ロケーション×コミュニケーションの55万人が利用する大人気アプリ「Eyeland(アイランド)」

IT・インターネット

執筆者: 清水 将仁

Facebook、Twitterとあえてつなげず、「ロケーション」と「コミュニケーション」に着目 展開している事業内容・特徴

eyeland1 2011年7月にリリース後、瞬く間に人気となったインターネット上のサービスがある。位置情報を利用して、プライベートな感覚で気軽に地域のコミュニケーションを楽しめるスマートフォンアプリ「Eyeland(アイランド)」だ。

「Eyeland」のコンセプトは、「ロケーション」と「コミュニケーション」。利用に必要なのはニックネームだけ。FacebookやTwitterのアカウントと連携するサービスがトレンドのなか、これらのソーシャルネットワークとあえて連携せず、友達登録の機能も設けないことで、ソーシャル疲れとは無縁。今いる場所や行きたい場所などをマップで選ぶと、その地域に投稿された、面白いこと、おいしいもの、お得な情報、きれいな風景写真など、いろいろな情報を収集できる。

コミュニケーションの方法はチャットと投稿の2つ。マップの中から気になる人と直接おしゃべりできる1対1のクローズなチャットと、その地域の話題や写真を共有できるオープンな投稿。プライベートな感覚で、気軽に地域のコミュニケーションを楽しめるアプリとなっている。現在は、国内中心のユーザー構成だが、英語をはじめ、複数言語への対応が進んでおり、世界中のあらゆる地域において、情報を効果的に共有、収集することが可能となる予定だ。

サービスの特性上、プライバシーへの配慮も徹底している。FacebookやTwitterなど個人を特定するアカウント連携を不要とするだけでなく、電話番号の登録も不要。また、悪質なユーザーをブロックまたは通報する機能を備えている。加えて位置情報に誤差を持たせているので、例えば自宅からアクセスしても安心なのだ。

ユーザーは検索エンジンを使ってあらかじめ整理された情報を利用するのではなく、今いる場所でリアルタイムにコミュニケーションすることで、生きた情報を得ることができる。また、一般的なソーシャルネットワークとは異なり個人情報や実名を必要としないため、ユーザーはコミュニケーションを安心かつ気軽に楽しむことができる。この2つの切り口で展開しているサービスは、チェックイン機能を備えたソーシャルメディアや位置情報を利用した情報掲載サービスとも異なり、世界中においても「Eyeland」が唯一といえる斬新なものだ。

結果、プロモーション戦略を展開しないまま、リリース後にインターネット上のクチコミで一気に広がり、2012年8月現在、延べ55万人が利用する大人気サービスへと急成長している。

時間と場所を制限しないインターネットに、時間と場所の制約をつけてリアリティを追求 ビジネスアイデア発想のきっかけ

eyeland2「Eyeland」の企画、開発、運営を手がけるオーシャンズ株式会社の代表取締役COO 河村龍氏は、大学時代にマスメディアを専攻していたが、当時からインターネットがこれからの新しいメディアになると考えて、大学卒業後はフリーランスでWeb制作に取り組んだ。多数のWebサイト制作に携わるうちに、Webサイトを見てもらわなければ意味がないことを痛感。検索の重要性に気づいたという。その後、ヤフー株式会社やバイドゥ株式会社といった大手検索エンジン会社で、一貫して検索事業に従事。検索のスペシャリストとなっていった。

その過程において、河村氏は「インターネット上の情報流通をいかに活性化させるか」が、インターネットでライフスタイルを豊かにするという考えに至る。しかし、それを実現するには、検索エンジンやソーシャルメディアとは異なる、新しいサービスを構築する必要があった。そこで、河村氏はヤフー株式会社やバイドゥ株式会社でプロジェクトを共にした川添貴之氏(共同創業者)と起業を決意し、オーシャンズ株式会社を設立した。

開発にあたり、コンセプトは一貫して変わることなく「ロケーション」と「コミュニケーション」。その地域の生きた情報、実生活に役立つ情報をリアルタイムで収集、共有しやすくするために、ユーザーの匿名性も当初から決めていた。そして時間と場所を制限しないインターネットに、あえて時間と場所の制限をつけ、さらにマップによって“見える化”を実現し、街中で人と会話をするようなリアリティを目指した。

1年の開発期間を経てリリースされた「Eyeland」のユーザーの反響は前述のとおり。地域のシンプルで気軽なコミュニケーションの場としてすでに認知されている。

ローカルの特性を生かしたコラボレーション展開。地域活動の活性化に一役 将来への展望

2012年7月、「Eyeland」は福岡の西日本新聞社、ゴミのポイ捨の撲滅を目指す、NPO法人グリーンバードと提携し、西日本大濠花火大会における「アプリを使った、花火大会のゴミ削減」に取り組んだ。ゴミ収集エリアを見つけてゴミのポイ捨てをなくすといった地域コミュニケーションを「Eyeland」が実現したかたちだ。花火の見やすい場所、トイレの場所などの便利情報も「Eyeland」で収集、情報提供した。

こうした取り組みは、地域の情報を流通させて、地域の活性化に資するトライアルでもあった。今後はさらに、様々な組織とコラボレーションを進め、地域に情報を蓄積させていくことで、その地域の生きた情報、実生活に役立つ情報を提供していくことを目指している。

「ロケーション」と「コミュニケーション」を軸に、社会貢献を追求している「Eyeland」。次世代のプラットフォームとして広く認識される日は、そう遠くなさそうだ。

オーシャンズ株式会社
代表者:川添 貴之、河村 龍 スタッフ数:7名
設立:2010年 9月 16日 URL:http://eyeland.in/
事業内容:
コミュニケーションサービス「Eyeland(アイランド)」の企画、開発、運営

当記事の内容は 2012/9/4 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。