起業の心得:Vol.12 失敗から学ぶ ~人の振り見て我が振りは直らん~

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
講演で失敗の話をしたら、「成功事例に学ぶより、失敗事例をもって勉強すべきだ」と言うご意見をいただきます。でも、僕は人の失敗からは学べないと思っているので「そんなの無駄ですよ」って言ってしまいます。

人の振り見て我が振りは直らん

 「失敗を科学」するとか「倒産の研究」って本当に役に立 つのかな?疑問ですよね。人の振り見て我が振り直おったら、戦争はなくなるよね。世の中から失敗もなくなるし、平和な地球が訪れそう。でも、人は人の振り 見て我が振りは直らんようです。(笑)

 「倒産の研究:バカ息子に事業を継いで倒産」って記事を読んでも「なるほどな~」とは思いません。 「当たり前やろ、バカに継いだら、潰れるよ」ってみんな当たり前だと思って記事を読んでいます。そんなバカなことを、僕はしないとも思っています。でも、 世の中の親はバカな息子ほどかわいいのです。大経営者と言われた人でも自分の息子は見誤るものです。

 失敗を科学する「本業をほったらかし て失敗」これも同じです。誰もが本業はほったらかしたら、ダメって知っています。でも、事業がうまくいき始めるとどんな社長も本業が面白くなくなるので す。ダメだとわかっていても本業から離れていきます。日本には本業をほったらかして会社をつぶした社長は山ほどいます。そして、あなたも同じ失敗をしま す。

 

失敗は失敗した人の宝物

 つまり、人の失敗は所詮他人事、 喉元過ぎれば熱さを忘れると言いますが、他人事ですから、喉元も過ぎてない訳で、口にも入っていません。失敗は自分でやって初めて知恵になるのです。失敗 は失敗した人の宝物です。

 失敗は失敗の「理由」と「痛み」がセットになってノウハウになります。理論と経験ですね。人の失敗には痛みがあ りません。だから、学べないのです。

 赤ちゃんにアイロンは触ってはいけないことを躾けるには熱いアイロンを触らすのが一番です。言葉で 言っても分りませんが、経験させれば次回からはアイロンに近づきません。賢い母親は火傷しない程度に温めた、でも、子供には熱いアイロンを意図的に触らせ ます。小さな失敗から大きく学ぶとはこういうことを言います。

 

宝物にするための 二つの鉄則

 そして、失敗を宝物にするのは二つの鉄則に従わないといけません。その一つは失敗の原因はすべて自分の中にあると考えること です。原因というか気付きでもいいです。内観します。原因は外にはありません。よく銀行に潰されたって言う社長がいますが、その銀行を選んでいたのは本人 です。裏切られた、騙された、どちらも原因はあなたにあります。ビジネスの世界ではすべてプロ対プロで仕事が進みます。消費者はプロではないので消費者保 護基本法で守られています。だから、クーリングオフがあるのですが、プロ対プロの取引にはクーリングオフなんていうのはないです。話が少し横道にそれまし たが、失敗を他人のせいにしている間は宝物にはならないということです。

 もう一つは失敗から逃げないということです。思考を停止したり、 ほっかぶりして、災難がとおり過ぎるのをじっと待つような人がいます。不思議なのですが、このような態度の人は周りがほっておけないので、結局、本人以外の 誰かが失敗の尻拭いをしてしまいます。ま、年には関係なく、自立してないってことです。

 この二つを守れば失敗は宝物になります。そうなら ない人は同じ失敗を繰り返します。

 

コーヒーブレイク

 「危険に 耐える筋肉」をいつも鍛えること。

 この筋肉は誰でも持っていますが、使わなければ萎縮します。脂肪になってしまいます。(笑)だから、少 なくとも24時間に1回は危険をおかすよう心がけましょう。

参考文献 頭にガツンと一撃 新潮社 1984/01

ロジャー・フォン・イーク (著), 城山 三郎 (著)

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