後半の「ネーミングコンテスト」は、フードビジネスの現場で活躍しておられる長岡謙太郎氏を講師に、前半のプログラムで講師を務めていただきました千葉哲幸氏を審査員長にお迎えし、実際に商品のネーミングを考えるプログラムです。 |
まず、長岡氏が語られたのは、ビジネスの現場でネーミングする際、顧客が何を求めているのか考え、商品のネーミングに反映させることが一番大切だというこ
と。「ターゲットが若い女性なら『音』や『色』といった要素をネーミングに取り入れ、逆に年配男性が相手なら、素材感をネーミングの際に繁栄させるよう心
がけます」 次いで、ウケるメニューのトレンドについて。「流行のメニュー」と聞くと、いかにも新しい料理が創作されたかのような印象ですが、実際は同じメニューが
10~20年のスパンで、何度も流行しているに過ぎません。気がつかないのは、ネーミングや細かな仕立てがその都度変わっているからなのです。逆に、「そ
の2点を自分流にうまくアレンジできれば、商品化に結びつけることが可能です」(長岡氏)。 |
現場の経験に基づく貴重な話を伺った後は、いよいよ練習問題に入ります。まずは数分間、写真で配られた和風のオムレツを見て、それにどんなネームをつけるかを会場の皆さんに考えていただくというもの。 机を挟んで向かい合った5~6人を1グループとして話し合い、各グループで案をまとめる、最後に発表。参加者の真剣な表情、侃々諤々の議論が飛び交い終わったところで、それぞれのグループはどんな名前を考えたでしょうか?
「和ムライス」というフレーズを含む名前が2グループから出たのが印象的でした。このほか、「お店で鶏を飼い、卵そのものがお店で産まれるようにする。『コッコ(ここ)で生まれたオムライス』といった、商品企画を兼ね合わせたネーミング案もありました。 |
では、各グループが頭をひねって考えた名前を、プロの長岡氏や千葉氏はどのように判断されるのでしょうか? 長岡氏は「『卵王(RAN-King)』という気合の入った名前が出ていますが、大きなサイズのオムライスなら面白いと思います。重要なのは、それぞれの
ネーミングを見たときに、どれぐらいの商品価格が思い浮かぶか、ということですよね。そういう点では、『和ムライス』というのは写真の商品の価格的なイ
メージに合っている気がしました」 一方、千葉氏の意見は「『京風和ムライス』というネーミングからは、いかにも昔ながらのメニューという印象が伝わりますね。ただ、『京風』と『和』は同じ
意味を含む語なので、これは少し考える余地がある気がします。また、『シャキシャキレタスのアッサリオムライス』というのがありますが、これは商品のあり
ようを簡潔に伝えていて好印象です」 「プロの方でも微妙に立場が違っていて、ネーミングの難しさを感じさせますね」(酒元氏)。 |
練習問題の講評が終わった後は、いよいよ本番の問題が登場しました。 それは『1時間目の授業の際に出た「キムカツ」をあなたならどうネーミングしますか』というものです。
一層、張り詰めた雰囲気の中、またも各自が真剣に考えた「アイデアの結晶」が投票箱に投票され、プログラムは無事終了しました。
さぁ、審査員長の千葉氏と長岡氏、それにドリームゲート・プロデューサー吉住裕子が加わり、優秀作品を選定いたします。どのようなものが優秀作品に選ばれるのでしょうか? 答えは『飲食店経営』の4月号に掲載されます!
な
お、セミナーの開始に先立ち、メインステージにゲストとして訪れていたボブ・サップさんが飛び入りでブースに訪れるハプニングもありました。「一人一人が
コンテストという形で参加するこのコーナーには、ぜひ訪れてメッセージを残したいと思っていた」とサップさん。「将来は皆さんの手にかかっている。この言
葉を送ろう。『GOOD
LUCK!』」と英語で挨拶すると、会場は熱気の坩堝へ。多数の参加者が、携帯電話のカメラでサップさんを写真に収めたり、握手を求めたりしました。