開催日:2006年3月11日 会場:東京・プリズムホール
株式会社ウェザーニューズ 代表取締役会長兼社長 石橋博良氏
株式会社ワークスアプリケーションズ 代表取締役CEO 牧野 正幸氏
コーディネーター 株式会社クララオンライン 代表取締役社長 家本賢太郎氏
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このパネルディスカッションに参加していただいたのは、世界最大の民間気象情報会社である株式会社ウェザーニューズ代表取締役会長兼社長の石橋博良
氏と、大手企業向けに財務や人事などのパッケージシステム(ERPパッケージシステム)を開発、販売する株式会社ワークスアプリケーションズ代表取締役
CEOの牧野正幸氏のおふたり。司会進行役には、サーバーホスティング会社である株式会社クララオンライン代表取締役社長の家本賢太郎氏にお願いした。
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最初に、家本氏から投げかけられた質問は、「苦しい時期を乗り越える方法とは?」。それに対して、石橋氏は「大変だなと思ったことはあったが、苦し いと感じたことはない」と言い切る。同様に牧野氏も「問題を解決することこそが仕事。問題が多ければ多いほど、それを解決できたときに他社と差別化するこ とができる。誰にでもできる簡単なビジネスモデルをやろうとする人がいるが、それって楽しいのかなと疑問に思う」と続けた。つまり、苦境を乗り越えるのは 当たり前で、そもそもおふたりには“苦しい”という概念がないのかもしれない。ただし、ふたりともその苦難を乗り越えるためには、パートナーの力は絶対に 必要だと言う。
「ただし、そのパートナー選びが重要なんです。当社は私を含めて3人で会社を動かしていますが、仲がいいからいっしょに仕事をしているわけではな
い。なぜその2人を選んだのかというと、僕にとっては彼らがいちばん優秀な人材であり、人間力も含めて尊敬できる能力を持っていたから」と牧野氏。石橋氏
も「僕も3人で会社を経営しています。面白くて、好きなやつといっしょに仕事ができて、その上で金儲けができればいいと思ってます。もちろん、友だちって
意味ではないですけど。ハードウェアでもソフトウェアでもなく、“ハートウェア”があれば、友だちではなくても一緒に仕事ができる」と話してくれた。
次に家本氏から投げられたテーマは、“我が社の必勝パターン”について。「まず、自分たちがやっている仕事にどんな価値があるのか考えてみ
ることが大事。以前勤めていた商社は、メーカーと消費者の間を取る“鞘抜きビジネスモデル”でしたが、今は独自の気象情報を扱っているので、“価値創造ビ
ジネスモデル”だと言えます。やはり、何かを抜くのではなく、新しい価値を生むビジネスをやっていきたい」(石橋氏)、「早くやったもん勝ちというタイプ
のビジネスモデルはやりたくない。なぜなら、後で大資本がやってきて、結局負けてしまうから。そうではなくて、難しいことに敢えてチャレンジすることがベ
ンチャーの使命なんですよ。大勢の人間を引っ張っていくのであれば、儲けありきではなくて、社会に貢献できるようなビジネスをやるべきだと思います」(牧
野氏)とそれぞれ答えてくれた。
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「方針の転換をする際には勇気がいると思うのですが?」という家本氏の問いについては、牧野氏は「理念と目的がズレていなければ、戦略の転換をする ことは問題ないと思っている。自分が正しいと思うのなら、腰を抜かしてでも転換はした方がいいのでは」と、石橋氏は「最近、二大政党のうちのひとつが対応 に謝った例がありますが、あれはカッコつけたかっただけだよね。自分だけいい思いをしようとしちゃダメ。恐れずに攻撃的に自分たちを社会に適応させること が大事」とアドバイスしてくれた。
大きな転換も恐れずに決断できる勇気こそが、ベンチャーのリーダーには必要なのだというメッセージが胸に響いた
ゲスト審査員
(株)サイバーエージェント 藤田 晋氏
GMOインターネット(株)熊谷 正寿氏
タリーズコーヒージャパン(株)松田 公太氏
(株)テイクアンドギヴ・ニーズ 野尻 佳孝氏
(株)フォーバル 大久保 秀夫氏
ブックオフコーポレーション(株)坂本 孝氏