マーケティング戦略(ブランド戦略):女性消費者へリーチし、アクションさせるためのポイント ~男女のギャップに着目すれば、多くのチャンスと収益を獲得できる!~

営業・マーケティング

執筆者: ドリームゲート事務局

こんにちは。女性の心を掴むアイディア開発・戦略設計を専門に行う、女性マーケティング支援の会社を運営する阿部エリナです。

売上目標を達成しなかったり、何かイベントや宣伝を行ったけどいまいち話題にならなかった…。ビジネスにおいて、そのような場面は多々あるかと思います。

多くは、「商品にニーズがなかったのかな」「販売戦略の手法に問題があったのかも」「コミュニケーション戦略が効果的ではなかった」「価格が高かったのか」「販促費が足りなかった」といった部分をフォーカスするかと思います。

しかし、「男女の違いに問題があったのか?」と考える事は意外と少ないかと思います。実際、「女性と男性の性質の違いによる購買行動や意思決定の違い」によるものが原因になっている、という事は往々にしてあります。

今回のコラムでは、女性消費者へのリーチや、購買行動を想起させるために、どこに着目すべきかを解説したいと思います。

プライベートでもビジネスでもよくある、男女のギャップ

全体消費のうち、消費行動の意思決定の8割に女性が関与していると言われています。特に家庭では女性が財布を握っている事が多いのは、もはや説明するまでもないかと思います。

しかし、日本企業の経営陣・管理職の9割は男性というのが実態。売る側と購入する側に「男女の違い」という大きなギャップが生まれているにも関わらず、「男女の違い」に関して企業側が本気でディスカッションしないのは、とてももったいない事です。

先日ある企業に打合せで訪問した際、「阿部さん、なんだか雰囲気変わりましたね」と女性担当者の方がお会いしてすぐに仰ってくださいました。でも、その場にいたもう一人の男性は、「え?、阿部さん何が変わりました?」という反応でした(苦笑)。

あるいは、「デートしてたらいきなり彼女が不機嫌になりだしてさ。何で?って聞いても答えないし。本当女ってわからねぇよ」という経験を持った男性は多いと思います。

また、こんな経験もあるのでは?
「あなた。最近浮気してるわね!」「え…。何を根拠にそんな事言うんだよ」「わかるわ!第六感よ!いつもと表情が違うし、ちょっとウキウキしたその感じが怪しいわ」「…う、うるせー!(な、なんでわかったんだよ!)」

女性は細かなところによく気付くけど、男性はなかなか気付かない。空気を読んだり、相手の微妙な表情から心理状態を読む力は、女性のほうがずっと長けていて、男性からすると、女性は何を考えているかよくわからないと感じることが多いと思います。

それこそプライベートな場面では「女ってよくわかんねーよな」というような発言はよく耳にしますが、ビジネスの場になった途端、「女ってよくわかんねーよな」という意識が不思議と消えて、「この商品はこの戦略で売りましょう」「こんなプロモーションは響きますよ」というに男性主体でマーケティングやプロモーション戦略が決まっていきます。

男女のギャップはビジネスの場でもプライベートの場でも確実に存在します。しかし、ビジネスの場になった途端、その意識が消えてしまうという点が課題であり勿体ないなと思う点です。つまり、男女のギャップをしっかり理解する事がビジネスを大きく変えるヒントになる事は間違いありません。特に女性の消費力が年々あがってきている昨今はますます男女のギャップをビジネスに落とし込んでいく事が重要視されてきます。

女性の消費実態を理解するための女性マーケティング基本の3箇条

女性消費者をターゲットにしたマーケティングを検討する際、基本となる3つのポイントがあります。

消費実態1.どこの家庭でも女性がたくさん買い物をする

多くの家庭では女性が沢山買い物をしています。自分自身のもの、旦那さんや子供のもの、旦那さんの上司へのギフト、子供の友達の誕生日会に渡すプレゼント、親戚、職場の同僚、両親や義理の両親など、その買い物の範囲は実に広く、且つ多岐にわたります。その購買力と影響力は容易に想像つくと思います。

消費実態2.消費トレンドを動かしているのは女性!消費トレンドを抑えなければ振り向かない!

時代の変遷と共に、市場で人気になる商品やサービスも変化が起きています。バブルの時は高級品や贅沢品が大量に消費されていましたが、やがて高級嗜好も薄れブランド重視から、ブランドよりもデザイン重視に変化していき、更に進んで最近ではエコやロハスが人気を集めやすくなり、女性のDIYが人気を集めています。DIYは男性にとっては当たり前のことでしたし、昔から日常的に親しんでいたと思うのですが何故今になってDIY女子が注目されるのでしょう?男性からすると今更?と疑問に感じるかもしれません。DIYが今市場で人気を集めるのも「女性が目を付けたから」なんです。いつでも女性は消費のトレンドをつくっています。

消費実態3.男性はステレオタイプになっていないか?女性はとても細やかな感情で意思決定を行っている

男性のステレオタイプ的な考え方を嫌う女性は結構多かったりします。例えば、ある航空会社がお客様を増やして、かつ話題性を出すために行った「ミニスカCA」の導入。これは多くの女性たちの非難を浴びる事にもつながりました。あるネットの情報では「ミニスカートならお客さんは喜ぶのでは、話題になりやすいのでは」という男性目線の概念からうまれた戦略だったと書かれていましたが、それはいかがなものでしょうか。彼氏や旦那さんとの家族旅行で航空会社を選ぶ時、その手配や日程を組むのが女性だったとしたら。「彼(旦那さん)がCAのミニスカをチラチラ見たりしたら私も不快になって喧嘩になりそうだからやめておこうかな」と思うのが多くの女性にとっては自然なのではないでしょうか。男性のステレオタイプ戦略が女性客を遠ざけてしまうという事が、実は意外にも多かったりします。

男性視点で、女性消費者向けのプロモーションやマーケティングに失敗してしまう例

あるスポーツジムで「夏の水着着用に向けてダイエット!」といった企画を打ち出したのですが、全く反応がありませんでした。そこで「女性客をもっと増やしてほしい」というご依頼を頂きました。調べてみると、そのスポーツジムの商圏には子育てママが圧倒的に多い事が分かりました。産後ママは出産による体型の変化を気にしており、さらには子育てと家事、そして復職していれば仕事も大忙しという状況の中で、カラダのケアをする時間のねん出はとても難しい事です。そんな時に、子供や旦那さんと一緒に海へビキニで出かけよう!という心理状態になるかといったらそれは中々難しいものです。

ビキニを着たくても、そのためのカラダの作りこみに割く時間そのものを持つことが中々できないのが子育てママの現実です。つまり上記のプロモーションは子育てママにとっては非現実的であり、心に響かないのです。ライフステージによって変化する女性のニーズを読み取るのはもちろん、実生活の中で女性がどのような役割を担って生活しているのか、という視点からも考えてみると自ずと現実的なプロモーションが見えてくるのですが、その視点を見落としてしまっていたのがプロモーションで成果を出せなかった原因でした。「女性なら夏は水着!それに関連したプロモーションすれば反応ありだ!」といったような「思い込み」はとても危険です。

もう一つ例をあげると、先日私がスーパーで買い物をしていたときの事。男性の店員さんが「こちらのジュースは有機ですのでお子様のカラダにも良く、おすすめですよ。いかがですか?」と言われました。私は一体いつその販売員さんに「私は結婚して子供もいます」と言ったのでしょう…。 私は結婚していないし、子供もいません。決めつけで商品を進めてきた店員さんを横目でチラっと見ながら「この店員さん、いつか誰かを怒らせてしまいそうだなぁ」と感じながら素通りしました。

このように、男性が安易に「女性はこうだ!」と決めつけてしまいそれをビジネスに反映させている場面を、仕事の現場においても多々遭遇してきていますが、女性は複雑ですし、常に変化していますし、敏感です。まずは女性に対する思いこみや決めつけをやめ、フラットな視点で「女性とは何ぞや?」というところから理解を始めるのが女性消費者にリーチし、アクションにつなげるための第一歩になると思います。

男性から見た「女性特有の言動」に、実はヒントがあります!

それでは、女性消費者を振り向かせたい!と考えた時、どのような点を意識すれば良いのでしょうか。男性からすると、「女性特有の言動って苦手だな」と思うところに、実はヒントがたくさん隠れているものです。例えばこのようなケース。特に男性の方は心あたりがないかチェックしてみてください。

1. 恋人や夫と喧嘩した事、愚痴、悩みなど、自分の私生活をSNS等でたくさん公開して共有する。ご飯食べる前にすぐに写真を撮っていて、面倒じゃないの?プライベートとか自分の弱さを出すのに抵抗ないの?と不思議に思ってしまう。

2. 女性はダラダラどうでもいい事を細かく話していて「で?何が言いたいの? 結論は? 簡潔に説明して」とだんだんイライラしてくる。

3. 何その変な口紅。何その不思議なファッション。何そのヘアスタイル。と女性に笑いながら突っ込むと「え?知らないの?これ、今流行りだけど」と言われてしまう。

4. 女は家を出るまでにとにかく時間がかかる。買い物も一緒についていくと、服や小物を永遠と探し続けたり、試着したり。迷った挙句、結局買わない。時間の無駄じゃない?と言いたくなる。

これらは多くの男性が女性に対してイライラしたり、苦手だなと思う行動だと思いますが、女性消費者を正確に理解し、女性消費者に自社商品やサービスをリーチさせるための戦略を練るのであれば、今後はこれらに向き合って、つぶさに観察する事をオススメします。ここに女性特有の行動や細かな会話には「女性が何を求めて、何を希望していて、どんな事が好きなのか?」というヒントが満載だからです。

例えば、1のケースでは、女性はプライベートなことでも共有して、共感してもらいたいというニーズがあります。男性だとSNSやブログでプライベートな事をさらけ出す事を嫌うタイプも多いかと思いますが、女性はまったく逆です。2のケースも本当によくある光景ですが、要はコミュニケーションを取ることや、その過程を伝える事自体が目的なので、結論や内容の簡潔さは関係ないのです。これをビジネスの現場に活かすなら、分かりやすい例だと、共有したくなるようなプロモーションや感動体験の提供が良いんだぁという事を思いつくかもしれません。また、結論より過程やそれに行きつくまでのストーリーに重きを置くので、こちらもビジネスに活かす分かりやすい例を挙げると、その商品の開発秘話などを公開した方が女性消費者の反応を上げやすいのでは、という考えが生まれてくるかもしれません。

3、4のケースもよくあるかと思います。女性が流行やファッションの情報収集にかける情熱や意気込みは男性とは全く異質なものです。だから何時間でも買い物に時間を費やしたのに結果何も買わずに帰る、という事もそれはそれで楽しく満足な日だった!っとなります。何故なら「探す」「店員さんや他のお客さんのオシャレを観察する」「雰囲気を楽しむ」ということも目的になっているためです。ビジネスにこの法則を活かすなら、女性がその時に買わないと判断したからといって本当にそれを永久に買わないのかと言ったらそういう訳でもなく後日購入しにくるという事も十分にありえます。という事はそのような女性のお客様には時間をあけて定期的に商品情報等をお送りする等効果的なタッチポイントの継続で次回の購入へつなげるという施策が良い、という考えも生まれます。また女性は情報取集が元来好きで、役立つ情報を身近な人に伝えて役にたちたい、という心理が男性と比較してとても強いのも特徴です。だから女性は情報のアンテナが高いのです。こちらもビジネスに落とし込むなら、自己実現のお手伝いができるようなコト体験消費を提供したり、常に女性たちが欲しがるような情報を提供し続けたり、常にトレンドにあわせた戦略を行ったり、社内の人材教育係は女性を担当にした方が良いかな、と色々見えてくると思います。

他にも様々な法則や特徴というのがありますが、まずは女性特有の言動に注目するようにしてみましょう。それが男性から見て「イライラする」「理解できない」ということほど、実は今まで気付けなかったヒントが沢山隠れていたりします。

本日のコラム、女性消費者にリーチさせる戦略!のまとめ

本日のコラムを整理します。

消費行動の8割に女性の意思決定が関与している
1.しかし女性向け商品やサービスを製造・販売する企業の多くは意思決定者が男性で占められている
2.男女のお互いへの理解不足はプライベートだけではなくビジネスの現場でも往々に発生している
3.ならば、男女の違いを正しく理解すれば他社との差異化を図り、優位性を保つ事が可能になる
4.しかしそのためには、一つ一つ小さな点からの見直しの積み重ねが必要であり、重要になってくる

男女のギャップは売上を伸ばせるチャンスを失う要因になってしまい、これは非常にもったいないことです。まずは女性の心理や購買行動の特徴を理解する事の重要性を知り、それを社内で共有・反映していくための準備を整える事から始めてみましょう。企業では意思決定者が男性中心で、その場に女性がいない、もしくはいたとしてもごくわずか、というケースが多くを占めると思いますが、もっとそのような場に女性社員さんの力を活用すると今までとは違ったものが見えてきたり、戦略ができあがったりする可能性は多いに期待できます。

次回コラムのご案内

次回のコラムでは商品・サービス購入時の女性の購買行動や意思決定の具体的な特徴をご紹介していきます。先日、某社で女性消費者に関する講演をさせて頂く機会があったのですが、その時に「大変参考になった」とご好評頂いた内容です。特に小売業やサービス業、営業時等、「現場」ですぐに使える内容が中心です。弊社の事例も踏まえて分かりやすく解説していきます。掲載予定は6月なので、お楽しみに!

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