マーケティング戦略(ブランド戦略):現代人は「ネタ消費」に動く!ヒット商品を生むアイデアの作り方

営業・マーケティング

執筆者: ドリームゲート事務局

photo credit: 丸井今井 via photopin (license)

こんにちは。女性の心を掴むアイディア開発・戦略設計を専門に行う、女性マーケティング支援の会社を運営する阿部エリナです。

消費市場が飽和している今、消費者のニーズも以前と比べて複雑化し、多様性・個別性が求められています。例えば、飲料メーカーでも2000年代半ばから、新ブランドを投入することが少なくなっています。その理由は「飽和市場に新しいブランドを出しても、消費者は以前ほど刺激を受けなくなった」そうです。

逆に言えば、消費者のニーズが多様化・個別化したことで、差別化するポイント、着目点がユニークなサービスや商品であれば、売れるということです。

いわゆるマス・マーケティングの時代が終わりつつ今、どのように考えればヒット商品を生み出せるでしょうか。今回は事例も交えながら、ヒットを生むアイディアの作り方を解説します。

1つの商品の見せ方を10種類にわけて売上改善。楽天のカテゴリランキングで1位を獲得!

まず、私が以前に手がけた健康系ドリンクを販売する通販サイトの事例を紹介します。

この通販サイトは楽天に出店していたのですが、競合が非常に多かったため、価格競争に陥っていました。また、最初だけ安く購入できるようにしていた事もあり、集客自体はそれなりの数が集まっていましたが、リピート購入してもらえないという課題がありました。

そもそも商品自体には問題はなかったので、販売戦略を新たに構築するのと同時に、価格競争に陥らないためのブランディング戦略を実施する事にしました。

いろいろな施策のなかでも、最も力を入れたのが「商品自体は1種類だが、年代別に変化する女性の悩みに合わせて、商品の使い方や利用シーンイメージを分類してサイトで紹介する。更に商品を発送する時に、各年代に合わせたお悩み解決ブックを添付する。」という作戦でした。

つまり商品は1種類だけなのに、パッと見て、10種類の商品を扱っているように見せて、さらにお客様の悩みを理解していますよ、というメッセージが伝わるようにしたのです。

そうしたことで、消費者はより明確に商品を利用した時のイメージができあがり、それが購買行動へとつながりました。

また、「女性のカラダをよく理解してくれている。私の悩みを知っている専門的なショップね」という、他店にはないイメージも醸成されました。

改善後は、楽天のカテゴリランキングで1位を獲得するまでに改善しました。商品は1つでも、消費者が求めるニーズに合わせた販売方法を工夫する事で大幅な改善につなげる事ができます。

ちなみに、更なる施策として、新規のお客様をリピートさせるべく、リピート顧客向けの新商品開発を行った結果、商品数は7種類にまで増加しました。

事前予約数で全国1位(ホットペッパービューティ調べ)という記録を出したネイルサロンの差別化戦略

次に、地方ブランディングを全面に打ち出して大成功したネイルサロンの事例を紹介します。

ネイルサロンは皆様ご存知の通り非常に飽和状態で、また開店後5年以内に閉店するケースが多い業界でもあります。

このご依頼を頂いた時、まずおこなったのは「普通のネイルサロンでは競合に勝てないし、顧客を獲得できない。だったら地元の魅力を店舗空間やサービス内容、スタッフの服装等に反映させたブランド戦略」という提案でした。

美容業界で地方ブランディングというのは、通常では取られない戦略です。まして、ネイルサロンは美容業界の中でも特に差別化が難しい分野です。

だからこそ、他ではやらないような差別化戦略を打てば、それは大きなそのお店の魅力となります。

結果として、見事に作戦は成功。オープン前の事前予約数は、ホットペッパービューティ調べで、直近2~3年で全国1位という記録を打ち出しました。

地方ブランディングは新しくまた反応が出やすいブランディングの一つです。地方を活用した改善や課題解決をご検討の方はお気軽にご相談ください。

キーワードは「ネタ消費」。「食べる」コト消費から、「楽しむ・発信する食体験」のコト消費へ

健康系ドリンクを販売する通販サイトの事例では、「女性のカラダをよく理解してくれている。私の悩みを知っている専門的なショップね」というイメージが成功のポイントでした。

つまり、単に健康ドリンクを購入するだけではなく、自分のことをよく理解してくれているショップから健康ドリンクを購入する、という体験が購入動機なのです。

特に女性の消費行動は大きく変わってきています。東京の表参道には毎月のように新しいスイーツ店が登場し、その都度行列ができます。休日ともなると、ご当地グルメを集めた食イベントなどには大勢が詰めかけて大盛況となります。あるいは、地方の特産物を集めた都内のポップアップストアに仕事帰りに立ち寄るOL、キャラ弁やラテアートなど食べるアートにはまって写真撮影してブログやSNSにアップして…。

これらに共通しているのは、食べるという「モノ消費」ではなく、食体験を楽しむ「コト消費」という事です。

飲食ビジネスにおいては、もはや美味しさを追求することは当たり前で、そこにいかに「付加価値」を足していくかが鍵になります。その付加価値の中でも最も重視したいのが、女子ゴコロを一瞬で掴む見た目の「何か‼」なのです。

●芸術ともいえる程の可愛さと生クリームたっぷりのいちごが乗ったパンケーキは、まさに女子力を上げてくれそう。「かわいい!」で写真をパチリ。

●無口なオヤジが無愛想に出すラーメン。味は絶品だがお店は築80年か?!と突っ込みたくなるようなおんぼろラーメン屋も面白くて話題になりそうで、スマホでパチリ。

●秘境の地でしか食べられない珍しい食材を見つけた。これみんなに見せたら「何これ~!!うげ~!」となりそうなものはみんなに突っ込んでもらえそうだぞ、とパチリ。

食を楽しむ事以上に、それを誰かに伝えるための「ネタ」を消費しているともいえます。SNSでつながる事が当たり前になったため、こうしたネタ消費という現象が登場したわけですね。

こうした戦略で有名なのは、東京赤坂にある「NINJA AKASAKA」。忍者が店内に登場し、店内もアクティビティな忍者仕掛け満載のレストランとして有名です。まさに、ただ食べるではなく「食のコト消費」の好例ですね。

食のコト消費のポイントは、好奇心をくすぐり発信したくなるような食べる以上のプラスαの付加価値体験の提供にあります。

地方はもはや1つのブランド~地方を付加価値とした消費

2つのネイルサロンの事例では「地方ブランディング」がポイントでした。

ふるさと納税、地方での農業体験、おひとりキャンプ、トレッキング女子会、各地の漁師から直接お取り寄せするとれたて魚の通販、産地直送の規格外の野菜を格安で購入できるタダヤサドットコム、リゾート地で体験するヘルスツーリズムなど。

今、地方がアツいのです!

例を挙げると、徳島県庁のサイトにアップされているこちらの動画「VS東京」は、徳島の魅力をまとめたものなのですが、ぜひご覧頂きたいです。


動画:YouTube https://www.youtube.com/watch?v=JN-bmtN9OjA&feature=youtu.be

徳島ってこんなに魅力的なところなの?!と多くの方が感じるのではないでしょうか。都会にはない魅力や美しさが満載です。

地方には地方ならではの自然体験、採れたての珍しい味、癒し体験等、まさに「コト消費」による様々な体験が豊富にあるのが、地方です。

現地の人々から見ると「こんなものが・・・?」というものでも、都会から見ると「おいしそう!楽しそう!」と新しい魅力として映ります。ジビエやスーパーフードが人気の理由もその一例。

地方の隠れた魅力が、しっかりブランド化されて広く伝えられるようになると、それは、あらゆる商品やサービスが溢れかえって刺激を受けなくなってしまった消費者に、魅力的で刺激的なコト消費として新鮮に映るというわけです。

例えば、いつもの生活の中で食べる野菜はスーパーで購入するだけですが、野菜を食べるという以前に、自ら収穫したり選別したりという体験も一緒にくっついた「野菜収穫ツアー」なんてサービスになると、高付加価値型の消費に生まれ変わります。

地方をブランドとした高付加価値型消費は、今後更に伸びていく市場と期待できます。

トレンドの変化が激しい時代。流行しているツールもすぐに移り変わる

もともと日本は、欧米と比較して新商品の数が突出して多い市場と言われています。世界的にみても特に競争が激しい市場だったため、消費者はある意味「新商品に鈍感になった」とも考えられます。

そもそも新商品の数が突出している理由は、日本は諸外国に比べ長く同質な市場だった事もあり、大勢が同じモノ・コトに価値を見出しやすい、つまり「流行」が起きやすい環境が整っているという点があります。

しかし、「流行」に敏感な人々はより新しい流行を求める、というサイクルに入り、そのため日本では異常なスピードで流行が変化していくようになりました。

世の中の潮流を捉え、消費者のココロに届くだろう!と意気揚々と商品開発やサービスの開発に着手しても、商品やサービスが完成して、いざ市場投入!という段階になると、すでにその流行は終わりを迎え、次のトレンドへとうつっていた・・・なんて事になります。

例えば、一時期Facebook利用者が急増しメディアなどでも騒がれたため、各企業は矢継ぎ早に次々とFacebookページ開設やFacebookを使ったマーケティング・PR活動を展開しましたが、LINEの登場と共に、より気軽にやりとりできるLINEに乗り換えました。それを見て、今度は次々にLINE戦略に手を出す…といった現象があります。また、Facebook疲れなんて言葉も出てきました。その前にはmixi疲れ、なんていわれた時期もありました。

つまり、消費者へリーチするツール1つとっても、mixiからFacebook、Twitter、そしてLINE。たった数年で次々と移り変わる、それほどトレンドの変化が激しい時代です。

ヒットを生むヒントは、必ず消費者動向の中にあります。まずは消費者をどれだけ細かく多次元で捉えるかが重要です

消費者のニーズや嗜好、価値観が細分化されているという事は、例えば同じ30代女性でも、

A)独身で仕事を頑張る女性
B)子持ち共働きの女性(DEWKS)
C)結婚・共働きで子供を意識的に持たない女性(DINKS)
D)就業せず子育てが中心(専業主婦)
E)妊娠離職後、産後復職パート

というように、ライフスタイルもニーズも価値観も全く異なるグループに分類しなければいけません。

女性の生き方が多様化した今、従来式の年齢×結婚の有無だけでマーケティング計画を行うのはとても危険です。

では、上記のようなA~Eごとのセグメントに沿って、マーケティング計画をすれば良いのでしょうか?

実は違います。

Aの女性をターゲットと想定した場合、Aの女性が同じ価値観、ニーズ、嗜好を持つのかといったら、それも違います。それが「細分化され複雑化した消費者ニーズ」なのです。

分かりやすく説明すると、前述のFacebookとLINE。Facebook疲れを起こしたユーザーはLINEに移り、もうFacebookは使用しないのか、というと、そういう訳でもなく、単に使い分けをしているだけなのです。

高校時代の同級生とはFacebookでやりとりしているが、職場での同期仲間とはLINEでつながり、親とはeメールで連絡する。彼氏とはカップル専用アプリで2人きりでやりとり。

このように用途で使い分けをしているケースもあれば、心理状態で使い分ける場合もあります。気持ちが前向きな時はFacebookの利用頻度が上がるが、気持ちが後ろ向きだったりちょっと落ち込みがちな時は、Facebookの利用を控える…。

つまり現代のマーケットは、「トレンド」と「細分化された消費者ニーズ」の両方を考慮した上で、多次元的に捉えて戦略をたてる必要があります。

特に今の女性消費者は非常に複雑です。だから売るのが難しい。売るのが難しい今、単純に宣伝すれば良いかというと、過剰な宣伝は嫌われ、あげくクレームになるなど、企業のイメージを下げる事にもなりかねません。

消費者たちは、情報過多・宣伝過多(その代表例がリターゲティング広告など)に、もはや辟易としているわけです。では、今後はマーケティング戦略・計画をたてる際、あるいは新商品・サービスを開発する際、どのような視点で考えていけば消費者に振り向いてもらえるのでしょうか?

その答えは

1.とにかく消費者を細かく分析し、消費者動向を探る
2.1を踏まえ、細分化された各ターゲットに沿った戦略・新商品・新サービスを考える

という流れをきちんと実行することです。

1を必ず行う事で、2で無駄を省けたり、失敗するリスクを最大限抑える事ができます。

事業戦略やアイディアを練る前には、まず消費者動向をじっくり探ってみましょう。ヒットを生むヒントは必ず消費者動向の中にあります。

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