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経営者視点でのレンタルサーバーの選び方。比較サイトだけでは分からないチェックポイントを大公開。

株式会社ウズリー代表 ドリームゲートアドバイザー:伊藤 みゆき 氏

ネット起業・独立開業支援を手がけるウズリー代表。ネットマーケティング、多言語インバウンド支援のアッカ・コミュニケーションズ合同会社、フィンテック企業のカレンシーポート株式会社CMO。KFCオンラインショップ勉強会主任講師、(社)ビジネススキル協会代表理事兼ネットショップマスター資格認定講師。「WordPress1日速習セミナー」開催は200回を超える。ドリームゲートのアドバイザーとしては、アドバイザーグランプリ・オンライン相談部門およびIT・インターネット部門で数年連続第1位に輝くなど実績多数。

いまや、事業を始める際には自社のコーポレートサイトをはじめ、商品を説明するサービスサイトを設けるのは当たり前。さらに、ECサイトや、集客のためにブログなどを運営している経営者は数多くいます。

自社のサイトをつくる際に考えなければならないのは、“どんな内容にするか”ということだけではありません。Webサイトを運営するための“サーバー選び”も重要な問題です。しかし、レンタルサーバーは数多くあり、「どれを選べばいいのかよくわからない」という人も数多いのが実情です。

そこで、ドリームゲートのアドバイザーとして数々のWebサイトの立ち上げを支援してきた専門家の伊藤みゆき氏に「ビジネスを成功に導くレンタルサーバーの選び方」を伺いました。大いに参考にしてください。

経営者視点でレンタルサーバーを選ぶポイントは7つ

まず、レンタルサーバーはどうやって比べればいいか、お教えください。

伊藤氏:レンタルサーバーの比較サイトがあるので、世の中にはどういったレンタルサーバーが存在しているのかを手っ取り早く調べるには好都合でしょう。ただし、注意点があります。そうした比較サイトの多くは、紹介しているレンタルサーバーからアフェリエイトといって紹介手数料などを得て運営されています。おすすめランキングが報酬金額順に掲載されていたりする場合もあります。つまり、上位表示されているレンタルサーバーが必ずしもいいわけではないということです。

レンタルサーバーを選ぶにはいくつかのポイントがありますので、それを自分なりに比較検討し、無料のお試し期間を利用して実際に操作性も試し、できればサイトの目的に合った専門家の評価なども参考にして決めるとよいでしょう。

では、どういったポイントがあるのでしょうか?

伊藤氏:サーバー選定のポイントは、“ディスク容量” “マルチドメイン対応” “セキュリティ” “サポート体制” “品質保証” “自動バックアップ” そして “トータルコスト” の7項目でしょうか。

Point1:ディスク容量

では、それぞれについてチェックすべき内容についてお教えください。

伊藤氏:今はWordPres(ワードプレス)というWebサイト、ブログサイトなどを簡単に構築できるシステムが人気です。Webサイトの更新も昔に比べて圧倒的に楽で簡単になったため、更新頻度も高くなっています。そうすると、今までよりも写真やファイルをサーバーにアップしていくことになり容量が不足する可能性がでてきます。ディスク容量が無制限なら、容量を気にせず使い続けることができます。ただし、他のユーザーと共同で利用する共用サーバーの場合、他のユーザーサイトの稼働に影響を与えるようなディスクやリソースの占有を行った場合などは、運営会社から不要ファイルなどの削除を要請されることもありますので注意が必要です。

Point2:マルチドメイン対応

次は“マルチドメイン対応”です。これは、一つのサーバー契約で複数のドメインやWebサイトを持つことができるというサービスですね。

伊藤氏:そのとおりです。昔は、1つのWebサイトで1つのレンタルサーバーを契約する必要がありましたが、最近は、1社で複数のWebサイトを運営するのが当たり前になっています。そのため、最近のレンタルサーバーでは、マルチドメイン対応と言って、1つのサーバー契約で、複数のWebサイトを運営することができるようになっています。

なぜ、複数のWebサイトが必要なのですか?

伊藤氏:Webサイトにはいろいろ種類があり、Webマーケティングに熱心な事業者は目的別にサイトを構築する場合も多くなっています。具体的には、会社を総合的に紹介するコーポレートサイト、商品・サービスごとにそれぞれを紹介するサービスサイトやブランドサイトなどですね。

サービスサイトをそれぞれ独立させることでより専門性を強調し、訪問者に信頼感や納得感を与えやすくすることが複数のWebサイトを運営するメリットです。また、テーマを絞ったWebサイトを構築・運用するのは、SEO対策面でもプラスです。例えば、私は自社サイトのほかに、WordPress のセミナーだけに特化したサイト、ネットショップ開業講座サイトなどを別々のドメインで運営して、狙うキーワードで常に上位を取っています。自社サイトにも各サービスの案内は掲載していますが、そこから探してもらうより、テーマ毎の専用サイトを作ったほうがユーザーにもわかりやすいですし、作る側にとっても、そのことだけ記載すればいいので作りやすく、その上専門サイトは、SEO効果が高くYahoo!やGoogleなどの検索エンジンから集客しやすくなります。

マルチドメインサービスなら、サーバー1台分の費用で複数のWebサイトを運営することができるため、コストも抑えられ、他店舗展開のようなサイトの見せ方も可能になります。ただし、注意点があります。

マルチドメインを運用する際の注意点とはなんでしょうか?

伊藤氏:格安レンタルサーバーでも1契約で数十個のWebサイトを運営できるようになっています。これは1つのレンタルサーバー内でフォルダ分け(小分け)して、それぞれにWebサイトを格納しているケースが多いのですが、1つのWebサイトにアクセスが集中してサーバーの負荷が急激に高くなると、マルチドメインで運営している他のWebサイトも極端に重くなったり、表示されなくなる可能性があります。

例えば、ブログで自社サービスの魅力について書いたことがFacebookやTwitterなどのSNSで拡散されてアクセスが集中したことで、同じサーバーにおいてあるサービスサイトにもアクセス制限がかかります。せっかくSNSから集客できても、肝心のサービスサイトに誘導できず、結局は見込み客を逃してしまった=機会損失、ということになりかねません。

他のWebサイトのアクセス急増による機会損失は、どうすれば回避できるのでしょうか?

伊藤氏:ほとんどのレンタルサーバーの場合、図1のように一つのアカウントという箱の中に仕切りを設けているような構造です。この場合、どれか1つのWebサイトにアクセスが集中したりすると、他のWebサイトの稼働に大きな影響を及ぼしてしまうリスクがあります。

その点、図2のようにドメインごとに箱を分けてくれるレンタルサーバーならば、そうしたリスクはありません。

マルチドメインでもドメインごとに箱が違うというのは便利そうですね。

伊藤氏:箱が違うということは、ドメインごとにIDやパスワード、管理画面も別になりますから、複数の担当者にドメインを任せるということも可能になります。管理画面が一緒だと、複数の担当者で共用することになり、ある一人の操作ミスでほかのドメインにも影響を及ぼしてしまう事態を防ぐことができません。悪意がなくても、例えば接待でお酒を飲んだ後、どうしてもその日中に更新しなければならず作業をして、誤って他のドメインに触れてしまうというミスは起こるわけです。経営者ならば、そういうリスクはあらかじめ取り除いておくべきでしょう。

Point3:セキュリティ

次の“セキュリティ”は、今や非常に重要な観点ですね。

伊藤氏:ユーザーが自らサイトを更新できるのが、「WordPress」などのコンテンツマネジメントシステム(略称CMS)のメリットです。だからこそ世界中にユーザーの広がる「WordPress」は、サイバーアタックの対象にされやすいという裏面もあります。そこでアプリケーションファイアーウォール(略称WAF)を標準搭載しているサービスを選ぶべきでしょう。ただし、自助努力も重要です。

CMSでWebサイトを運営する際、セキュリティ的に気をつけることとは?

伊藤氏:サイバーアタックは機械的に行われるので、よく使われている“admin” “test” “webmaster” “運営しているドメイン名”といったIDは、攻撃側も平易に想像できるため攻撃されやすくなります。そうした単語は絶対に使わないでください。他にもセキュリティプラグインの導入や、何かあった時のバックアップも取っておきましょう。

Webサイトの改ざんや情報漏洩などが起きると、会社の信頼を一気に失ってしまうリスクがあります。万が一にでもこうした事故を起こさないためには、WAFのほか、メールスパム対策、ウイルスチェック などが標準装備されているサーバーを選びたいですね。

Point4:サポート体制

次は“サポート体制”です。

伊藤氏:安いレンタルサーバーの場合、サポートはメールでのみ行うというところがほとんどです。しかし、メールだと回答が届くまで数日、という場合も少なくありません。また、自分の聞きたいことが相手に伝わらず“質問の質問”が返ってきてさらに時間がかかるといった事態にもなりがちです。スピードが勝負のアーリーステージにあって、そんな時間のムダは避けるべきでしょう。

ですから、電話でのサポートをしてくれるサービスを選ぶ必要があります。中には、コールセンターに委託することなく、サービスを熟知している自社の社員が電話対応するレンタルサーバーもあります。疑問はその場で解決できるので、貴重な時間をムダにせず余計なストレスもかからずに済むでしょう。

Point5 品質保証

“品質保証”とは、どういったことでしょうか?

伊藤氏:レンタルサーバーは、ダウンすることも少なくありません。しかし、サーバーダウンによりWebサイトが使えなくなるのはビジネスにとってダメージが大きいです。私も実体験があるのですが、2003年に初めてネットショップを開設した当時、国内に安いレンタルサーバーがなく海外のサービスを利用したのです。そのネットショップはおかげさまで結構ヒットし、Yahoo!検索でトップ表示されるようになりました。ところが、サーバーが1週間もダウンするという事態が起きたのです。その間商売ができず、さらにYahoo!には「Webサイトがなくなった」と判断されたのか、検索しても表示されなくなってしまいました。SEO効果でYahoo!からの流入が多かったので、これは非常に痛かったですね。

直接的・間接的に売上減に結びつく事態ですので、経営者は厳重にチェックすべきポイントですね。

伊藤氏:だからこそ、SLA、つまり“サービス品質保証”がしっかりしていることが大切です。“SLA100%”のレンタルサーバーならば、仮にダウンしてもその時間分のサーバー利用料は返金してくれます。しかしそれ以上に、“SLA100%”を掲げるからにはダウンさせないように努めるはずですから、安定した稼動が望めると思います。また、これは保証ではないですけれども、有名企業が運営しているサービスの場合、ブランドの毀損に繋がるサーバーダウンは起こさないよう万全の体制で臨んでいるはずです。

Point6:自動バックアップとテストサーバー

次の“自動バックアップ”とは?

伊藤氏:CMSの場合、データはすべてサーバーにアップされるので、作業をする手元のパソコンには残らなくなります。ですから、万一のためにデータを別のところに保存しておく必要がありますが、このバックアップを標準装備、つまり無料でやってくれるサービスを選べば、安心かつ効率的です。手動でやっても構いませんが、それだとつい忘れてしまったり、面倒だったりしますから。WordPressなら自動バックアップを取るプラグインもありますが、設定が難しく感じてできない方もいますので、サーバー側で自動的にバックアップしてくれるほうが良いですね。

“テストサーバー機能”とは?

伊藤氏:HTMLだけで作ったWebサイトなら手元のパソコンでもテストができるのでそれほど問題でないのですが、CMSで構築したWebサイトをリニューアルするような場合には、テスト用のサーバーが必要になります。しかし、サーバーが本番で動いているものしかない場合、リニューアルのため本番Webサイトを止めるのはナンセンスです。

また、Webサイトを本番環境にアップする前には、かならずテスト環境で確認や修正を行うべきですが、別途テストサーバーを用意するとなると、設定などで時間も余分にかかってしまいますので、テストサーバー機能がはじめからついていると楽で便利です。裏技としては、テストサーバーを予備機としてバックアップ的に使う事もできます。細かいかもしれませんが、ここも効率化のためにはぜひチェックしたいポイントです。

Point7:トータルコスト

そして、最後に“トータルコスト”です。

伊藤氏:開業資金はできるだけ抑えたいという気持ちはよくわかりますし、ムダなコストは削減すべきです。そこで、レンタルサーバーも「なるべく安いものを」という観点で探しがちです。それも理解はできますが、大きな疑問もあります。レンタルサーバーの場合、料金は月額で500~5000円くらいの幅に収まると思います。仮に5000円のサービスにしたとして、その差は4500円。1回飲みに行くのをやめれば済む金額ですよね(笑)。これが500円と50万円の差があるならば考えてしまうでしょうが、数千円の差であれば、これまで述べてきたような機能がついているレンタルサーバーを選んだほうが良いでしょう。

いったんレンタルサーバーを契約してWebサイトを開設してしまうと、他のサーバーに移設するのはかなりの手間がかかります。仮に何か重大なトラブルが発生し、別のサーバーに移行するとしても、移行にかかる手間・コストのほうが、安いレンタルサーバーを借りて浮いた金額よりも大きくなるでしょう。

ここで私が言いたいのは、世の中にはご自身の時給を気にしない経営者が多い、ということです。余計なコストをかけたくないあまり、設定や運用にかかる手間・時間まで考慮していないため、結果的に収益性を落としていることに気づくべきです。

経営者の仕事は事業を成長させること、売上を上げることに使うべきで、小さなコストカットのために時間を割くのは本末転倒です。レンタルサーバーについても、経営者はそういった視点で選んでほしいですね。

結論

今回はドリームゲートアドバイザーの伊藤みゆき氏に、経営者視点からのレンタルサーバー選びについて解説していただきました。

要点をまとめると、レンタルサーバーは以下に注目して選んでほしいという事です。

もっとも重要なのは、トータルコストという考え方でしょう。安いレンタルサーバーを借りてしまったばかりに、経営者がサーバーの設定や運営に時間を取られることは避けるべきという事です。

チェックポイント
ディスク容量 無制限かどうか
マルチドメイン対応 マルチドメインに対応しているか
管理画面、アカウントなどがドメインごとに分かれているか
セキュリティー WAF 、メールスパム対策、ウイルスチェックなどの機能があるか
サポート体制 電話サポートが受けられるか等
品質保証 SLA100%となっているか
自動バックアップ機能 自動バックアップ機能がついているか
テストサーバー機能がついているか
トータルコスト 設定や運用に余分は手間や時間がとられないか

伊藤みゆき氏がお勧めのレンタルサーバー

伊藤みゆき氏も8年以上、ヘビーユースしているレンタルサーバー「CPI」
KDDI グループのホスティング専門ブランドとして圧倒的な信頼性があり、もちろん、上記のチェックポイントすべてをクリアしているのでお勧めです。

提供:株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ