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提携事例

オーマイグラス株式会社と株式会社ロフトは2014年11月に業務提携し、「Oh My Glasses TOKYO 渋谷ロフト店」をオープンした。今回の事業提携は、セブン&アイ・ホールディングス傘下で生活雑貨を扱うチェーンストア「ロフト」と、日本最大級のメガネ通販サイトを運営するオーマイグラスとが「リアル店舗」で事業提携した形となったが、オムニチャネル戦略を進めるセブン&アイ・ホールディングスにとって、同戦略をオープンイノベーション的にも推進していく先駆的事例となった。

ロフトの背景と狙い

渋谷ロフト店は2012年にリニューアルしたばかりだったが、多様化する消費者のニーズに応えるため、常に新しい打ち手を模索していた。キーワードは「キュレーション」。つまり、単に商品を仕入れて売り場に並べるだけでなく、消費者のライフスタイルの変化に合わせた多様な価値提供が出来ないかと検討していた。そこでECを展開するオーマイグラスとの連携によって、ECとリアルとを連動した多様な商品提案や、リアルで来店した顧客がネットでの会員登録をした際にはロフト側にも収益になる「店頭アフィリエイト」ともいうべき仕組みを導入することで、従来のリーシングという形とは違った、新しい収益モデルにも挑戦している。

オーマイグラスの背景と狙い

オーマイグラス株式会社は2011年7月15日に創業されたベンチャーで、創業者である清川忠康氏は、スタンフォード大学経営大学院に留学中に、同ベンチャーの前身となる会社を設立。2015年7月時点で社員数30名、400ブランド2万種類以上の品ぞろえを誇る、メガネを扱うECとしては日本最大級の規模に成長した。喫緊の経営課題は認知度不足。より幅広い顧客層を獲得するために、リアルでの展開は重要な戦略の1つとして取り組んでいた。これまでにも期間限定のポップアップストアを百貨店などで展開していたが、常設店舗のオープンは、初めての取り組みとなった。同社ではロフトの持つ圧倒的な知名度と、文化発信の街「渋谷」に拠点を持つことで、ブランド力を一気に向上させるのが狙いだ。

提携内容

「Oh My Glasses TOKYO 渋谷ロフト店」は好立地の1階に展開し、常時300~500商品を展開する一方、店頭に設置されたタブレットなどで400ブランド2万種類以上の商品も選択できるようになっている。Oh My Glasses TOKYO がECサイトで行っている、すべての商品を国内送料無料で配送、5日間返品無料というサービスもリアル店舗でも同様に受けられる。また、横浜ロフトに2015年6月23日よりサングラス専門の期間限定ショップもオープンした。

渋谷ロフト店の売上金額などは非公開だが、順調に成長を続けている。また、オーマイグラスの清川社長によれば、渋谷ロフト店のオープン後、首都圏での新規会員登録比率がオープン前と比べて1割ほど伸びているそうで、リアルでの認知度向上が進んでいるという。

オーマイグラスでは、Made in Japanとして「鯖江ブランド」のオリジナル商品も展開しているが、今後はロフトと共同で独自商品の企画・商品化も進める構えだ。

ロフトの提携ストーリー

株式会社ロフト 取締役 執行役員 大型店事業部 部長 兼)渋谷事業部 部長 飯村 暁氏

オーマイグラス社とは7&iホールディングスを通じて知り合いました。第1回ILSで7&iホールディングスのオムニチャネル推進室が商談し、そこからロフトに提携可能性について打診があったのです。その際、7&iホールディングスからは、オーマイグラス社には産業革新機構も出資しており、ベンチャーだが信頼できるというコメントもありました。その後、ロフトで、直接お話を聞く中で、オーマイグラス社の商品は、ロフトの求める洗練されたイメージにマッチするという事で、具体的な提携交渉を開始しました。

リアル店舗というのはオーマイグラス側からの提案で、ロフトとしても単なる新規出店というより、新進気鋭のベンチャーとのコラボという形は面白いという事で、ちょうど新しい取組みを模索していたこともあり、出店してもらう事になりました。

提携までの流れですが、2014年初頭の商談から、夏には基本合意が出来ていました。そこから2014年11月に渋谷店がオープンするまで、半年ほどかかりました。ロフトとして全く新しい取り組みで、双方のビジネスの方法なども違うこともあり、すり合わせには時間がかかりました。オープンまでは毎月2回の合同mtgを設けて、個別mtgもたびたび開いて準備を進めました。実は清川社長にはロフトの研修も受けてもらいました。丸一日かけて、接客から避難訓練まで。これは清川社長からの申し出で、今回の提携にかける強い情熱を感じましたね。

オーマイグラス株式会社 代表取締役社長 清川 忠康氏

当社は2011年に創業したベンチャーですが、メガネをネットで売るというのは未知の挑戦で、市場自体から作り上げている状態です。

当社が扱っている商品は2万点以上にもなりますが、海外の有名ブランド・フレームから、日本のメガネ生産地として有名な鯖江で作り上げた、高クオリティーの独自商品も提供しています。単にメガネを売るだけでなく、ファッションアイテムの1つとして特徴だった商品を展開することを意識しており、今回の提携においては、そうした取り組みがロフト様に評価してもらえたと感じています。

メインの価格帯は2~3万円ほどで、今はまだアーリーアダプターが主な顧客層と見ています。今後の課題は認知度を高めて、より幅広い層の顧客獲得を進めていくことですが、今回の提携はまさにそうした狙いにピッタリと合致しました。

リアルの展開は以前から検討していて、期間限定のポップアップストアは何回か行ってはいたのですが、常設店を出すのはじめての挑戦です。当社の規模からいえば、リアルの常設店というのは経営コストとしては厳しいのですが、ECだけでは獲得できない顧客との接点作り、ブランド醸成という意味では、重要な投資と捉えています。

ロフトとオーマイグラスの提携の流れ

下記は第1回ILSで 7&iホールディングスとして参加した際の数字です。株式会社ロフトが単独で参加・商談したものではございません。

商談リクエスト数※1

118

商談数※2

12

後日フォローアップ

6

提携合意数

1

  • ※1) 大手とベンチャー双方からの商談リクエスト(商談依頼)合計。ILSでは参加ベンチャー企業を様々な検索軸で検索し、リクエストを行う事が出来ます。また、ベンチャー企業からもリクエストがあります。この仕組みにより、事前に精度の高いマッチングが可能となります。
  • ※2) ILS当日に、事前のリクエストによってマッチングした相手と商談した数。