【事業再構築補助金】審査員はココを見ている!採点ポイントを解説

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 小西 薫

事業再構築補助金の第4回公募開始目前となりました。

今回は事業再構築補助金の申請をお考えの方に向けて、少しでも採択率を上げるため、審査員が事業計画書を見るポイントについてお伝えします。

先日、事業再構築補助金の事務局より、下記の案内が通知されました。

第3回公募の採択発表は11月下旬を予定しております。

また、第4回公募については10月中に公募を開始し12月中下旬頃まで、第5回公募については1月中に公募を開始し3月頃まで実施することを予定しております。

引用元:
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/

上記の案内が出たことでスケジュールの意識を改められた方も多いと思います。

新型コロナによる影響の長期化を受けて、8月31日には経済産業省から事業再構築補助金の来年度継続に向けた概算要求も出されてはいます。しかし、どの程度の予算がつくかは、未だ不透明です。

制度としては継続となりつつも、補助金額が大幅に縮小する可能性もありますので、事業再構築補助金の要件を満たしており、申請をお考えの方は、あまり先延ばしにすることなく、今年度中に申請することをおすすめします。

そもそも事業再構築補助金とは?

この記事を読んでいらっしゃる方であれば、事業再構築補助金についてご存知の方がほとんどだとは思いますが、念のためおさらいです。

事業再構築補助金は中小企業などの業種・業態転換や事業・組織再編を支援する2021年度の新制度です。

「攻めの補助金」とも呼ばれ、中小企業支援策の柱として、第3次補正予算で組み込まれました。

新型コロナの影響を受けた中小企業を支援する特別なものとして、今年度のみと見られていたのですが、影響の長期化を受けて、経済産業省は来年度も継続すべく、8/31に発表された経産省の概算要求にも盛り込まれました。

ただ「事業再構築補助金」は管総理の肝いりの政策だったため大型の予算が確保されていたのですが、その菅総理が辞任し、岸田総理に交代後、10月14日に衆議院が解散と、急展開を見せています。

衆院総選挙は今月19日公示、31日投開票の日程で行われる予定ですが、新しい総理の元で来年度の事業再構築補助金がどうなるかは、現時点では不透明です。

今年度の事業再構築補助金は建物費にも利用できるなど、補助金としては異例の使いやすさで、とても魅力的な補助金です。

しかし、第1回の公募から第3回までにも条件の見直しが行われておりますので、来年度の応募条件や補助金額が現時点ではどうなるかわかりません。そのため、個人的には今年と同じ規模と想定するのはリスクが高いと考えており、現時点で要件を満たしているのであれば、できる限り、今年度中に申請することをおすすめします。

審査員はどんな人?

事業再構築補助金の申請を考えた場合、採択率を上げるためには審査員を意識することが重要です。

審査員は中小企業庁や地域事務局の職員さんではない!

事業再構築補助金は今年度始まった新しい補助金ですが、その審査員は中小企業庁や地域事務局の職員さんではありません。

実は人材派遣業大手のパソナグループが事務局となっているのです。

パソナ社はものづくり補助金のサポートセンター業務も一部、担っています。事務局の公募に対しては、パソナを含む計3件が提案がありましたが、外部有識者5人からなる審査委員会によってパソナ社が採択されました。

そして、第1回の公募開始から一貫して、中小企業庁の選定した基金設置法人(補助事業者)と委託契約を結んで、事業再構築補助金の交付規程策定や公募、審査・採択、交付決定などの業務を行っています。

このパソナ社から委託を受けた中小企業診断士の方々が事業計画書の内容が要件を満たしているか?実現性が高い計画になっているのか?を判断しているのです。

審査員の中心は委託を受けた中小企業診断士

今回の事業再構築補助金で審査の中心となっている中小企業診断士とは、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行うために、法律上の国家資格を得た専門家です。一般的に経営コンサルタントを名乗るのに、資格は必要ありませんが、中小企業診断士は法律上の国家資格として、「中小企業支援法」第11条に基づき、経済産業大臣が登録されます。試験に合格し、経営の診断及び経営に関する助言を行う者として、経済産業大臣が一定のレベル以上の能力を持っていると認められると登録される制度です。

厳しい試験を合格した方だけが中小企業診断士として登録されますので、もちろん経営課題の診断・助言については専門家です。

ですが、事業再構築補助金の審査員として事業計画書を採点する際、貴社の業務については初見となります。

そのため、事業計画書を書く際には、貴社の事業について何も知らない人(素人)がその事業計画書を見ても「なるほど!この事業には税金を使ってでもやる価値がある」と思うような書き方になっていなければいけません。

事業計画書の採点を行う診断士の方々は「現状分析を踏まえた企業の成長戦略のアドバイス」を主な業務とされている方がほとんどです。

経営コンサルタントを本業として行われつつ、事業計画書の採点のような仕事も期間限定の業務として引き受けていらっしゃいます。そのため、採点される側としては「採点官の通常業務」と「今回の採点業務」は少し違っている点に注意が必要だと考えています。

つまり、「自社の事業をわかりやすく記載する」とともに、採点者が日常的に行っている「企業の現状分析」や「企業の成長戦略」といった点を記載し、「採点者にとって読みやすく」、「採点者が気になるポイント」が丁寧に書いてある事業計画書が採択されやすい事業計画書になります。

審査はどのように行われるのか?

審査については、1つの事業計画書を複数人で採点し、その平均で合格・不合格が判定されているようです。

複数人で採点を行うため、貴社の事業の専門家に当たれば点数が高く、無知な人の場合は低くなる、というような事態が最小限になるように工夫されています。

とはいえ、貴社の事業を知らない人がその事業計画書を読んでもある程度把握できるような書き方になっていなければどうしても総合点が低くなってしまいますので、できるだけ具体的に分かりやすく書く工夫が必要です。

一言でいうと、「採点が甘い人にあたっても、辛い人にあたってもある程度の点数が狙える事業計画書」が良い事業計画書ということです。

また、実際の採点にあたっては、できるかぎり感覚的な採点とならないように、公募要領に記載されている審査項目を細分化し、定量的に判定できるように工夫された採点表が準備されているようです。

残念ながら、その内容は公開されていないため、この点については、経験者に頼るか、公募要領の審査項目を読み解き、個々に採点してみることが必要です。

ちなみに、事務局となっているパソナ社は「ものづくり補助金」の事務局も行っているため、ものづくり補助金の審査方法と事業再構築補助金の審査方法はとても近いようです。

そのため、ものづくり補助金の採択率が高い専門家は、事業再構築補助金の採択率も高い傾向があるようです。

審査員が見るポイントとは?

最後に審査員が見るポイントについて、具体例を紹介しながらご説明いたします。

まず、補助金を受けるにあたっては、これが「税金」が元になっているということを意識していただく必要があります。

税金であるからには、無駄遣いは絶対にできません。

また、事業計画書の作成にも時間はかかると思いますが、採点にも時間とコストがかかっており、その予算も税金から支出されています。

そのため、採点官が最も恐れていることは、せっかく採択した事業が後から辞退されることだと言っても過言ではありません。

そのうえで、審査員の採点基準は公募要領に記載されている審査項目です。

それぞれの審査項目について、要件が満たされているかどうかを客観的な裏付けがあるか?という視点でチェックされ、点数がつけられます。

例えば、公募要領の審査項目のうち、「事業化点」の1つ目の項目は下記のように記載されています。

(2)事業化点

① 本事業の目的に沿った事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。また、金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか。

引用元:
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/koubo003.pdf

実際の採点では、これを細分化し、それぞれの項目について、客観的な裏付けを確認していきます。

例えば下記のような形です。(※あくまでも予想であり、実際の採点表とは異なります)

「本事業の目的に沿った事業実施のための体制が記載されているか?」を評価する場合

  •  0点:体制図が無い
  •  1点:体制図はあるが必要な役割が欠けている
  •  2点:体制図として役割のみの記載となっている
  •  3点:体制図はあるが、担当者のほとんどが未定となっている
  •  4点:体制図があり、実在の従業員の名前が記載されている
  •  5点:体制図があり、実在の従業員が割り振られ、事業実施のための能力が十分あることの説明がある

例えば、体制図について上記のような基準で採点する場合、ほとんどの事業計画書が「2点」の内容となっています。

事業再構築補助金の場合、新事業となるため、どうしても現在の従業員を割り当てることが難しい場面も多いのですが、担当者の名前とそのスキルが併記できれば、事業の実現性をアピールできることは間違いありません。

そして、5点のレベルで計画されているのであれば、採択後もその通りに進められるであろう、と考えられるのです。

また、資金の調達を採点した場合も同様です。

「金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか?」を評価する場合

  •  0点:資金の調達見込みに関する記載がない
  •  1点:「資金の調達見込みがある」とのみ記載している
  •  2点:「金融機関からの借り入れ」など実現性は低いが具体的な調達方法が記載されている
  •  3点:「〇〇銀行からの借り入れ予定」など具体的な調達先が記載されている
  •  4点:「〇〇銀行の△△さんと調整済み」など担当者名まで記載され、融資の確約がある
  •  5点:「〇〇銀行の△△さんから□□円の融資を確約いただいており、残りは自己資金」など融資の確約があり、金額も確定している

5点の例のように記載できれば、事業計画書の段階で資金計画がしっかりされており、採択後に辞退となる可能性が低く見えます。

2点止まりだと、せっかく採択しても、金融機関からの審査で落ちて事業ができなかったら採択する意味はない、と思われてしまいます。

今回は、体制図と資金調達について例をあげましたが、その他の審査項目についても、とにかく具体的に、実現性が高いことをアピールして書いていくことが重要です。

さいごに

以上のように、今回の事業再構築補助金では、「審査員」と「審査員が見るポイント」を意識して事業計画書を作成していただければと思います。

また、もともとこの補助金が「新型コロナの影響を受けた中小企業を助けること」が趣旨であることから、既存事業が新型コロナの影響を受けていない場合は採択が難しいと考えられます。

「事業を行う必要性」として、既存事業がどのように新型コロナの影響を受けたのか、そして、新事業を行うことで、どのようにV字回復できるのかを説明し、採点官が納得する事業計画書を作り上げてください。

とはいえ、これは前回の記事でも書いたことですが、今回の補助金申請では、認定支援機関とともに作成することが求められていますので、実は信頼できる認定支援機関に出会えるかどうかが、採択率を上げる一番のポイントだと言えそうです。

第4次以降での申請をお考えの方は無料メール相談から、ぜひご相談ください。

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 小西 薫(こにし かおる) / 株式会社ニコプロダクション

『起業Q&A回答者 総合ランキング』第1位!どんな質問にも即日回答。【UI/UXデザイン】を専門に、webにおけるマーケティング、ビジネスモデル構築に特化したアドバイザーです。さらに事業再構築補助金、ものづくり補助金など、中小企業の補助金申請もサポート。

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ドリームゲートアドバイザー小西 薫

 

  

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