
自分の夢を実行に移し創業することは簡単ですが、事業として継続していくには収益を上げていかなければなりません。情報収集や調査の目的は、自分がこれから始めようとしている事業がどのような状況にあるかを知るためです。そして、その結果を基に、具体的な事業計画やビジネスモデルへと落とし込んでいくことが求められます。
また、事業を始めるにあたり、自己資金が不足している場合には金融機関からの融資を受けることと思います。融資を申し込む際に提出が必要な創業計画書や事業計画書では、事業の詳細だけでなく、客観的なデータに基づく具体的な数値計画も必要です。調査が十分にできておらず事業計画があいまいであると、事業の成功だけでなく、情熱すら疑われてしまいます。この点でも、情報収集や調査は不可欠なのです。
では、情報収集や調査はどのように進めていけばよいのでしょうか。
まず、創業しようとする業界について詳細な情報を集めます。現在は、どのような業界でもインターネット、図書館、業界紙等を通じて一般的な業界情報を得ることができます。可能な限り多様な情報を集めましょう。そこから、自分の事業がその業界においてどのような立ち位置を取ることができるのかを考え、ビジネスモデルを検討していきます。
次に、事業のための具体的な調査を行います。実際の事業環境について調査する実地調査が中心です。統計などの各種資料を収集し、分析するのはもちろんですが、実際に自分の目で見て回ることが重要です。いわゆる競合調査や市場調査といわれるもので、この部分がもっとも熱意が問われる部分でもあります。地域の自治体のホームページ等から統計資料を見ることも大切ですが、結局は自分の足で稼いだ情報であることを心掛けていただきたいと思います。資料からは見えてこない事象も数多くあるからです。
ビジネスの成功には、どこにニーズがあるのか、そしてそのニーズをいかに満たしていくか、ということがカギとなります。綿密に行った情報収集や調査の結果をビジネスモデルにフィードバックすることによって、事業の成功に一歩近づくことができます。