1カ月で30万インストール! Appストア1位を獲得した、爆笑エンタメアプリ「ボケて(bokete)」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 室賀 文治

3秒で笑える人気iPhoneアプリ「ボケて」が熱い。デビュー後いきなりエンタメ部門1位を獲得
展開している事業内容・特徴

bokete1今回紹介するのは、面白写真で一言ボケるお笑いサイト「ボケて(bokete)』のiPhoneアプリだ。これが、“とにかく熱い!”のだ 「ボケて」は、投稿された写真などの“お題”に“ボケ”となるコメントをつけてお互いに評価し合うネタサイト。シュールで笑えるコメントをつけ、それをみんなで共有する、面白ネタのソーシャルサービスである。

以前まではPC上のみのサービスだったが、2012年10月にiPhoneアプリがリリースされた。お題の写真についた秀逸なボケを、指でスクロールしながら閲覧するという、シンプルでストレスフリーのインターフェース。

また、投稿されるネタは「注目」「人気」「殿堂入り」、「ピックアップ」といったタグに分類され、すっきりと見やすいつくりになっている。気に入ったネタがあれば☆マークをタッチすることで評価したり、Facebookでシェアすることも可能。画面下にある「お気に入り」を見れば、いつでも簡単にお気に入りのネタを見ることができるが、思わず吹き出してしまうこと必至なので、通勤電車内などでの閲覧には注意が必要だ。

アプリリリースの1カ月で30万インストールを記録し、エンタメ部門のトップに躍り出た。2012年12月時点では累計50万インストールを突破。20万以上の「お題」と400万以上の「ボケ」が投稿されている。ビジネスモデルは、広告収益型だ。

スマホに最適なインターフェースと最高のプロモーション
ビジネスアイデア発想のきっかけ

bokete2「ボケて」を運営するのは、株式会社オモロキ。そして、この人気サービスをiPhoneアプリとして開発したのが株式会社ハロである。実は、オモロキの鎌田社長と、ハロのCOO・イセオサム氏は、日本テレビの同期入社組だ。

イセ氏は慶應義塾大学を卒業後、日本テレビの看板番組「ズームイン」や「24時間テレビ」の制作に携わった人物。実は彼が「ボケて』のスマホアプリ化を鎌田氏に提案し、実現したのだという。ちなみに、鎌田氏はすぐに快諾したそうだ。

イセ氏が「ボケて』をiPhoneアプリにする際、3つのことにこだわった。

一つ目は、「誰でも使えて誰もが楽しむことができるメディア」であること。日本テレビ勤務時代に学んだ、子供からお年寄りまで一緒に楽しめるというテレビのインタラクティブ性を強く意識した。

二つ目は「シンプルなインターフェース」であること。スマホアプリは、PCアプリに比べ、かなり機能が制限される。まず、さまざまな機能を選出し、「笑いに必要なもの」だけをピックアップし、最小限の機能に絞り込んだ。

三つ目は「ネタを生かすデザイン」であること。“ネタを生かす”ということで、お寿司屋さんのカウンターのような木目調を採用した。

もう一つ、ハロが得意とするのが独創的な広告である。ハロのマーケティング・プロモーションのポリシーについてPR Coordinator職の新元愛美さんに話を伺うと、「面白いかどうかが第一」だと答えてくれた。また、「その広告がキャッチーかどうかを常に考えてプロモーション施策をしている。商品のプロモーション、クライアント向けイベントなど、社外に向けたイベントは常に受け取り側がどれだけ楽しんでくれるか、自分たちも楽しめるかを意識するようにしている」そうだ。

実際に2012年10月末に開催されたデジタルマーケティングカンファレンス「ad:teck tokyo」では、ユニークな顔出し看板を作成し、多くの人の笑顔を集めたことで注目された。

時代は大きく変わっている。次代を担う学生たちの選択肢を増やしたい
将来への展望

イセ氏に将来について伺ったところ、「自分たちが新しい雇用のスタイルをつくっていかないといけないと思う」と語ってくれた。

イセ氏は言う。「いい大学を出て大きな企業で終身雇用という人生は、これから社会に出る人たちにとって完全に無縁なケースだと思う。でも、社会はまだまだ中高年を中心に古い体質で回っている。先日もある大学で学生さんに講義をさせていただく機会をいただき、その感想文を全部読むと、やっぱり学生さんは“大学を出たら大きな会社に入ることが安定”と親から言い聞かされている。また、それが親を安心させる手段だと考えている」と。

このような、社会の動きと若者の認識の間のズレを補うため、ハロでは新たな雇用スタイルを提唱している。

例えば、
・営業成績に応じてインセンティブを得るのではなく、面白いものに自分から取り組む。
・9時に来て、用もないのに18時までぼーっとしてから帰るのではなく、働きたい時に仕事し、いい波がきたらサーフィンへ行く。
・稼ぐために一生懸命シゴトをするのではなく、シゴトの意味を考えて選ぶ。
・行きたくないけどルールだから会社に行くのではなく、行かなくてもいいけど仲間に会いに会社に行く。
・全員がフルタイム正社員ではなく、フルタイム、パートタイム、インターン、知らない人が混在している状態。

このような新たな雇用スタイルを提唱し、ストレスフリーな環境で仕事をしているからこそ、「ボケて」のような、人々の心をつかむ面白いサービスをつくることができるのだろう。

「2028年までに、世界をもっとも明るくした会社になる」というビジョンを持つ株式会社ハロ。「ボケて」を筆頭とした同社の開発姿勢を聞くにつれ、本当にそんな存在になる気がしてきた。

株式会社ハロ
COO / Co-Founder:イセオサム スタッフ数:20名
設立:2008年9月 URL:http://www.halo-web.com
事業内容:
モバイルコンテンツの開発、広告

当記事の内容は 2012/12/6 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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