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提携事例

ドリコス株式会社(以下、ドリコス)と株式会社資生堂(以下、資生堂)は、2017年6月6日に包括的業務提携を発表した。今後は、ドリコスのオーダーメイド・サプリメントマシン「healthServer(ヘルスサーバー)」の仕組みと、化粧品を中心に多岐にわたる事業を展開する資生堂のリソースを融合した製品企画、および新規ビジネス開発等に取り組む。

資生堂の背景と狙い

資生堂は化粧品国内シェア第1位、海外120カ国で事業を展開し世界シェアは第5位を誇る。化粧品を中心に、事業領域はトイレタリー、健康食品、医薬品など多岐にわたり、それらの研究開発を自前で展開してきた。
しかし、自前主義が各部署に高い技術とノウハウを築かせた一方で、部署間の連携の取りづらさが近年の課題となる。その打開策として着目したのが、オープンイノベーションだ。ベンチャーと協業することで、部署の垣根を越えた組織横断的なプロジェクトを推進でき、あたらしい価値の創出にも取り組める。同社は、社内環境の変革を重視し、事業シナジーのあるベンチャーとの提携を模索していた。

ドリコスの背景と狙い

ドリコスは2012年設立。半導体技術を活用し、「テクノロジー」と「飲む」をキーワードに消費者の生活に資するサービスを提供している。独自製品「healthServer」は、ユーザーの生体データを解析し、一人ひとりの体の状態に合ったサプリメントを提供する世界初のオーダーメイド・サプリメントマシンだ。それを元手に、大手企業との提携を目指したのは二つの背景があった。
ひとつは、「サービス品質の担保、流通・販売チャネルの確保」というベンチャーならではの課題。そして、もうひとつが、「今までにないビジネスの創出」である。画期的なサービスであっても、サプリメントやヘルスケアの枠を出なければ、市場以上の成長は見込めない。そこで、同技術がソリューションとなる業界を求め、様々な企業と商談を行っていた。

提携内容

資生堂とドリコスがはじめて商談の場を持ったのは2015年10月、第3回ILSでのこと。当時、ドリコス代表取締役・竹康宏氏は、「healthServer」の開発最中だったが、「ハードウェアの会社だからこそ、製品を直に見てもらいたい」と、プロトタイプを完成させILSに参加。担当者より高い評価を受け、面談のチャンスも得た。「面談後はさらに、複数の部署の方々をご紹介いただき、数ヶ月後、共同プロジェクトの検討にも至りました」と、竹氏は当時を振り返る。

提携までには、もうひとつ別の導線もある。2016年12月に資生堂が設立したCVC「資生堂ベンチャーパートナーズ」の存在だ。設立前夜、投資チームは出資先候補の 選定を行っていた。そこで偶然にも注目を集めたのが、ドリコスだった。

「投資テーマのひとつ、『パーソナライズ化』に合致する魅力的なベンチャーでした。そこで、技術チームと情報共有すると、ILSでの商談からすでにプロジェクトの検討をともに進めているとのこと。投資基準として、事業提携による本業とのシナジー創出の可能性を重要視しているため、出資先を決める判断材料のひとつになりました」と、ビジネスデベロップメント部マネージャーの片山真一氏は話す。そうして、ドリコスは第1号の投資案件となり、今年6月の包括的業務提携に至った。その間には初の共同開発プロダクト「香りをカスタムメイドするアロマディフューザー『BliScent』」のプロトタイプも開発。2017年3月にアメリカで開催された『SXSW』に出展し、来場者からの好評を得た。

資生堂の提携ストーリー

商談リクエスト数※1

61

商談数

16

後日フォローアップ

数 社

提携合意数

1

  • ※1) 大手とベンチャー双方からの商談リクエスト(商談依頼)合計。ILSでは参加ベンチャー企業を様々な検索軸で検索し、リクエストを行う事が出来ます。また、ベンチャー企業からもリクエストがあります。この仕組みにより、事前に精度の高いマッチングが可能となります。
株式会社資生堂 ビジネスデベロップメント部マネージャー 片山真一氏

ILSは、しっかりとマネージされたビジネスマッチングの場という印象があります。事前にお互いの意見を聞いていただき、マッチングしていただいているので、アンマッチが起こりにくく、商談をスムーズに進めることができるため、素晴らしい仕組みだと思います。

魅力溢れるベンチャーと商談の機会を多数得られるのも魅力です。ドリコス社もまさに然りでした。サービスや技術はもとより、竹さんをはじめ、信頼できる素晴らしいチームに出会えたことをうれしく思います。

ドリコス株式会社 代表取締役 博士(工学) 竹康宏氏

資生堂さんととても中身のある商談ができました。healthServerの展開はもちろん、技術を化粧品に応用したらどうなるか? など、未知の可能性に富んだ話題も多くでて、刺激を受けました。また、ILS後に、弊社の技術と関わりがある部署を数多くご紹介していただけたのには感動を受けました。

当初、商談は大手企業の事業領域に沿って提案すべきものだと考えていました。しかし、商談を重ねていくと、業界以外での新規事業を求めている企業様が数多くいらっしゃる。個人的には意外なことでしたが、一方で柔軟な提案も強みになると感じました。