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大挑戦者祭2005 レポート

開催日:2005年2月11日(建国記念日)  会場:東京国際フォーラム

社会起業家としての起業

社 会起業家によるコミュニティーベンチャーについて語っていただく本ディスカッションでは、自ら新しい事業にチャレンジしている3人の方々をお呼びしまし た。普通の起業家と違い、社会起業家は単に金銭的な成功だけが目的ではありません。このお3方も、それぞれ社会的なテーマを掲げて事業をされているので す。あえて「お金にならない」と言われる分野で起業に取り組んでいる方々に、コミュニティーベンチャーの実践体験についてお話しいただきます。



宮城氏 では大塚さんから、今展開されている事業の立ち上げの経緯や内容についてご説明ください。
大塚氏 起業して18年目になる、株式会社ユー企画を運営しております。自分の患っているアトピーによく効いたアミノ酸のシャンプーを、より多くの人に広めたいと 思ったのが起業のきっかけです。シャンプーの他にも肌の弱い人向けの化粧品をインターネット上で販売しております。私どもの製品がないと困る方が大勢い らっしゃるため、みんなでよい商品を共同購入する元締めだと思い努力しています。また、この事業の資金を捻出するため、別にウェブやシステムの構築を仕事 内容とする会社を経営しています。
宮城氏 いい商品を広めるため、自ら会社を興そうとする人は少ないと思います。不安もあったと思いますが、あえて起業に踏みきった理由は何でしょうか?
大塚氏 私は27年前に離婚したのち、子どもを育てながらOLとして働いていました。職場にいると、保育所で子どもが熱を出しても仕事を投げ出してすぐ帰ることは 許されません。子育てと就労を両立するため自分で会社を興したのです。24時間を自由に活用できる、いい生き方ですよ。
宮城氏 利益の出にくい事業を継続させるコツはなんでしょうか?
大塚氏 稼げる部門を別に持つことですね。私は、子どもの受験で教育費が必要になったとき、どうやって自分の能力をお金に換えられるか考えました。そこで、今まで 無料でやっていたビジネスコーディネーターや、インターネットの普及によって需要が増えたウェブ製作の仕事を受注して、うまくいったのです。


宮城氏 横石さんの事業は、高齢者の方が落ち葉を集めて売るというアイデアが成功した事例として全国的に有名です。地域を元気にした不思議な起業の仕組みを教えてください。
横石氏 葉っぱを全国のホテルや料理屋さんに売るビジネスを展開しております。私どもが事業を行う徳島の上勝町は、住民約2200人のうち高齢者が45%に達す る、お年寄りの街です。自慢できるものなどないと地元の人自ら思っているような所で、始めは「葉っぱを売るなんて恥ずかしい」と言われました。しかし、田 舎ならではのおもしろい商売はたくさんあるというのが私の考えです。地域環境と商売を結び付ければ新たな価値を生むことができると証明したかったのです。 そこでインターネットを使い、これから売れるものを地元の皆さんが先読みできるシステムを構築しました。自分から地域にあるものを商品として考える「思考 力」が高まり、都会にない価値を生み出せるようになったのです。普通のおばあちゃんが月に50万、200万をふらっと稼いでいくような、田舎がしっかりと した価値を創出するビジネスをもっと増やさなくてはなりません。
宮城氏 とはいえ、多くの人が自分の田舎はダメだとあきらめているのも事実です。他の地域で成功しなかった理由はどの辺りにあるとお考えですか?
横石氏 他の地域では、単に葉っぱを集めれば売れると考えている方が多いからです。私どもの場合、葉っぱ自体の単価は売り上げの5%に過ぎません。葉っぱの価値以上のソフトを乗せて売っているのです。
宮城氏 横石さんが地域で成功したポイントは何ですか?
横石氏 「人は誰でも主役になれる」という考え方です。自分自身が活躍できるということが重要。「この人はこの仕事を楽しんでやるだろう」と、一人一人に合った仕 事の仕組みを作るのです。各人が楽しいことをやっていれば事業は崩れにくいもの。自分らしく活躍できるうれしさは年齢に関係なく誰でも味わえるものです。
宮城氏 次は横井さんに、若い参加者の方々に向けて、学生時代どのようにベンチャーをはじめたのか、また普通の事業に加え社会貢献的な起業に取り組み始めた理由を説明してください。


横井氏 我々が取り組んでいるのは、1つは学生向けの無料情報誌を北海道の学校に配布するフリーペーパー事業、もう1つは経済産業省に認定されたプロジェクト型の インターンシップ事業です。北海道はインターンシップにあまりなじみのないところでした。そこで起業にチャレンジしたいという学生の要望に応え、学生でも 社会に対して価値を提供できること示そうと努力しています。たとえば、企業の新規事業に起業の志を持つ学生を送り込み半年ほど働いてもらっています。
宮城氏 学生時代に起業されたきっかけは何でしょうか?
横井氏 私は海外を放浪したり、専門学校に入ったりと多彩な人生を歩んできました。ヨーロッパに行ったときですが、そこでお世話になった会社の社長さんの、一時期 だけ店を出し一年のほとんどは遊んで暮らすという生き方に感銘を受け、社長業に憧れました。そこで北海道で出版事業を行ったところ地域の人たちから期待さ れるようになり、自分のように学生としてアクションを起こす人間が地域に必要だと気づかされたのです。そこで学生が企業で活躍するインターンシップに注目 しました。収益の低さには悩みましたが、自分の人生をかけてやる価値がある社会貢献だと判断し、この事業を進めています。
宮城氏 儲かるかわからないビジネスに挑むには不安もあったと思いますが、起業を後押ししたものは何でしょう。
横井氏 1つは、いろんな人に「この事業はどうだろう」と取材して回った経験です。人脈ができ、いろんな人に応援してもらえたり地域のニーズを汲み取るのに役に立ちました。海外でのアルバイト生活から「まず餓死することはない」という自信や安心感もついていましたね。
宮城氏 社会起業家として、儲けるだけでなく社会の問題を解決するためには様々な人を巻き込むことが重要です。社会起業をやりはじめて、周りからの捉えられ方が変わったことはありましたか?
横井氏 北海道独特の話かもしれませんが「やっと気づいたか」という反応が多いですね。22歳で起業した若造にとって、はじめは自分で何かすることがひたすらおも しろかったのですが、やがて「自分は社会にどのような形で貢献できるか」という姿勢の重要性を周りから気づかされました。北海道の経営者は業績を上げた方 ほど北海道全体の利益を考えています。そういった方々の協力もいただきました。例えば、北海道新聞は私たちの事業を積極的に紹介してくれます。若い人たち が地域の問題を解決する手法が今までなかったため、私たちの取り組みを機に認知を深めようとしているのでしょう。


宮城氏 起業において大塚さんはネットワークの重要性を強調されています。その具体的な内容をお聞かせください。
大塚氏 「自分がその人のために何が出来るか」「どれだけ相手に感謝できるか」が重要です。私は預金10万円から事業をはじめましたが、そんな私の会社に商品を卸 してくださったメーカーさんに心から感謝しています。その恩をすべて返すことは出来ませんが、後輩たちに自分のノウハウを伝えることで恩返しになるのでは と考えています。
宮城氏 地域的な起業を成功させる鍵はどこにあるのでしょうか。
横石氏 地域の住民がベンチャーに協力してくれる点がポイントです。都会のベンチャーは自分自身をどんどん押し出せばいいけれども、田舎では謙虚さがなければ必ず しもうまくいくわけではありません。ウチの場合でも、肩をたたいて「よかー」と言い合える付き合いを通して商売に巻き込んでいくことで、地域の考え方が商 売に生きてきたのです。

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経済産業大臣 中川昭一氏特別講演、チャレンジャー ボブ・サップ氏登場!
基調講演:グッドウィル・グループ株式会社 折口雅博氏

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永遠のチャレンジャー やるなら世界一を。私の挑戦心を駆り立てるもの。
[株式会社ライブドア 堀江貴文氏]×[全日本柔道連盟女子強化コーチ 古賀稔彦氏]

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起業への第一歩をどう踏み出すか。~ 起業家 BEFORE & AFTER ~
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学生が秘めた無限の可能性が新たな時代を創り出す。
株式会社オプト 鉢嶺登氏、株式会社ネクシィーズ 近藤太香巳氏、インターン1、2期生

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社会起業家としての起業
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