでまったく新しいビジネスを生み出す「リトルソフトウェア」

執筆者:ドリームゲート事務局
更新日:2015年10月22日

1万円程度の脳波計と無料アプリで自分の感性が数値化できる!? 展開している事業・特徴

20151021-1今回紹介する株式会社リトルソフトウェアは、「感性を見える化」するという、これまでにないサービスを手掛けているベンチャーだ。

同社が提供しているサービスの1つが「感性選曲—Mind Jukebox—」というアプリ。産業技術大学院大学越水研究室との産学連携から誕生したサービスだ。これは音楽の多様化に伴い、どのように楽しんだらいいのか? といった点に着目して開発されたもので、GooglePlayから無料ダウンロード可能。脳波センサーは別途購入の必要があるが、Amazonなどで東芝製品や海外メーカー製などが、1〜2万円と手軽に購入できる価格帯だ。

使用方法はアプリを起動して、脳波センサーを装着。あとは音楽を再生するだけ。最短で30秒後には、自動で脳が発信するα波、β波をアプリ画面上の線グラフに「見える化」してくれ、その音楽に反応した脳波を「リラックス・集中・満足・まったり・のんびり」など、23の感性カテゴリに分類分けしてくれる。

同サービスを使用することで、リラックスや集中すべきときに聞きたい音楽が科学的に決まる。もう、何千曲とある音楽ライブラリの中から、聞きたい1曲を手探りする必要はないのだ。また、現状では同アプリは、ユーザーが所有する曲が対象だが、音楽配信サービスも準備していて、大手音楽企業や音楽配信サービス企業と計画が推進しているという。

また、同アプリはGPSとも連動し、居場所やシーン別での脳波状態を測定する、マッピング機能も搭載している。これによりオフィスや自宅など、環境の違いによる脳波の違いも分析することが可能で、例えば会社で仕事をしている最中にあった音楽、自宅でくつろいでいる時に最適な音楽など、感性にあったものを自動でピックアップしてくれる。

もう一つ、「感性アロマ —アロマ感性チェッカー—」というサービスも展開している。これは感性選曲のシステムを応用展開したサービスで、嗅覚に着目したもの。アロマでの脳波をグラフ化し、自動で「脳の刺激」・「集中できる香り」・「元気になれる香り」・「リラックスできる香り」などにカテゴリ分け、アロマに対するユーザーの感性を評価してくれる。

このサービスはアロマ業界の草分け的な存在であるカリス成城社がすでに導入済で、全店舗でのサービス提供が進められている。

当初の狙いとしては、女性をターゲットに、よりアロマを身近に感じて貰いたいというプロジェクトだったが、蓋を開けてみると女性はもとより、我が子に集中して勉強して貰いたい母親や、感性を数値化するという新規性にひかれて、今までアロマを使用したことがない男性層からの反響が多いとのことで、実際に利用しているユーザーから高い評価を得ているという。

こうした感性を数値化、同社では“感性を翻訳するサービス”と謳っている。設立は2014年1月、スタッフは5名とまだ小規模なベンチャーながら、既に様々な業界の大手企業と連携、プロジェクトが進行しており、株式会社リトルソフトウェア代表の川原 伊織里氏によれば、この1年間で数万の感性データが同社に集積されており、そのビックデータから今までにない新たな発見が次々見つかっているという。

脳波測定というと、病院や実験室などでたくさんの電極をつけた情景が思い出されるが、同社が使っている脳波測定器は、ぱっと見た限り、ヘッドフォンのような外観。実は海外ではこの分野の市場が既に立ち上がっており、業界最大手といわれるNeuroSky社のワイヤレスヘッドセット型脳波センサーはすでに100万台以上が販売されているという。

日本ではまだ馴染みのない脳波センサーという領域だが、体脂肪計や心拍計が普及したのも実はここ10~20年以内といった最近の事。そうした各種計測器のように、脳波計が各家庭に普及することも想像に難くない。

同社の現在のビジネスモデルとしては、大手企業からの研究開発の受託。しかし、脳波測定という分野はこれまでは学術的な領域が主だったが、手軽に大量にデータを集積・分析する手段が揃いつつあるため、加速度的に様々なビジネスでの応用が考えられるようになってきている。例えば工場で働く工員の感性・感情の状態をリアルタイムで計測することで注意力が低下すればアラートを出したり、自然と集中力が高まる音楽や香りを流す、それも個々人に最適されたものを適切なタイミングで、といった事が可能になる。交通機関の運転手や重要な施設でのオペレーション担当者など、些細なミスが大事故につながるような分野での活用は大きな意義があるだろう。

データサイエンティストの視点から、医療系以外での脳波データ活用に着目。 ビジネスアイデア発想のきっかけ

20151021-2株式会社リトルソフトウェア代表の川原 伊織里氏が起業を考えるようなったきっかけは、前職時代にとある大学でデータ収集に従事していた頃。そこでは、てんかんや睡眠障害といった医療系データの収集・分析を行っていたが、研究室の教授が退官したのを期に、それまでのノウハウを生かし何か事業をできないかと模索しはじめた。

しかし、医療系データを扱う会社は大手企業をはじめ数多くある。それならば、データをエンターテイメントとして活用して何かサービスが作れないかと考えた。そして、川原氏が興味を持ったのが、人のメンタリティ、つまり人間の持つ感性をビッグデータ化しようという構想だった。

そこから数年、川原氏は自分自信や知人・友人などの協力を得て集めた感性データの分析を重ね、感性を見える化させるアルゴリズムを作り上げていった。さらにウェアラブル端末を使ったサービス開発の着手。そうして出来上がったのが「感性アルゴリズム」・「感性AI」・「感性ナビゲーション」からなる、「感性プラットフォーム」。2014年1月に会社設立とともにサービス第1弾となるアプリ「感性選曲」をリリースした。

同社の取り組みは早々に各分野から注目を集めた。従来の学術研究、医療機関などが行っている特殊な環境での実験と違い、いわば普通に生活を営む人々の生のデータを収集するという研究に、大手電機会社などが強く興味を示し、同社と共同研究プロジェクトを立ちあげて、膨大なデータの収集機会を得た。

川原氏によれば、人の日常から脳波データを集めて分析し発見した成果の一例として、2015年の夏は日本全国で集中豪雨が多かったが、そのため雨の音がストレスになるせいか、2014年と比べて雨音や波の音より、木々のそよぎや鳥のさえずりなどにリラックスを感じる人が多くなる傾向が出たという。こうした発見は、まさに研究所からは出てこない結果だろう。こういった同社に注目する企業は数多くあり、これまでにないマーケティング手法などが模索されている。

目指すのは、誰もが自分の感性を見えるように、“ホンヤク”すること。 将来への展望

20151021-3川原氏に今後の展望を伺ったところ、直近としては、2015年11月に第3弾となるサービスとして、「リファイン」がリリースされる予定だ。これはリラクゼーション業界に向けたアプリで、すでに2社の導入が決定しているという。

リファインは、マッサージ店が行う施術とお客の実感する効果をマッチングするサービス。施術前後の状態(リラックス・緊張・活性・疲労感/眠気)を見える化し、最適な施術を行えるようにする。ハンドやフットから全身やオイルまで多岐にわたり、かつ、お客さまのその日の状態によっても効果が異なるということで、マッサージ業界にとっては新しいアプローチ方法になる。

また、ヘルスケア分野へのサービスとして、シニア世代に向けた「感性αβ波マップ」というサービス開発も、企業とタイアップしリリースを進めている。

これはウォーキングやランニング中の脳波や心拍を分析し、ユーザーの感性状態を5種類+1のカテゴリに見える化。また、過去のデータからおすすめのコースなどもアドバイスしてくれ、ウォーキングを楽しみながら、認知症予防など健康促進ができるアプリになるという。

同社のサービスや研究はまだはじまったばかり。2015年10月時点では、感性を30ほどのカテゴリに箋類しているが、これをもっと緻密化・細分化し、将来的には数百以上に増やすことを目標にしている。

誰もが自分の感性を見えるように、“ホンヤク”することが同社の掲げるミッション。いずれは、自分自身の感性をコントロールできるような社会を実現させたいという。感性を数値化すると今までにない新しいビジネスが次々生まれるだろう。同社はあくまで研究・開発のコアを担う立ち位置として、実際のサービスについては既存のあらゆる業界や会社と連携し、次世代のビジネスを創出していきたいと川原氏は語ってくれた。

リトルソフトウェア株式会社
代表者:川原 伊織里氏 設立:2014年1月
URL:http://www.littlesoftware.jp/ スタッフ数:17名
事業内容:
・生体センサーを用いた感性の評価、分析の為のアプリケーションおよびプラットフォームの開発と提供。
・Windows又はAndroid向けアプリケーション及びWindows/Andorid/Linuxを連携したウェアラブルデバイス向けシステム開発
・感性データを用いた製品・サービスのコンサルティングサービス
・その他、生体センサーを活用したアプリケーションやシステム開発

当記事の内容は 2015/10/22 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

この記事の執筆者

ドリームゲート事務局
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取材・文:ドリームゲート事務局 起業・開業・独立・ベンチャーの悩みに、専門家がお答えします。無料なのでお気軽にどうぞ。

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