日本酒流通に革命を!毎月、市場に出回っていない旬の日本酒をお届けする定期宅配サービス「蔵宅(くらたく)」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

鮮度のいい日本酒を蔵元から直送!定期宅配サービス
展開している事業内容・特徴

nomooo野菜や果物のように、日本酒にも旬や鮮度がある。一流の料亭などでは、その日に一番いい頃合いのお酒を出すという話を聞いたことがある。考えてみれば、「水と米と麹から作られる日本酒にも鮮度がある」というのは、当たり前のことかもしれない。

酒屋や居酒屋で見かける日本酒は、瓶に詰められたものがほとんどなので、製造年月日は分かる。しかし、一般的な酒屋でも、ひとつひとつの日本酒の飲みごろを把握するのは、難しいという。まして、素人に日本酒の旬を把握することは至難の技だろう。

しかし、せっかく飲むのであれば、鮮度がよく、旬の日本酒を口にしたい。今回ご紹介するのは、リカー・イノベーション株式会社の提供する、日本酒の定期宅配サービス「蔵宅(くらたく)※」だ。
※2013年8月下旬より「KURAND(クランド)というサービス名に変更予定

「蔵宅」とは、毎月蔵元の杜氏が厳選した旬の日本酒を宅配するサービス。徹底管理された酒蔵の貯蔵タンクから、1本1本手作業で瓶詰めされた、鮮度の良い日本酒を味わえる。

「蔵宅」の特徴は、日本全国の蔵元と直接契約することで、市場に出回ってない日本酒を愉しめることだ。全国に流通している日本酒・地ビール・焼酎などのお酒は、大企業と契約して販路を獲得した商品に限られるもの。しかし「蔵宅」では、定期購入サービスならではの利点を活かすことで、地域限定で販売されている日本酒や、名前は知られていないが味は一流の日本酒、蔵元と企画する会員限定のオリジナル日本酒に毎月出会うことができる。これは大きな魅力ではないだろうか。

「蔵宅」の価格は、月額2680円(税込・送料込み)。720mlの日本酒一瓶とニュースレターが届き、初月はお猪口のプレゼントもある。

日本酒と一緒に送られるニュースレター(B5判・4ページ)には、その月に届いた日本酒を製造する杜氏が顔写真入りで紹介され、蔵元が薦める美味しい飲み方や、酒に合うおつまみ・料理なども掲載されている。日本酒醸造を行う杜氏自身が薦める飲み方は、日本酒ファン必見の価値があるだろう。

また、「蔵宅」で届く日本酒のラベルには、製造年月日と購入者の名前が手書きで記入されている。自分だけの一瓶が届くことも人気の秘密だ。「蔵宅」はこのように、購入者が喜ぶさまざまな工夫を凝らしてファンを獲得し続け、2013年現在、毎月倍々で成長している。

一ヶ月トライアルコースもあり、まずは1度だけお試しで届けてもらうことができる。トライアルコースを購入した方のほとんどが、定期購入を申し込んでいるそうだ。まずは気軽な気持ちで一度試してみるのもいいだろう。

“価格”で競争するのではなく、お酒の“味”で勝負できる方法を考えた
ビジネスアイデア発想のきっかけ

「蔵宅」を運営するリカー・イノベーション株式会社の代表は荻原恭朗氏。彼の実家でも酒販を営んでいる。荻原氏は、2013年2月5日に実家が営む株式会社王屋の子会社としてリカー・イノベーション株式会社を設立。同社では「蔵宅」の他に、自分で選んだお酒とおつまみを購入することができるサービス「NOMOOO(ノモー)」も運営している。

荻原氏が酒類のECサイトを始めるきっかけとなったのが、2003年に酒類の規制が緩和され、酒類販売が自由化されたこと。これに伴い、スーパーやコンビニ、ドラッグストアで酒類販売が開始され、大手との価格競争に敗れた多くの酒屋が潰れていった。

大学卒業後、コンサルティング会社に勤めていた荻原氏は、ITとマーケティングを駆使することで酒屋の力になれないかと、リカー・イノベーション株式会社の設立を決意。価格競争ではなく、お酒の良さ・お酒の美味しさ・新しい楽しみ方を伝えていく方法を模索した。

 2013年現在、日本には日本酒を造る酒蔵が約1,500カ所以上あるが、大手メーカー6社が業界シェアの4割程を占める寡占状態。全国展開されている日本酒を作る酒蔵は200カ所ほどしかないという。

工業化が進む中、手造りで日本酒を造り続けている酒蔵もある。しかし、そういった何百年も続いている酒蔵は年々減少傾向にあるという。販路がなければ、どれだけ美味しい日本酒を造っても、認知度を上げることも売ることもできない。何百年も続く酒蔵で酒業界を支えてきた70歳過ぎの蔵元たちが、経営苦難のために数少ない取引先や消費者たちにペコペコしている姿を見て、荻原氏は違和感を覚えた。蔵元たちと話すうちに、「蔵元さんと、美味しい日本酒を飲みたい人を結ぶ仕組みをつくれないか」と考えた。このアイディアが「蔵宅」のビジネスに繋がったのだ。定期購入サービスの仕組みであれば、蔵元は事前出荷が見込めて生産調整が可能になり、ユーザーは蔵でしか味わえない限定酒を美味しい状態で楽しめる。

「蔵宅」では、手造りで丹精込めて造っている、家族・少人数経営の酒蔵の日本酒のみを厳選して取り扱っている。

お酒を、“銘柄”ではなく“人”で選ぶことにより、造る人も飲む人も幸せに
将来への展望

荻原氏にリカー・イノベーション株式会社の今後の展望をお聞きすると、「美味しいのに知られることなく消えていってしまうお酒をなくしたいですね。“有名な銘柄だから”、“販路が大きいから”生き残るのではなく、蔵元さん、杜氏さんが一生懸命造っている日本酒に光を当ていきたい。そうすることで、造る側の人も、飲む側の人も、同じお酒を通して幸せになるような世の中が理想ですね。お酒って、元々、みんなが楽しくなれる飲み物ですしね」と明るく答えてくれた。

今後は、香港など海外への日本酒販売にも力を入れていくという。

日本酒に限らず、地ビールや焼酎なども、日本のきれいな水、美味しい米、麦、芋などがあるからこそ、飲みごたえのあるものを造ることができる。そう考えてみると、日本酒造りは数百年前から引き継がれてきた日本独自の食文化だろう。ぜひ、日本を代表する食文化である日本酒で、日本と世界の笑顔を繋いでいってほしい。

リカー・イノベーション株式会社
代表者:荻原 恭朗 スタッフ数:5名
設立:2013年2月5日 URL:http://www.nomooo.jp/products/detail.php?product_id=1056
事業内容:
インターネット通販事業、酒類小売業・卸売業

当記事の内容は 2013/7/31 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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