無難なコーディネートでファッション音痴の男に自信をつける!「メンズファッション+(プラス)」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 福田 秀樹

ファッションに興味がない人に、無難なコーディネートを届けるサービス
展開している事業内容・特徴

mensfashion1男性読者のみなさんは、服を買う時、どのように選んでいる? 店舗に足を運んだり、ネットを利用して自ら選ぶ? しかし、持っている服との相性や流行を考えながら決めるとなると時間がかかり、せっかく購入しても自らのコーディネートに自信がもてない男性は多い。今回は、ファッション音痴の男性に最適なサービスを紹介したい。株式会社ホットココアが提供する「メンズファッション+(プラス)」だ。

「メンズファッション+」は、ファッションに興味がない人でも“手軽に”、“悩まず”オシャレな服を買うことができる男性向けのECサイト。業界用語で「マネキン買い」というが、モデルが着ている服をそのまま一式買うこともできる。わざわざ店舗に行かなくても、簡単にオシャレなコーディネートの服を手に入れられるのだ。

多くのファッション関連サービスは、“いかに流行っているか”“いかにオシャレか”というポイントを重要視する。しかし、「メンズファッション+」は、“チャレンジしない”“ひかれない”“はずさない”“無難”の4つのキーワードをテーマとし、失敗しないコーディネートを提案してくれる。

一般の女子に受けるように、「メンズファッション+」のコーディネートを担当しているのは女子大生。年代別(学生用、社会人用、30代用など)、利用シーン別(デート用、合コン用など)、ほかにも季節別、体型別、アイテム別など、さまざまな利用法の提案もしている。単品購入もできるが、6割のユーザーが「マネキン買い」をするそうだ。

「メンズファッション+」は、2012年5月8日にオープン。2013年1月現在までに「マネキン買い」の商品が160点、単品商品が300点掲載された。これまでの累計購入者数1300人で、売り上げは1500万円に達している。2012年11月のリニュアル以降、売り上げが順調に伸び始めた。

株式会社ホットココアは、もともとWeb制作事業をメインとしていた会社だ。現在では、「メンズファッション+」の収益がWeb制作事業の収益を上回っている。

オシャレをすると自信がつく。この感動をモテない人と共有したい
ビジネスアイデア発想のきっかけ

mensfashion2株式会社ホットココアの代表取締役社長を務める永上裕之氏は、サラリーマン時代に、「非モテ+」という、モテない人たちが集まって傷のなめ合いをすることをコンセプトとしたサイトを立ち上げた。現在の会員数は7万人ほどで、テレビに取り上げられたり、毎月100人規模の公式オフ会を開いていた時期もあったそうだ。

しかし、その活動のなかで永上氏が気づいたことがある。「非モテ+」会員の多くが、オンライン上で傷のなめあいをしてコミュニケーションを充実させることができても、オフラインであるリアルの世界になると、途端に弱気になるということ。

そんなことを思っていた頃、永上氏は先輩にファッションコーディネートをしてもらう機会があり、一緒に服を買いに行った。それまで、ファッションにあまり気を遣っていなかった永上氏だが、先輩にコーディネートしてもらった服を着ていると、会社でもプライベートでも、「かっこよくなったね」、「おしゃれになったね」という声をかけられるようになり、自分に自信がもてるようになったのだ。

永上氏は、おしゃれをすることで、心持ちが変わり、自信がつくことを知った。この魔法のような法則を、「非モテ+」の会員たち、いわゆる「非リア充」と呼ばれる男たちに共有してあげたい。「メンズファッション+」は、そんな永上氏の実体験から生まれたわけだ。実際にサイトにアクセスすると、現在もあまりファッションに気を遣っていないという永上氏が、モデルとして掲載されていた。

永上氏は、なんと中学生の頃からWebサイトをつくり始めている。現在までに作成したWebサービスは約300。永上氏がつくったサイトをすべて合わせると、月間3000万PV、会員10万人ほどらしい。「メンズファッション+」の開発も慣れたもので、アイデア発想から1カ月ほどで完成。サービスを開始し、計画どおり「非モテ+」サイト内に広告を出したが、そこからの流入はそれほど多くなかったそうだ。

成功の要因について永上氏は、「ファッション業界の門外漢だったことが奏功した」と言う。「ファッションに興味のない人」をターゲットした、アウトサイダーの発想が新しいニーズをつくり出したというわけだ。

実は永上氏、ECサイトをつくったのは初めてだが、Webに関する知識が豊富にあったので、それほど難しくなかったそうだ。3年ほど前からSNSブームが始まり、永上氏もFacebookのような大規模SNSをつくることを目指していた。現在、SNSを運営する企業の多くは、とりあえずユーザーを増やし、アクセス数を高めることに躍起になっている。しかし、成功する確率は1%以下。SNSブームの始まりから3年経った現在、ヒットしなかったSNSは、次々と閉鎖している。

永上氏も同様に、サラリーマン時代、つくったWebサイトのアクセス数を上げることを楽しんでいた。しかし、アクセス数を上げるだけではマネタイズにつながらない。永上氏は経営者という立場に立って初めて、Webの知識とそれを使ってマネタイズする知識は別だということに気付いた。そして、地道な作業を要するが、SNSよりも格段に成功可能性の高いECサイトを選んだのだ。

永上氏はこれまでの経験から培ってきた、「ECサイトは地道に努力することが大事」というセオリーを信じて「メンズファッション+」を運営している。例えば、SNSは、Yahoo!のトップに載ると、1日でアクセス数がグンと伸びる。しかし、ECサイトにそんなことは起こらない。また、よい商品を仕入れれば売れるといった単純なものではない。Webならではの集客、アクセス分析、改善方法があり、例えば「どのような服が売れるか?」などのABテストをしながら、改善を繰り返していくしかないという。今、永上氏は、そんな地道な作業に楽しみを見いだしている。

日本のファッションは海外で需要がある! 目指すは世界展開
将来への展望

mensfashion3 永上氏は、海外でも流行している「サブスクリプション(定期購入)」の導入を計画中だ。月に一度、コーディネートした服一式送るというものだが、月1万円というかなり安い価格での提供を目指している。

 また、サイト内に、デートスポット特集や口説き方コーナーなどを設置・掲載し、ユーザーの恋愛サポートも提供していく予定だ。準備はすでに進めていて、近々スタートさせるそうだ。

長期の目標としては、海外展開。例えば、韓国発のファッションECサイト「DHOLIC(ディーホリック)」が使用している「ローコンテクスト」という、写真のみで商品を紹介する手法を使って、外国人にも伝わるレイアウトを検討中。日本ブランドのファッションを欲しがる外国人ユーザーは多いのだ。

取材の最後に、永上氏は漫画「ドラゴン桜」の作者である、三田紀房氏が出版する本のタイトルである、「個性は捨てろ、型にはまれ」という言葉が好きだと話してくれた。「箸の持ち方や歯の磨き方は、自分流でやるよりも、習ったほうが早く正確に身につけられる。ビジネスも同じで、自分流ではなく、先輩の真似をすれば、早く正確に目標に達する。これからビジネスを立ち上げる人たちも、この言葉を参考にしてくれたら嬉しい」とアドバイスをくれた。

株式会社ホットココア
代表者:永上 裕之 スタッフ数:10名
設立:2010年4月1日 URL:http://mensfashion.cc/
事業内容:
男性服の通販サイト「メンズファッション+」の運営、webシステム開発事業

当記事の内容は 2013/2/12 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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