マーケティングや製薬系などのデータ分析サービスに特化。創業3年で売り上げ3倍以上の成長率「分析屋」

企業紹介

執筆者: ドリームゲート事務局

ライフサイエンス分野からスタート。データ分析で未来予測を行う専門家集団
展開している事業内容・特徴

20141118_1経営判断の正確性を高める方法の1つとして、ビックデータというキーワードが話題となっているが、まだまだそれを取り入れている企業は多くない。その一番の理由として挙げられるのが、専門人材の不足だろう。ここ数年で急速に注目された分野でもあり、統計学や計量経済学を学び、現場でSASなどの数値解析ソフトウェアやR言語などを使いこなすなど、データ解析をバリバリこなせる人材はそう多くない。

今回紹介する株式会社分析屋は、その名のとおりデータ分析に特化したサービスを展開しているベンチャーだ。

会社設立は2011年8月15日。神奈川県藤沢市の藤沢商工会議所が運営するインキュベーション施設に拠点を置き、創業者の廣川貴氏を含めた4名のメンバーでスタートした。創業当初は、臨床試験や治験などの、ライフサイエンス分野のデータ分析が主だった。

その後、データ分析をマーケティング全般に広げ、生命保険会社や自動車販売会社などの顧客獲得に成功。サービス内容については、クライアントごとに守秘義務があるので詳しく言えないとのことだが、例えば新聞に掲載した広告の反響を数値化し、出稿量をコントロールする広告最適化や、自動車の走行距離を分析し、オイル交換が迫ってきた顧客などを特定してアプローチするなど、具体的な打ち手に落とし込んだKPI分析を行っているようだ。

こうした分析と仮説検証を自前で行っている企業もあるが、専門人材でなければなかなか高度な分析や運用は難しい。そこで同社は「チーム・データサイエンティスト」と名付けた、データ分析業務に特化したスペシャリストによるサービスを提供にしている。扱うデータ量は、ビックデータといわれる数百万件のオーダーから、Excelなどで扱える規模のオーダーまで実に様々。廣川氏は、「ビックデータからスモールデータまで、データ量は問わず、クライアントにとって最適な分析結果を提供する」と語る。同社、そこにあるデータだけで、いかに有効な仮説を見つけるかを念頭に置き、「おもてなし」の精神を社是としたサービス提供を心がけている。

経営は黒字が続いており、創業3年で売り上げは3倍以上という成長ペース。社員数も25名と順調に拡大を続けている。取材をした2014年11月時点では、藤沢商工会館ミナパークという施設に移って間もないタイミングだったが、すでに手狭となり、近々により広いオフィスビルに移る予定だという。

きっかけはイランへの留学。外国人からの一言で、日本に恩返しをすべく起業
ビジネスアイデア発想のきっかけ

20141120-1廣川氏が、起業を意識したきっけかは「イラン」だ。大学卒業後、IT系の会社に就職し、営業職に就いた廣川氏。しかし、会社のために必死に働く「社畜」になりつつある自分に嫌気がさし、また、そんな働き方を強要する日本社会も嫌いだった。そこで廣川氏は、4年ほど海外へ脱出することに。

そして、イランの学校に留学していた時、廣川氏はヨーロッパから来たクラスメートと話をするなかで、「日本はとてもよい国じゃないか。日本が嫌いだなんて信じられない」と驚かれた。考えてみれば、日本は先進国の中でも社会や経済が安定しており、治安のよさも抜群。食事もおいしいし、長い歴史と独特な文化を持っている。同じ先進国でも、政情不安や高失業率に悩まされている欧州諸国から見れば、羨ましい環境なわけだ。しかも、日本は第二次世界大戦で一度焼野原になったが、わずかな期間で経済復興し、世界第2位の経済大国にまでなった奇跡的な国でもある。

戦後の復興期、必死に働いて日本を立て直した先人たちに比べたら、「社畜」などといって愚痴を言っている自分の小ささはなんだったのか……そう気づいた廣川氏は、日本のためになる仕事をしようと、起業を意識し始める。

その後、前職の経験も生かしてデータマイニングの分野で起業することを決意。創業時の思いを忘れないため、また社員にも意識してもらいたいと、会社の設立日は終戦記念日である8月15日とした。

社是は「おもてなし」。その日に行った「おもてなし」と「感謝」を報告するよう全社員に働きかけている。顧客・同僚関係なく、とにかく常に相手を想い、おもてなしの行動と感謝を意識して貰うのが目的である。
また「社畜」という言葉が嫌だったこともあり、理想とする企業は社員をとにかく大事にする社風で有名な未来工業株式会社。廣川氏もとにかく社員を大事にすることに心を砕いているという。

また、データ分析というビジネスは人材が競争力の源泉。貴重な人材をつなぎとめておくことは、何よりも重要な経営戦略といえるだろう。

いずれはデータ分析で日本の未来を予測したい。「一緒に日本を元気にしよう!」
将来への展望

廣川氏に今後の展望を伺ったところ、直近の計画では、2015年7月末までに社員数40名体制、5期に80名体制、年商規模で7億円という数値目標を教えてくれた。当然だが資本政策も視野に入れ、将来的にはIPOも検討している。

ビッグデータという言葉だけが先行している感もあり、この分野ではまだ目立ったプレイヤーは少ない。有名どころではアルベルト社や、専業での上場企業ではブレインパッドといったくらいだろうか。あとはいわゆるCRMベンダーやSIer、ITコンサルティング会社などが競合となるが、分析スキル=人材力が競争の源泉というモデルであることから、ベンチャーの成長余地はまだまだ大きい。

また、いずれは日本の未来の行方をデータ分析をもとに提示できるようにすることが目標だという。例えば、海外からの安い輸入品を国民が疑問なく購入しつづけた場合、日本国内の製造業がどれくらいダメージを受けて、結果として国全体の所得がこれだけ減ってしまう……など。単なる価格比較による経済合理性や、大局観だけの議論ではなく、データ分析によって正確にシミュレーションし、その結果を共有したうえで選択した結果に責任を持てるような未来を日本全体に提示したいのだ。

「一人一人の行動・選択が未来を決めているということをデータ分析で明確にしたい。IT技術がさらに進化すれば、それも可能になるだろう。今は終戦後に日本を復興させた先人たちが残してくれた遺産を食いつぶしている状況。そんな閉塞感や、長期低落傾向を盛り返したい。一緒に日本を元気にしよう!」。取材の最後に、廣川氏はそう語ってくれた。

株式会社分析屋
代表者:廣川 貴氏 設立:2011年8月15日
URL:
http://analytics-jp.com/
スタッフ数:25名
事業内容:
・データ分析
・システムインテグレーション
・国際交流コンサルティング

当記事の内容は 2014/11/20 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

無料で始める