開催日:2006年3月11日 会場:東京・プリズムホール
グッドウィル・グループ株式会社 代表取締役会長兼CEO 折口雅博氏
「大挑戦者祭2006」2日目、最初にメインステージの壇上に立ったのは、グッドウィル・グループ株式会社・代表取締役会長兼CEO 折口
雅博氏。大手商社・日商岩井(現・双日)を退職後、30歳で起業し、わずか10年で売上1400億円を達成という輝かしい実績を持つ。「成功の要因を説き
明かすことで、起業を目指す人々を支援したい」と、自らの成功哲学を語ってくれた。
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折口氏は会社を設立した時、たった5人の従業員の前でこう宣言したという。「我々は5年以内に株式公開をする。そして10年後には売上1000億円 を達成する」と。明日の資金繰りも苦しいときに何を言っているんだ?と思った従業員もいたかもしれない。しかし折口氏は真剣だった。「つねにチャレンジン グであれ、つねにハングリーであれという意味を込めて『弛まぬベンチャースピリット』という社是を制定した」という。そしてそれに沿った企業理念「グッド ウィル・グループ十訓」を作り上げた。
「成功するためには、企業理念を掲げ、それを紙に書いて壁に貼り、毎日唱えることが重要だ」と折口氏は力説する。繰り返し唱えることで、理念は潜在
意識に刷り込まれるという。例えば、「スピードは力なり、変化をチャンスと思え」という企業理念を掲げていれば、新規事業を始める時も躊躇せずに攻めてい
ける。思い描き、強く念じ、行動すれば現実のものとなるのだ。
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事業を成功させるために、一番必要なことは売り上げを上げること。そしてそのためには、お客様を満足させ続けなければならない。ではどうしたら満足させられるのか。「それは物事の本質を見抜くことだ」と折口氏は話す。
ある事業が成功するかどうか、それはボーリングにたとえれば、ストライクを取ることだという。センターピン(一番真ん中のピン)に当てれば、かなりの高確率でストライクが取れる。これと同じで、自分の事業の本質=センターピンを探り当てることが重要なのだ。
折口氏は介護事業に参入した時、センターピンは“居心地の良さ”だと判断した。だから 医療や介護の技術レベルを高めることよりも、スタッフの笑顔を増やし、向上心を高めることに注力した。予想通り、サービスの心地よさが顧客に支持されて、介護事業は成功を収める。
そして「つねに当事者意識を持て」と折口氏はアドバイス。レストランに入ったら、その店の経営者の身になってチェックしてみる。すると店員の対応、
照明の明るさなど細かいところが気になってくる。いつも経営者の身になって物事を見ているうちに、経営センスが磨かれていくという。
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起業家はつねに「やる」か「やらない」かの決断に迫られる。そしてその決断は瞬時に行わなければならない。「スピードアップのためには完璧を求めな いことが重要。70%の出来で次へ進むべきだ」と折口氏。完璧なレベルになるまで待っていると、他社に先を越されてしまう。しかし70%で突っ走れば、ス ピードは3割増すのだという。ベンチャーが大企業と戦えるのは、“スピード”があるからなのだと折口氏は強調した。
最後に折口氏は聴講者に対してメッセージを送った。「つねに当事者意識を持って、経営センスを磨き、ぜひ事業を興してください! そして走り続けてください」ゲスト審査員
(株)サイバーエージェント 藤田 晋氏
GMOインターネット(株)熊谷 正寿氏
タリーズコーヒージャパン(株)松田 公太氏
(株)テイクアンドギヴ・ニーズ 野尻 佳孝氏
(株)フォーバル 大久保 秀夫氏
ブックオフコーポレーション(株)坂本 孝氏