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こうして安心 独立準備 Vol.11

last modified 2009-09-29 15:40
起業ストーリー独立準備はこうした!
起業ストーリー
雇われている身から独立し、起業して成功するためには、さまざまな準備が必要です。また、起業直後には、思ってもみないトラブルが起こることも。では、どういった準備や心構えが必要なのか、実際に起業した先輩の事例をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
フェアトレードのネットショップで途上国の貧困撲滅にチャレンジ! 起業ストーリー
Ajee 代表 小沢えつ子さん
Ajee
代表 小沢えつ子さん
Ajee
代表 小沢えつ子さん

文通相手のバングラディシュ人から
現地製品のマーケティングを依頼される

「Ajee」という輸入雑貨のネットショップがあります。「Ajee」とは、ベンガル語で「今日」という意味の言葉をもとに考えた造語。並べている商品は、ジュート(黄麻)を織ってつくられた色とりどりのラグマットやバッグなど約300品目で、*フェアトレードによりバングラディシュとネパールから取り寄せています。

オーナーの小沢えつ子さんは、地元・福井市の商業高校を卒業後、金融機関の事務やコンサルティング会社で経理事務に従事。その後、以前から関心のあった福祉分野に転じます。介護福祉士・社会福祉士の資格を取得して、特別養護老人ホームで11年間、高齢者介護に携わりました。旅行が好きな小沢さんは、世界の発展途上国の貧困問題にも関心を持つようになり、2006年に退職して約1カ月間、インドにあるマザー・テレサが設立した「死を待つ人々の家」でボランティア活動に従事します。
「途上国の人々の厳しい生活を目の当たりにして、何か自分にできることはないかと考えるようになりました」と小沢さんは言います。

一方、インド滞在中、それまで自信があった英語力の衰えを実感。鍛えなおそうと、帰国後に英語での文通相手を募集しました。
「せっかくだからと途上国の人を募集したところ、バングラディシュで教育に従事する人が応募してくれて、文通を始めました。その人は現地で福祉のボランティア活動をしており、多数のストリートチルドレンの存在など現地住民の厳しい生活事情を聞くことができました」
ある時、その人から、「現地の人たちがつくった工芸品の「ラグマット」(敷物)が日本で売れるかどうか、マーケティング活動をしてほしい」と依頼されました。事情を聞いてみると、このラグマットは、現地では一生ものの嫁入り道具としての需要しかないため、機織の音も途絶えている。それが売れるようになれば現地住民の生活は大いに改善されるはずだということがわかりました。その時、フェアトレードの存在を知った小沢さんは、さっそくサンプル品を送ってもらいます。
「何軒かの雑貨屋さんを回ったところ、『商品を置くのは構わないが、直接輸入するのは大変なので』と断られてしまったのです。もう、どこにも持っていくところがない。ならば自分がやるしかないと思いました」

Ajee

何もかもわからない状態だったのが
創業塾で何をすべきか知ることができた

ところが、小沢さんは物販業に携わった経験などありませんでした。そこで、まず情報収集に着手し、2006年11月、新聞で福井県商工会連合会が主催する「女性創業塾」を知り受講します。7日間にわたって、起業の心構えから事業計画づくり、マーケティングの手法など一通りの基礎知識を習得。
「何もかもわからない状態だったのが、何をすべきか知ることができました」と小沢さんはその効用を言います。
「途上国の雑貨を売る店を手がけたい」という小沢さんの希望に対して、講師からは「途上国から送られてくる商品には不良品もあるだろうし、到着までのタイムラグもある。そういったことを織り込んでおかないと苦しくなる」といった具体的なアドバイスも得ることができました。
「特に参考になったのは、先輩が開業したお店などを視察するバスツアー。そこで先輩の経験談を聞き、机上ではわからない苦労ややりがいを知ることができました」

さらに、2007年3月には男性受講者に交じって「創業塾」を受講。
「グループでの事業計画づくりのプログラムなどを通じて男性の考え方と比較する場を持ち、それぞれの良さ悪さを学ぶことができ、さらに参考になりました」
「また、女性の起業を支援する商工会女性部の事業「平成20年度女性の創業等支援事業(主催:全国商工会女性部連合会)」に応募し、助成金を頂きました」

地域最大の繁華街である福井駅前で店舗を構えた場合の市場性や経費などをシミュレーションした小沢さんは、「店舗物件の取得や従業員の人件費など固定費がかかる割に、マニアックな商材でこの商圏人口は過少」と結論づけてネットショップでの開業を選択します。とはいえ、ネットショップの経験や知識もなかったので、県の産業支援センターが主催する講座を受講。「ネットショップとは何か」という入門編から始め、Webサイト構築ソフトの使い方や写真撮影方法といった細かな実務講座をいくつも受講し、知識を固めていきました。また、ジェトロ福井が行っている無料の「貿易投資相談」を活用して、輸入実務の知識も習得しました。

そして、2007年2月に現地に赴いて生産者と顔合わせを行い、商品づくりを開始。現地の人たちも輸出など初めてのことで、最初の頃は70枚届いた中で売れそうなものは7枚だけという品質の低さに苦労したといいます。 「これでやっていけるだろうかと不安に駆られましたが、何回もつくり直しをしてもらい、徐々に向上させていきました。時間はかかりましたが、お互いの成長には必要な時間だったと思っています」


2日に1回ぐらいの食事が
1日2食に

Webサイトは自ら企画・デザインし、プログラミングはコンピュータ関係の仕事を手がけている夫が手伝いました。2007年4月に商品が一通りそろった段階で、いよいよネットショップを開業させます。商品は知人のデザイナーに日本人に好まれるデザインを依頼し製品化するなど、ラインナップを徐々に充実させるとともに、ネットショップ画面の改良も重ねていきました。
「お客さまの中には、細かいことを尋ねてくださる方がいて、『そういうことも書かなければいけないのか』と勉強になりました。自分はあまり細かいことを気にせず買ってしまうので、なかなか気づかなかったのです」

2008年度の年商は750万円。バングラディシュでは100人くらいの住民が「Ajee」の商品づくりに携わっており、以前は2日に1回ぐらいしか満足な食事もできなかったのが、今では1日2回の食事ができるようになっているといいます。子どもが学校に通えるようになったり、緑色に汚れたため池がきれいな井戸に変わっていたりと、現地の生活環境の改善に小沢さんは大きな貢献を果たしています。
「現地に行くと、数百人の人に囲まれ、歓迎されてうれしく思います。でも、売り上げはまだまだ。最低でも月商100万円を目標に、サイトのリニューアルを計画しています。そして、ほかの村の伝統工芸品も加えて、自立できる人をもっと増やしていきたいと思っています」

「創業には、いろいろな問題にぶち当たり、その壁を乗り越えることで自己研鑽につながるという大きなメリットがあります。ただし、信念が不明確だとめげてしまう。何があっても続けたいと思える信念が絶対に不可欠。それ以外の細かいことは、いくらでも勉強することができます」と小沢さんは最後にメッセージを送ってくれました。

※ フェアトレード:発展途上国の住民がつくる製品を適正な価格で輸入し、その生活改善を支援する取引。

起業までのストーリー
2006年7月 インドにあるマザー・テレサが設立した「死を待つ人々の家」でボランティア活動に従事。
2006年11月 「女性創業塾」受講
2006年12月  個人事業開業届け提出
2007年3月 「創業塾」受講
2007年4月 ネットショップ「Ajee」オープン
会社概要

開業/2006年12月
開業資金/200万円
従業員数/1人
アクセス/http://fairtradeajee.com/

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