
最近、書店で「脳」に関する本を多く目にします。
何冊か手に取ってみると「アファメーション」という言葉が頻繁に出ていました。
用語の解釈は筆者によってさまざまですが、私なりに要約すると「前向きな言葉を自分のなかで繰り返し、プラスの思考回路を作り上げること」です。
自分の望みが、叶った時のことを繰り返しイメージします。すると人間の脳は、潜在意識のなかで望みが叶うための答えを探すようになるそうです。
人間が普段意識として感じている顕在意識は、脳の数%が機能している部分でしかありません。脳の大部分を占めるのが、無意識とも呼ばれる潜在意識です。潜在意識を活かす生き方を実践することで、ビジネスの成功をつかみとる人もいるそうです。
「Dreams come true」とよく言われますが、望み続けることで脳も夢に向けて活動していくのでしょう。
「創業したい気持ちはあるけどできない」という言葉を耳にします。「できない」という否定の言葉が気持ちのどこかにあると、前には進みづらいものです。また、そのような気持ちを持った瞬間ごとに、潜在意識のなかに否定的な言葉が刻まれてしまいます。
一つの目的に対して、心のなかに肯定的な気持ちと否定的な気持ちが同時に存在することは、誰もが経験することかもしれません。しかし、成功哲学で有名なナポレオン・ヒルは「肯定的な感情と否定的な感情が同時に心を占めることはできない。どちらか一方が他方より勝るはずだ」と言っていました。
創業の夢を叶えるためには、できないという否定的な気持ちよりも創業したい肯定的な気持ちを心のなかで優勢にすることが大切です。これは自分の意志で行うことができます。
創業をお考えの方は、「できない」理由を考えるのではなく「創業した」自分をイメージして計画を検討してみてはどうでしょうか。例えば創業後のイメージに合わせた計画書を作成すると、創業のためにやるべきことが具体的に見えてきます。創業計画書は日本公庫のサイトでダウンロード可能です。
計画書を作成するなかで、動機を文字にして創業したい気持ちを明確に意識します。また、必要な資金と調達方法を具体的に記入することで自己資金と借り入れのバランスを考えることもできます。
計画書を作成することで、創業するために不足している物事が見つかるかもしれません。しかし、それらに関しても整えている途上にあると考えることができます。「まだできていない」から「今から整える」と考え方を転換し、否定的な言葉も肯定的な言葉に転換します。
計画書作成後に浮かび上がってくる現実味を帯びた前向きな言葉は、アファメーションを効果的に行うことにつながります。現実味のない言葉を繰り返すだけでは、できないという否定的な言葉に勝てないためです。創業前にアファメーションを身に着けると、創業後の事業計画作成などにも役立てることができるのではないでしょうか。
日本公庫では、ビジネスアイデアが具体化した方への資金面のサポートや創業計画のブラッシュアップのお手伝いをしています。全国152支店、15ヵ所にある「創業支援センター」、6ヵ所にある「ビジネスサポートプラザ(予約制の夜間、土曜・日曜相談を行っています)」にお気軽ご相談ください。