前職で培った知恵とコネで700万円の節約起業 / 有限会社ハーディー

企業紹介

執筆者: ドリームゲート事務局

有限会社ハーディー 代表取締役社長 高橋敏成さん
1964年、奈良県生まれ。
数々の職を経て、87年にレンタルビデオ店等を展開する(株)シチエに入社し、店長やエリアマネージャー、店舗物件開発などを 担当する。
98年末に退職、起業へ向けての準備を開始。
2000年2月ビリヤードフロアFreaksをオープン。

 

レンタルビデオ店やゲームセンターを展開する企業で、店舗運営や物件開発に携わっていた高橋さんが独立を決意したのは1996年頃のこと。
当時所有していた従業員株の売却益や退職金、貯金を合わせると約2000万円になったので、借り入れせずにできるビジネスを約半年かけて探したという。

「これまでの経験から在庫を持たないビジネスに魅力を感じていましたし、当時ビリヤードがブームになっていて時流に合っていると判断したので、ビリヤード場に決めました」

前職の経験から物件探しのノウハウはあったが、立地の影響が大きい業種だけに、
「家賃が多少高くても交通量の多い幹線道路沿いという条件は譲れなかった」
という。

半年ほどかかってようやく見つかった現在の物件は、家電量販店の居抜き物件で駐車場も十分な台数があり、ほぼイメージ通りだった。
家賃は交渉の結果、 5%カットで合意した。

「物件選びには道路からの視認性も重視していましたが、この物件は屋上と壁面に大型看板が、入り口には大型ポールサインがあったんです。
同規模の看板を一から設置すれば500万円以上かかるところ、表面の板を張り替えるだけで済んだので50万円程度で看板が完成しました」

居抜き物件のメリットを生かすべく、ビルトインエアコンなど、そのまま使えるものは可能な限り生かした。
内外装は会社員時代の知人に紹介してもらった業者さんに依頼し、
一般価格の8掛けで請け負ってもらえたという。

「手を加えたのは店の雰囲気に影響するものだけです。
天井はシックなグレーに塗り替えて、壁紙やカーペットは落ち着いた色調のものをセレクト。
照明は蛍光 灯だったのでダウンライトに替えて、ビリヤード台の上にもスポットを設置しました。
また、階段の手すりは劣化が激しくて張替えたかったのですが、 50~60万円かかると言われたので、
カッティングシートを貼る方式にして5万円に抑えました」
 

また、自分で出来ることは自分でやるというも大切な節約ポイント。
トイレの鏡や壁面を飾るポスターパネルなどはすべて高橋さん自ら
取り付けた。

トイレや料金システムの案内、ビリヤードの遊び方などのPOPは、どれも高橋さんがパソコンで作成したもの。

「デザインから加工まで業者に発注すると1枚当たり数百円~数千円程度かかります。
自作すれば数十円程度なので、パソコンは得意ではありませんでしたが、 独学で習得しました。
ラミネート加工用の機械は2万円ほどかかりましたが、POPは消耗品で何度も作り替えるものですから、
結果的には自分で加工する方が 安上がりです」

店内でもっとも高価な設備の一つがビリヤード台だ。

トップメーカーの台は新品で60万円、中古で40万円が相場だが、中古でも程度の良いものを選び、ラシャ(緑のカーペット)を張り替えれば新品同様に使うことができる。
コストパフォーマンスを考えると、全台トップメーカーの中古台を揃えるのがベストだっ たが、高橋さんが開店準備を進めていたころはビリヤード場の開店ラッシュ。
トップメーカーの中古は価格が高騰している上に、市場では品薄状態が続いてい た。

「物件が決まって家賃が発生していたので、程度の良い中古が揃うまで待てず、
一部の台はメーカーのランクを落とすことに。でもそういった台はやはり使用感が劣るので、
条件に合う中古台が見つかれば買い換えるようにしています」

プレイ中に休憩するためのイスやテーブルも中古品を活用して、コストダウンを図っている。

「経費をかけるべき点と節約すべき点がありますが、家具類は節約できる部分なので、何軒もリサイクルショップを回ってコストパフォーマンスが良いものを選びました。家庭での使用に比べて消耗が激しいので、ちょっとした修理は自分でやってしまいます」

物件が決まり、設備が整い、開店目前となった高橋さんが思い切って資金を投入したのは宣伝広告費だった。

「開店当初にどれだけのお客様を集められるかで、最終的な集客力に差が出ます。幹線道路沿いの捨て看板と、新聞の折込広告10万世帯分で50万円ほどかかりましたが、結果的には惜しまないで良かったと思っています」

前職で培ったノウハウやコネクションを最大限活用した結果、700万円の節約を実現した高橋さんが、これからショップを開こうと考えている人にこんなアドバイスをくれた。

「家賃交渉の際に『安くして』だけでは要求が通りにくいので、相場観に基づいた根拠を提示するといいですよ。
『中央に大きな柱があって実質的な売り場は9割だから、家賃は1割程度下げてもらいたい』とかね。
これは内装業者さんとの交渉でも同じです。
相場観を身に付けるには経験者から話を聞くのが一番ですが、知人にいなければネットや書籍などで情報収集に努めるのも良いと思います」
 

開店当初は高橋さんとアルバイトスタッフで運営していたが、今ではアルバイトの他に複数の社員を雇えるほど、経営状況は安定している。

「そろそろ新しいお店を出したいですね。ビリヤードにこだわる必要はないと思っていて、在庫が無くて時流に合う商売ならいいかなと。
特に、美容や健康に関係する女性向けのビジネスに注目しています」

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