訪日外国人からの問い合わせにAIが回答。
「tripla」で旅をより快適に!

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 東 雄介  編集:菊池 徳行(ハイキックス)

AIとオペレーターのハイブリッドで
旅前の心配ごとをすべて解消

展開している事業の内容・特徴

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訪日外国人客は2016年に2400万人を超えたが、言葉の壁はまだまだ厚い。「例えば、日本のビジネスホテルはどのぐらい狭いのか、駐車場は有料なのかとか、旅行前に直接尋ねたいけど聞きにくい、ということがたくさんあるんです」。そう語るのは「Make Travelers Happy」をビジョンに掲げるtripla株式会社の高橋和久代表だ。

同社のサービスは、そういった障壁を取り払い、旅をより快適にするためのものだ。例えば、訪日外国人向けアプリ「tripla」。AIとのチャットを通じて、ホテルや航空券、レストラン、ツアー、各種のアクティビティなど、すべての予約をアプリ上で完了できる。AIが回答できない問い合わせについては、英語、中国語の簡体字と繁体字、韓国語、日本語と5言語に対応するオペレーターにつなぐことで解決できる。同アプリのダウンロード数はこれまでに10万件を突破している。

もう一つの柱となるサービスが「triplaチャットボットサービス」。ホテルのWebサイトには日々、外国から大量の問い合わせメールが届く。こうした問い合わせ対応のアウトソーシング先として、AIもしくはオペレーターが回答するというものだ。

「ホテルのコンシェルジュのみなさんは職業柄、宿泊客に最大のおもてなしを提供したいと考えています。ところが現実には、外部からの問い合わせメールの返信に追われていたのです」と高橋氏。このチャットボットサービスにより、ホテルスタッフは問い合わせ対応の労から解放され、ホテル内のホスピタリティに集中できるというわけだ。

ホテルの現場をヒアリング。
マーケットインで生まれたサービス

ビジネスアイディア発想のきっかけ

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高橋氏は、アマゾン・ジャパンや日本・コラコーラなどでの勤務を経て、2015年に共同創業者として参画した。そのきっかけは、鳥生格氏が、飲食店のインバウンド対策として開発したメニュー翻訳アプリ「umami」に可能性を見いだしたからだ。「会社員の楽しみは十分に味わったような気がしていましたし、0を1にする難しさを体験してみたかったんです」。

しかし、「umami」のマーケット開拓を進めていく中でわかったことがある。「訪日外国人が訪れる飲食店は、海外のガイドブックに紹介されたお店などに限られていた。4カ月で約4000店に営業をかけましたが、なかなかブレイクスルーの芽が見えてこないのです」。そして、高橋氏と鳥生氏は、さらなる飛躍の可能性を求め、事業のピボットを決断する。

そこで相談したキャピタリストに紹介されたのが、ワシントンホテルやホテルグレイスリーなどを運営する藤田観光だった。「ホテルグループとのビジネスシナジーを作ってみたらと言われたんです」。現場のヒアリングを重ねると、出てきたニーズが「問い合わせ対応を減らしたい」というもの。

これに応えるかたちで、triplaアプリとチャットボットサービスは誕生した。「ですから、私たちのサービスは、プロダクトアウトではなく、マーケットインなんです」。

将来的にはインバウンドのみならず、
アウトバウンド向けサービスも

将来の展望

「事業をスケールさせていくのはまだまだこれから」と高橋氏は言うが、ビジネスチャンスは巨大だ。今、ホテル自体のWebサイトを通じて予約する訪日外国人客は極端に少なく、「エクスペディア」などオンラインのホテル予約サイトが主流になっている。しかし価格をみれば、実はホテル自体のWebサイトから予約したほうが安いことが多いのだ。

「かといって、ホテルごとにブッキングの仕方が異なるとお客様にとってはハードルが高い。そこで各ホテルに『triplaのチャットで予約が全部完了する』というサービスを提供していこうと思っています。これで宿泊客はホテルに対し、より安く、よりディープにサービスを求めるようになりますし、ホテル側もそれに応えられるだけの人員を割いて、さらに質のよいおもてなしを提供できるようになるはずです」

インバウンドのみならず、アウトバウンドにも高橋氏は目を向けている。つまり海外に出ていく日本人向けのサービスだ。「本来、外国語が一番苦手なのは日本人です」と高橋氏。「海外のレストランを予約したいというとき、英語で電話できる人は多くはありません。その部分を我々のサービスが巻き取ることができればと」。

海外のホテルにチャットボットサービスを導入する未来もあり得るだろう。「例えば、台湾のホテルに導入して、タイやベトナムから泊まりに来る観光客向けに活用してもらう。そんなふうに、インバウンドとアウトバウンドを掛け合わせながら、サービスを広げていきたいと思っています」

tripla株式会社
代表者:高橋 和久 氏 設立:2015年4月
URL:http://corp.tripla.jp/ スタッフ数:22名
事業内容:
事業内容:旅を快適にするITサービスの企画運営

当記事の内容は 2017/11/9 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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