月間20万DLを突破し、現在も毎月20%ペースでユーザーが増加。300万ものテーマから自分に最適なニュースを集めてくれるアプリ「カメリオ」

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執筆者: ドリームゲート事務局

人工知能を活用したニュースアプリはビジネスパーソン必携のツールとなるか? 特定の会社名などでもニュース情報を収集してくれるアプリが誕生
展開している事業・特徴

20150617-12015年4月28日に上場を果たしたグノシー、SmartNewsやAntenna、NEWS PICKSなどニュース系キュレーションアプリのベンチャーをはじめ、YahooやLINEなどのメガベンチャーも本腰を入れて参入するなど、このマーケットはまだまだ熱い競争が続いていきそうだ。

今回紹介する「カメリオ」も、そうしたニュース系キュレーションアプリの1つ。2014年2月18日にリリースされ、iPhone,、Android,、Webの3プラットフォームで展開している。また、「App Store Best of 2014 今年のベストアプリ」に選ばれた人気のアプリだ。

ユーザーニーズに合わせて「自動的」に記事を選別してくれるという機能は、最近よく聞く仕組みだが、ほかのアプリと比べてカメリオがなぜ選ばれるのか? それは、300万ものキーワードから人工知能がユーザーの好みに合わせたニュースを自動選別して配信してくれるサービスにある。キーワードというとわかりづらい方は、カテゴリー、タグと読み替えてもらってもいいだろう。

例えば、グルメやテクノロジーといったキーワード=タブはニュースアプリでよく見かける。しかし、あなたが気になっている「おにぎり」だけ、あるいは「ナポリタン」だけ、そんな細かく選別された情報だけを集められるとしたら、よりその記事を見たくならないだろうか。

だから、カメリオなら、「○○商事」というような特定の企業名だけでもニュースが集められる。自社の得意先や担当している会社に訪問する際、検索サイトでその会社に新しい動きがないか、あるいは新製品や新サービスの発表がされていないか事前に調べる方は多いはず。一昔前なら新聞や雑誌などの記事を調べていたが、今はネットで検索するほうが楽で早い。さらに、カメリオなら検索するという手間も不要になる。

さらに、カメリオに知りたいキーワードを追加するのが非常に簡単。アプリをインストール後、調べたい対象テーマを探せば、おそらくほぼヒットするだろう。もしヒットしなければ、テーマに追加してもらいたいと「リクエスト」することも可能だ。

同アプリの強みである300万以上になるテーマは、ネット上にある辞書DBなどから人工知能がキーワード分析して設定しており、毎月ユーザーから届けられる1000~2000のテーマリクエストも随時追加されている。

運営元の株式会社白ヤギコーポレーション代表のシバタアキラ氏によると、ノンプロモーションながら、2014年10月には月間10万ダウンロード、2015年6月には20万ダウンロードを突破。また、利用傾向にも特徴があり、一般的なニュースアプリの場合、利用のピークタイムは朝になることが多いそうだが、カメリオのピークタイムは夜の10時~11時で、ニュースを流し読みするというよりじっくり情報を探すユーザーが多いようだ。

ちなみに、本サービスの収益源は広告のほか、コンテンツ・レコメンド・エンジンを大手メディアなどにASP提供するシステム利用料となっている。

NYUで物理学の研究をする生活から、リーマンショックを契機にベンチャービジネスに飛び込んだ
ビジネスアイディア発想のきっかけ

20150617-2白ヤギコーポレーションは、シバタアキラ氏と渡辺賢智氏の2人によって創業された。

シバタ氏は、物理学博士としてNYUで研究を続けていたが、リーマンショックで世間が騒然とするなか、研究者である自分の立場に隔世感を持つようになった。彼が携わっていた研究自体は100年後を見据えたような壮大なもので、意義ある仕事だと思いつつも、リアルなイメージがしづらい物足りなさも感じていた。また当時のNYではベンチャー熱が高まっていたこともあり、徐々に起業を意識するようになったのだという。

そんなシバタ氏だが、いきなり起業するのではなく、まずはビジネスの基礎を学ぼうと考え、ボストン・コンサルティングに入社。戦略インスティチュート研究員として、企業戦略定量化の研究に従事した。もとから3年ほどでやめるつもりだったそうで、32歳で同社を退職して、白ヤギコーポレーションを設立した。

もう一人の創業者である渡辺氏は、コロンビア大学でMBAを取得後、パナソニックに入社。中国事業立て直しや大型買収案件を担当した後、ボストン・コンサルティングに移り、そこでシバタ氏と出会い、意気投合した。

2013年5月に会社を設立した後、MOVIDA JAPANの主催する「Seed Acceleration Program 」第4期に参加。実は起業当時は、「スーパーマーケット」「犬のホテル」「ドレスのレンタル」など、まった異なるビジネスプランを考えていた。しかし、MOVIDAでビジネスプランの磨き込みを進めていくなかで、本当に取り組みたい課題・問題意識が明確になっていく。

その後、音楽に特化したサービスとして計画していた時期もあり、ビジネスに特化したサービス、そしてニュース全般をオールマイティに扱うモデルにと方針を変えていったそうだ。

最終的にニュースアプリに挑戦した理由は、自分たちがコンサル時代に困っていたことが原点にある。膨大なニュースから目的の情報を見つけることの大変さ、あるいはリサーチ業務がもっと簡単にできるようにならないかという問題意識から、カメリオのサービスに行き着いた。

また、メディア自体の大変革時代であるこのタイミングも、ニュースアプリを選択した大きなポイントだ。今後は、スマホから得る情報から消費活動をするユーザーが増えていくのは間違いない。つまり、ユーザー消費のファーストタッチを押さえるには、スマホが最適なメディアになるというわけだ。

「深く知ることでより豊かに」。自分自身も気づかない新しい興味が見つかるツールを目指す
将来への展望

シバタ氏に今後の展望を伺ったところ、まずは今後1年間での黒字化が当面の目標。また、2014年2月28日にグローバルブレインから5000万円の増資を受け、さらに大型の資金調達も検討している。アプリのユーザー数増加が加速してきたこともあり、事業拡大の新たなフェーズが見えてきているという。

黒字化にあたっては、DAU(1日当たりのアクティブユーザー数を示す指標)のアップなど、ユーザーの満足度追求に注力している一方、コンテンツ・レコメンド・エンジンのASP利用料などが伸びていることから、B2B向けのメニュー開発や利用料金体系の改訂などを検討中で、より多くの企業と連携する体制を目指している。

ちなみに同社の理念は「深く知ることで生きることを豊かにする」というもの。確かに今の時代、情報が溢れすぎて、何に興味があるのか自分自身でもわからなくなってしまっている。そうしたなかで、同社はユーザー自身が何に興味をもっているかを発見できる場・ツールの提供をビジョンとして掲げている。その理念を追いかけ続けることで、新たな消費行動やビジネスチャンスが生まれるはず。白ヤギコーポレーションの今後の奮闘に期待したい。

株式会社 白ヤギコーポレーション
代表者:シバタアキラ氏、渡辺賢智氏 設立:2013年5月
URL:
http://shiroyagi.co.jp/
http://lp.kamel.io/
スタッフ数:12名
事業内容:
「あなた色に染まるニュースアプリ」カメリオの開発・提供
「日本語のためのコンテンツレコメンデーション」カメクトの開発・提供

当記事の内容は 2015/6/25時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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