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SUUMO、HOME’Sなど大手とも情報連携。開始4年で500社超が導入、約15万件の物件を扱う賃貸情報流通インフラ「キマRoom!」

執筆者:ドリームゲート事務局
更新日:2015年03月10日

賃貸業界が求める新しいインフラ!! セイルボート社「キマRoom!」が賃貸をエンパワーメントする 展開している事業内容・特徴

20150304-1旧態然とした業界に新しい仕組みを持ち込み、イノベーションを起こすのがベンチャービジネスの醍醐味だ。歴史ある業界であればあるほど、古くから確立されてきた仕組み・システムが残っている。その一例が不動産賃貸業界であるが、今回紹介するのは、同業界に新しい賃貸物件情報の流通インフラ「キマRoom!」だ。

2010年12月に広島からスタートしたベンチャー、株式会社セイルボートが開発・運営している「キマRoom!」は、業界の川中領域である管理会社と仲介業者との“業者間流通”をスムーズにさせるクラウドを活用したシステムである。

実は不動産業界には“REINS”という定番の業者間流通システムがすでにある。
しかし、株式会社セイルボート代表の西野 量氏によれば、“REINS”はもともと不動産売買目的で構築され、賃貸に関しての機能は充実しているとはいえないそうだ。

そこで同社は賃貸物件に関しての機能を充実させた新システムにはニーズがあると見た。これまで、業者間流通は非常にアナログ的であり、顧客がスマホ物件を探す現代において、電話やFAX、そして人的つながりがものを言う。そこに着目し、合理化・効率化を実現させるシステムを構築した。

2011年のリリースから同システムは広島を皮切りに、岡山、首都圏の3エリアで展開されているが、2014年の5月から開始された首都圏では年内までに200社以上の実績を獲得した。総導入実績は、500社以上を数える。

また掲載物件数は約15万件となっている。これはキマRoom!が展開されている首都圏と広島・岡山エリアの賃貸物件数182万件のうち、8.2%に及ぶ。
平成25年住宅・土地統計調査「確報集計結果」(都道府県編) 賃貸用空き家数より

同システムは簡単に言えば、業者間流通をもとに管理・仲介会社が集うプラットフォームであり、搭載機能は、「物件資料」、「MAP検索」、「空室メール配信」、「コンバート機能」の4種。物件資料は、自動資料作成機能である。登録物件情報から資料作成を自動で行ってくれ、仲介会社は従来のFAX情報に頼る必要はない。もちろん、カラーでの閲覧・印刷でき、帯替えもワンクリックで可能だ。管理側にしても仲介時に必要な情報や条件をフリーワードで登録できるので、相互間のやり取りがスムーズでコスト削減も望める。さらに物件情報の登録・閲覧も無制限である。

MAP検索は、いわば物件紹介時のソリューションだ。キマRoom!に登録されている公開物件のマッピングが可能。物件を検討する顧客の目の前で、分厚い資料の中から物件を探したり、たどたどしく現地まで案内したりといったことがなくなり、新入社員でも直感的に接客を行えるだろう。

そして、資料のやり取りや取引先開拓、広告掲載を円滑に行えるようになる機能が、空室メール配信とコンバート機能である。空室メールは、一斉配信機能が搭載されており、同システムを導入していない相手にも物件情報と写真が自動添付された空室情報を送ることができる。また、広域または特定の個人宛といった送信先の編集も自在で、ログ機能により送付先の閲覧や印刷状況もチェックできる。

最後のコンバート機能は、同システムに登録した物件をワンクリックで、大手ポータルサイトへコンバートできるといったもの。現在、SUUMO、HOME’S、アットホーム、マイナビ賃貸への転載でき、入居者募集の手間を大幅に削減可能である。

以上が機能概要であるが、これらの特徴は管理・仲介会社にとって大きなメリットとなり、導入数は順調に伸びている。

エアポケット化していた賃貸業界の川中。そこにビジネスチャンスを見出した ビジネスアイデア発想のきっかけ

20150226-2株式会社セイルボートの代表取締役を務める西野量氏。リクルートでビジネスのノウハウを習得し起業した。

キマRoom!のビジネスアイデアを思いついたのは、リクルート時代に地元の広島で不動産売買の広告営業を担当するなかで、地場業者が提供する売買の業者間流通のシステムがきっかけだ。このシステムは使い勝手の良さと汎用性が評判で、様々な不動産業者から支持を集めていた。

実は西野氏の創業した当初の事業は、業者間流通ではなくリノベーション関連だった。しかし、事業を進めていく中で、リクルート広島時代にみた、あのシステムのような仕組みが賃貸業界に存在しないことに気づく。そして、新たな可能性とビジネスチャンスを見出し、キマRoom!の構想に思い至ったのであった。

また、同システムに事業シフトしたのには、もうひとつの理由があるという。

「広告コストについてです。ずばり、広告を打ちたい不動産業者はいません。皆、売るための苦肉の策として広告を用います。これはすべての業界でも言えることだと思いますが、ことさら不動産業界に関して広告コストは莫大な額なんですね。ただ、売れない理由を紐解けば、広告の有無ではなく結局は業者間流通がどのくらい整備できているか。その実感は営業職当時からありましたし、一方で賃貸業界には業者間流通のいいシステムがなかった。これは、イノベーションを起こせると確信しました」

ここで興味深い話をひとつ聞いた。それは賃貸マーケットの変遷である。近年まで賃貸の管理会社は仲介も担っていた会社が多かった。つまり、利益は物件家主と借り手からの手数料両方となる。この頃は業者間流通の重要性は高くなく、REINSがあれば間に合っていたのである。しかし、よく駅前に見るようなフランチャイズの賃貸会社が多く存在する昨今では、街の一角にある管理会社まで足を運ぶ人は減少。管理会社としては、借り手からの利益を失ってでも仲介会社と連携することが重要となっていった。そこで、REINSのニーズが高まるわけだが、いかんせんリリースされて20年以上のシステム。UI/UXともに使い勝手良好とは言えない。さらに、賃貸専用ではない。しかし、時代は否が応でも業者間流通を求める・・・。この賃貸業界が抱く課題と希求にしっかりとフィットする形で、キマROOM!はリリースされたのであった。

確たる自信を持ち市場へ同システムを投下した西野氏であったが、目下の事業運営に注力するあまり、当初は将来展望を考える余裕がなかったという。

「会社としての転機は2013年ですね。それ以前は私1人で運営していましたが、もう猪突猛進という感じでした(笑)。その年には、2人になり、広島県が主催するベンチャーサミットのビジネスコンテストでインキュベート賞とオーディエンス賞を受賞したんです。これは私にとって大きなことでした。当初から事業は自信があったものの、展開しているのは地方都市。田舎侍のベンチャーです(笑)。でも、賞を受賞し、そのときにサムライインキュベートの榊原さんとお会いできたことで視野が一気に開けました。当社は2014年の3月に外部資本を入れ、5月に東京に本社を移したのですが、今振り返れば当時のことがすべてきっかけになっています」

現在は、広島支社にシステムの開発・運営機能を、東京本社に営業機能を置く同社。スタッフも総勢14人を数えるまでになり、着実に成長を続けている。

各エリアでの圧倒的なシェアの獲得をめざす!! 賃貸業界すべてを包括するサービス展開も将来の視野に 将来への展望

セイルボート社が目標に据えるのは、全国に12万を数える宅建業者の5割、約5万のシェア獲得。近い未来の達成をめざす。そのため、プロダクトノウハウの蓄積と営業力の強化を急務として、各地域エリアで圧倒的なシェアを獲得すべく強固な事業基盤の整備を進めている。

今後の課題として挙げられるのは、各エリアに適した戦略。現在同社は3エリアでの展開をしているが、例えば広島での戦略が首都圏で通用するとは限らないという。つまり、各エリアに対してのリサーチおよびローカライズが事業拡大への鍵を握ると西野氏は話す。

「広島の宅建業者は3000。首都圏は35,000で、広島の約10倍以上です。だからといって事業体制もそれに伴い倍々というは、非現実な話です。簡単に言えば局地戦なんです。エリアエリアで戦い方が異なる。それが人的リソースなのか、またはノウハウなのか等々を見極めていかなければいけないのが、この事業の一番の難しさですね。しかし、そこを突破できれば事業は確実に大きく成長します」

また、将来的なビジネスビジョンとしては、業界の“ど真ん中”事業のノウハウを生かし、川上・川下の領域に対してもイノベーティブなサービスも展開していきたいと意欲を見せる。

取材の最後に、大切にしているモノ・コトを西野氏に聞くと、「信じることは希望そのもの」という返答をいただいた。セイルボート社が信念を持ち展開する事業は今、賃貸業界の新たな希望として広まろうとしている。

株式会社セイルボート
代表者:西野 量氏 設立:2010年12月
URL:
http://intro.kimaroom.jp/
スタッフ数:14人
事業内容:
賃貸業者間流通システム「キマRoom!」の運営

当記事の内容は 2015/3/10時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

この記事の執筆者

ドリームゲート事務局
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取材・文:ドリームゲート事務局 起業・開業・独立・ベンチャーの悩みに、専門家がお答えします。無料なのでお気軽にどうぞ。

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