フェムテック一大ブーム 女性ニーズから起業の可能性を探る

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 阿部 エリナ

女性特有の健康問題をテクノロジーで解決する「フェムテック」。

いま、国内・世界の起業家やVCに注目されている領域で、昨年からは、女性生活者の間でも知られるようになり一大ブームとなっています。女性ヘルスケア領域に特化した情報サービス業を行う会社(ウーマンズ東京・お台場)を運営する筆者より、フェムテックの女性ニーズについて解説します。(前編:世界中で大注目「フェムテック」とは?商品・企業事例と、今後の市場動向はコチラ

フェムテック、女性生活者のニーズはそもそもある?

今やフェムテックは、トレンドセッターも業界も注目するホットなトレンドです。ですが、女性全体で見ると実際はどれくらい認知があり、どれくらいの興味関心がもたれているのか?そもそも、購入意欲はどれくらいあるのか? SOMPOひまわり生命保険が実施したフェムテックに関する調査をもとにご紹介します(調査対象:20~60代の働く女性1000人,調査実施:2021年2月)。

フェムテックの認知率は1.9%

20〜60代の女性1,000人に「フェムテックという言葉を知っていますか?」と聞いたところ、認知率はわずか1.9%という結果に。続いて、「すでにアプリやWebサービス等、何らかのテクノロジーを使ったサポートや解決手段である、フェムテックのサービスを利用している分野はあるか」聞いたところ、「使っている」と回答したのは、女性全体で26.4%でした。

「フェムテック」という言葉を知らないだけで、実際に何かしらのテクノロジーサービスを使っているフェムテックユーザーはすでに約3割はいる、ということが分かります。

ではその約3割は実際に何のサービスを使っているのか?上位から順に次の通りとなりました。

1位:月経・生理にまつわる身体的な悩み(9.8%)
2位:精神的ストレス(7.0%)
3位:運動・食事・睡眠などの生活習慣管理に関する悩み(6.5%)
4位:月経・生理にまつわる精神的な悩み(6.2%)
5位:ダイエットなどの体型管理に関する悩み(5.5%)
6位:更年期、年齢を重ねて生じる女性ホルモンの揺らぎによる悩み(4.6%)
7位:乳がんを始めとする女性特有の疾患の予防、早期診断(3.3%)
8位:乳がんを始めとする女性特有の疾患の治療(3.1%)
9位:育児のうち子どもに関する悩み (3.0%)
10位:将来、妊娠を望んだタイミングで妊娠できるかという悩み(2.9%)
11位:妊活(今、またはごく近い将来に妊娠を希望している)にまつわる悩み(2.7%)
12位:出産、産後、母乳にまつわる悩み(2.4%)
13位:育児のうち自分に関する悩み (1.8%)
14位:避妊にまつわる悩み(1.2%)
15位:不妊治療にまつわる悩み(1.0%)
16位:その他(0.4%)
※利用していない(73.6%)

引用:ウーマンズラボ「話題沸騰の「フェムテック」実際のところ そもそも女性のニーズはある?」

 

フェムテックのニーズはある?

フェムテックの認知率・利用率はまだまだ低いですが「フェムテック、どの程度期待しているか?」という質問に対しては、約6割が「期待している」と回答しています。ここからは実際のニーズと、実際にお金を払って利用したいかを問う利用意向についてご紹介します。

<フェムテックに求める健康悩み>

1位:運動・食事・睡眠等の生活習慣管理に関する悩み(41.2%)
2位:精神的ストレス(40.8%)
3位:更年期・年齢を重ねて生じる女性ホルモンのゆらぎによる悩み(40.3%)
4位:ダイエット等の体型管理に関する悩み(37.0%)
5位:乳がんをはじめとする女性特有の疾病の予防・早期診断(34.0%)
6位:月経・生理にまつわる身体的な悩み(32.7%)
7位:月経・生理にまつわる精神的な悩み(27.0%)
8位:乳がんをはじめとする女性特有の疾病の治療(25.4%)
9位:将来、妊娠を望んだタイミングで妊娠できるかという悩み(19.4%)
10位:育児のうち子どもに関する悩み(13.8%)
11位:妊活(いま、またはごく近い将来に妊娠を希望している)にまつわる悩み(12.7%)
12位:育児のうち自分に関する悩み(11.5%)
13位:出産・産後・母乳にまつわる悩み(10.5%)
14位:不妊治療にまつわる悩み(8.6%)
15位:避妊にまつわる悩み(6.7%)
16位:その他(4.9%)

引用:ウーマンズラボ「話題沸騰の「フェムテック」実際のところ そもそも女性のニーズはある?」

<有料フェムテックサービスの利用意向>

1位:乳がんを始めとする女性特有の疾患の予防、早期診断(29.7%)
2位:更年期、年齢を重ねて生じる女性ホルモンの揺らぎによる悩み(29.5%)
3位:乳がんを始めとする女性特有の疾患の治療(28.3%)
4位:運動・食事・睡眠などの生活習慣管理に関する悩み(27.7%)
4位:精神的ストレス(27.7%)
5位:ダイエットなどの体型管理に関する悩み(24.6%)
6位:月経・生理にまつわる身体的な悩み(18.0%)
7位:月経・生理にまつわる精神的な悩み(15.6%)
8位:将来、妊娠を望んだタイミングで妊娠できるかという悩み(14.4%)
9位:不妊治療にまつわる悩み(14.1%)
10位:妊活(今、またはごく近い将来に妊娠を希望している)にまつわる悩み(13.7%)
11位:育児のうち子どもに関する悩み (13.0%)
12位:出産、産後、母乳にまつわる悩み(12.5%)
13位:育児のうち自分に関する悩み (12.4%)
14位:避妊にまつわる悩み(11.6%)
15位:その他(10.1%)

 

引用:ウーマンズラボ「話題沸騰の「フェムテック」実際のところ そもそも女性のニーズはある?」

★女性経営者部会では女性経営者の皆さんにさまざまなコンテンツや勉強会を通して、経営者として必要なことを学んでいただく機会を提供しています。 ★

フェムテック市場、今後の動向

現状、フェムテックは月経・妊娠・出産・セクシャルウェルネス関連に集中しています。ですが、実際にこのように女性ニーズを見てみると、女性がフェムテックに求めていることは、老化、ストレス、生活習慣といった領域であることが分かります。

筆者が運営する会社が今年発表した「女性のヘルスケアトレンド2021」では、2021年の女性市場のトレンドキーワードの一つとして「フェムテックの”多様化”」を取り上げました。今後はフェムテック市場では、月経・妊娠・出産・セクシャルウェルネス以外の、もっと多様なフェムテックプロダクトがローンチされ、広まっていくと考えられます。

また現在は、若い世代の女性を対象としたフェムテックプロダクトが中心ですが、中年・高年女性向けのフェムテックや、マイノリティヘルス領域のフェムテックが今後充実していくでしょう(高年になる程、デジタルデバイド問題が発生するので、デジタル度合いをどの程度にするか?は開発時の要チェックポイントにはなりますが)

<筆者からのお知らせ>ヘルスケア事業者・医療従事者が、女性ヘルスケア/フェムテックをテーマに交流・ディスカッション・学べる場を開設しました。イベント情報を受取りたい方は、ぜひFollow us

フェムテック領域の起業/新規開発では「多様な視点」を持つ

筆者が運営する会社ウーマンズには日々、様々な企業からの情報提供や相談が舞い込みますが、フェムテック領域における起業や新規事業開発を検討するベンチャー/企業の多くが、「生理関連のプロダクトを開発予定」とおっしゃいます。

もちろん、生理市場において女性の課題はまだまだ取り残されているのでそれはそれで女性たちにとってはありがたいことなのですが、当記事で紹介してきたように、女性の健康問題はもっと多様で、その多くが取り残されています。市場が小さいから取り残されている、という理由も中にはありますが、企業の方々と話していて思うのは、単純に「女性特有の健康問題を知らない人が本当に多い」ということ。要は、女性特有の健康ニーズに企業が気づいていないということです。

先日、ある男性起業家がTwitterで「生理用吸収パンツを今から開発しようと思う!」と投稿していました。さまざまな可能性を熟慮した上での判断かもしれませんが、もし「女性の健康問題=生理」という固定観念に縛られているとすると、もったいないなぁと感じました。

生理用吸収パンツは、すでに先行しているNagiやムーンパンツなどのスタートアップや、GUなどの大手にもう任せておいて、これからフェムテックでの起業・新規事業開発を検討するなら、他企業が気づいていない、でも女性たちの悩みが取り残されたままの健康問題にビジネスチャンスを見出してはどうか?というのが、女性ヘルスケア市場を専門に分析し続ける筆者の本音です。生理以外の領域にもビジネスチャンスは、もっとももっとたくさんあります。

★テック関連ビジネスの支援ならX-Tech(クロステック)部会にご相談ください★

フェムテック/女性ヘルスケアのマーケット情報

フェムテック領域での起業/新規事業開発を検討されている方は、生理以外にももっともと多様な女性ヘルスケア問題や、マーケット情報を得て頂きたいなぁと思ってます。多様な視点を持つことで、多くのビジネスチャンスに気づくことができるからです。

日本国内のフェムテックは現状、生理・妊娠・出産・セクシャルウェルネスに集中していますが、海外のフェムテックプロダクトは非常に多様です。海外事例を知れば知るほど、多様な視点を持つ重要性に気が付かされます。筆者が運営する会社では週1回、フェムテックや女性ヘルスケアのマーケット情報、消費者分析情報をメルマガでお届けしていますので、ぜひ多くのインプットをしていただければと思います。

 

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 阿部 エリナ【女性マーケティング支援のウーマンズ】
女性ヘルスケア市場を専門に「リサーチ&コンサルティング事業」と「法人用ニュースサイト運営」を行う会社を経営。大手企業を中心に支援実績多数。女性マーケティング戦略を強化したい方におすすめ。
プロフィール | 無料オンライン相談受付中

ドリームゲートアドバイザー 阿部 エリナ

この著者の記事を見る

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

無料で始める