開始2週間で1万いいね!突破。実名で使う病院の口コミサイト「ソーシャル病院」。

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執筆者: 谷垣 俊介

病院の口コミサイト。日本全国17万件の病院情報が満載!
展開している事業内容・特徴

social-hospital1おそらく誰しもが一度は感じたことのある病院のよしあし。日本国内には多くの病院が存在するが、技術やサービスの善し悪しは実際に行ってみないと分からない。しかし、自分の体は信頼性の高い病院で、腕の立つ医師や看護士に診てもらいたいというのは、誰しもが持つ望みだろう。 今回紹介する「ソーシャル病院」は、このような望みを叶えてくれるサービスだ。

サービスの仕組みは簡単。登録ユーザーは、自分の行った病院についての評価を書く。他のユーザーはその評価を閲覧することで、利用する病院の選択ができるというサービス。

2012年1月から開発を開始したという同サービスは、同年3月にベータ版をリリースし、この7月に正式版を開始したばかりだ。日本全国で約17万件の病院データを掲載している点が最大のウリで、正式版公開から2週間ほどだが、facebookのいいねが1万を超えるなど、急速にユーザー数を増やしている。

会員登録は、ユーザーのソーシャルリテラシーを維持するためにfacebook のアカウントを使用するシステムになっている。ユーザーが実名で投稿することにより、誹謗中傷の投稿を回避している。ユーザー名の隣には「f」ボタンがあり、それをクリックすることで、そのユーザーのフェイスブックページが表示される仕組みとなっている。

病院への評価方法は、診療科目毎に、「技術」「接客」「設備」等について5段階評価をつけることでできる。また、医者や看護師に対する評価・コメントも残すことが可能。個々の病院について質問する機能はないが、タグ付け機能を上手く利用すれば、特定の病院への質問に近い形も実現することができる。また、特定のユーザー間でのメッセージのやりとりも可能なので、自分の病気の症状を不特定多数の人たちに知られることもない。

「ソーシャル病院」内には、ポイント制度があり、病院に対してコメント・評価をすると獲得することができる。また、他のユーザーからのメッセージに応えると、「サンクスバッジ」がもらえる。これらのポイントやバッジの数に応じてユーザーのレベルが上がって行く。レベルが上がっていくごとに、他のユーザーからの信頼度が上がっていき、利用できるメニューの範囲が広くなる。現在は、レベル10が最高である。このように、ゲームの要素を取り入れることで、利用を活発化させる工夫をしている。

7月にリリースされた正式版には、新たにウォール(#Wall)機能を追加した。これはfacebookのタイムラインのように、他人が発信した情報を次々と見ることができる機能である。ユーザーはあらかじめ、「健康」、「食事」、「運動」など12種類のタグから関心のあるものを3つ以上選択しておく。情報を発信するユーザーは、その情報に関するタグ付けをすると、そのタグを選択しているユーザーのウォール上に載るという仕組みだ。さらに、選択するタグの傾向が似ているユーザーが発信した情報や同じ都道府県のユーザーの情報も集まる仕組みとなっている。

ビジネスモデルとしては、同サイトを宣伝として医療関係企業からのシステム開発やITパッケージ導入を受託。すでに取引のある既存客には広告宣伝ツールとして利用してもらう予定となっている。

Web業界の動きはソーシャルへ。これは流行ると感じた
ビジネスアイデア発想のきっかけ

social-hospital2「ソーシャル病院」を運営するのは、株式会社ケーエムケーワールド。実は同社では、2008年から「お医者さん.jp」という病院の基本情報を提供するポータルサイトも運営している。そちらは歯科医院、動物病院も網羅していて、月間110万PVを誇る人気サイトだ。

このサービスを運営していく中で、医療市場の成長性やフェイスブックによる実名性の浸透に代表されるWeb業界のソーシャルへの動きを見て、リアルなユーザーがメインとなって作り上げていく情報サイト「ソーシャル病院」があれば新たなサービス価値の提案になると直感。すぐ構想を立てたという。

現在、病院に関するポータルサイトは、国内で代表的なものが3~4個ほどある。しかし、その中でも病院の実名利用者が主体となるソーシャル性のあるサービスは「ソーシャル病院」が初めてだという。今では、「お医者さん.jp」の利用者が、そのまま「ソーシャル病院」も閲覧するという流れができていて、2つのサイトが車の両輪のように互いに発展する形になっている。

「ソーシャル病院」では、病院の患者だけでなく、医師も利用することができる。現在、基本的に医師同士の情報交換は、通常医師会などの集まりで行われているが、「ソーシャル病院」内では、オンライン上で症例や治療法などについての情報交換をすることも可能である。

インターネット上にはさまざまなQ&Aサイトが存在している。医療業界向けのQ&Aサイトもあり、業界関係者や専門家にとっては顧客開拓に有効なツールだが、ほとんどのQ&Aサイトは有料のため敷居の高さを感じる人も多い。しかし、「ソーシャル病院」では、医者が無料でアドバイスをしたり、病院を紹介することもできる。「ソーシャル病院」では無料化することで、一気にユーザーを囲い込む戦略をとった。

「やさしいIT企業ナンバーワン」を目指す
将来への展望

同社は創業時から「やさしいIT企業ナンバーワン」という理念を掲げている。IT(情報技術)はコストが高いこと、また、ユーザーが使いこなせないなどの問題認識を持たれることが多い。その為、導入に失敗したり、あまり活用できていない企業はたくさんある。このような、ITに苦手意識を持っている企業に対して、IT導入の支援をして行きたいというのが、同社の設立理念だ。そうした理念から生まれたサービスが「お医者さん.jp」であり、「ソーシャル病院」だ。

同社代表取締役である車陸昭氏は、「現在では、病院数が増加したことから、医療業界も買い手市場となっている。患者からの要求水準は厳しいため、丁寧な接客が必須となっている。接客ノウハウなどの情報を収集するツールとしてもソーシャル病院を使ってもらいたい」と語ってくれた。

「ソーシャル病院」の今後の展望を聞いたところ、直近の目標はユーザー数を100万人にすること。現在、ソーシャル病院のユーザー数は予想を上回る勢いで増えているとのことで、さらに広報活動を積極的に展開していく予定だという。

また収益モデルとしても現在は広告収入が中心だが、ユーザー課金モデルも検討しているそうだ。ただ、ユーザー課金となると、新たな付加価値を付けなければ難しい。そのため、病院での待ち時間改善が出来る「予約機能」や「スマホでの決済」といった仕組みの構築を今後展開していく予定だという。

車氏によれば、従来の病院の集客方法は街中や駅構内での看板といったものが主流だったが、現在ではその効果は薄くなっているそうだ。

「患者からの高評価が集まり、かつ予約や電子決済ができることをソーシャル病院で告知することは良いPRとなるはず。フェイスブックのユーザーは30、40代が中心だが、これからは高齢者もスマホを持ちだすだろう。ソーシャル病院は生まれたばかりのサービスなので、なるべく早く実績をつくって、より多くの人に使ってもらいたいと考えている。」と語ってくれた。

株式会社ケーエムケーワールド
代表者:車 陸昭 スタッフ数:62名
設立:2001年7月 URL:http://www.social-hospital.com/
事業内容:
■WEBシステムコンサルティング
■WEBシステムインテグレーション
■ECサイト構築
■iPhone、iPad、Android(TM)各種アプリ開発
■SNSサービス企画・開発

当記事の内容は 2012/7/24 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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