開始3か月で大手企業が続々と依頼。革新的な市場調査がスタート「Mycomment(マイコメント)」

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執筆者: ドリームゲート事務局

年内にはモニター会員が1万人突破。市場調査業界を革新する新サービス!
展開している事業内容・特徴

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Mycomment(マイコメント)とは、消費者が、商品・Webサイト・店舗や施設・スタッフなどを評価(調査)して報酬を得ることができる新しいサービスだ。2011年7月中旬にサービスを開始したが、開始3カ月足らずで、すでにモニター会員数(調査を行う一般消費者)が5000人を突破しており、年内には1万人を超える勢いだ。

企業がマーケティングで必要なデータを集めるためには、市場調査会社などに依頼してホームユーステストなどの従来型調査や、ネットアンケート調査サービス、覆面調査(ミステリーーショッピング)などのネットリサーチを行うことが多いが、Mycomment はその両方の特性を持ち、なおかつクラウド型のサービスとして高い評価を得ているのだ。その証拠として、大手食品メーカーなどからの調査依頼を受注している。

Mycommentが注目されている理由は、調査の品質が圧倒的に高いことにある。マーテケィング調査では、できるだけバイアスのかかってない意見、実際に商品やサービスを購入したうえでの評価が望ましいが、従来のアンケート調査では、この点のクリアが難しかった。旧来型のアンケート調査は、年代や職業、所在地で絞ったリストに一律の質問を投げかけるだけで、実際にその企業の商品やサービスを利用したかは証明できないことが多かった。しかし、Mycommentでは、アンケート調査に参加する調査会員が、対象の商品やサービスを利用した証明として、写メールなどで撮影したレシートや商品の写真を送るというルールがあるのだ。

また、調査会員は、事前審査に合格しなければ調査に参加できない仕組みも取り入れており、審査はMycommentの各調査のサービスマニュアルをよく読まないと合格できないようになっている。こうして調査の質を担保することで、非常に精度の高い結果が得られるというわけだ。

また、さらに調査の質を高めるために、調査会員を「ランク」付けしていて、良質な調査やコメントをすればするほど、ランクが上がっていくシステムになっている。ランクが上がれば、報酬額もアップするので、モニター会員が真剣に取り組むほど得をする仕組みなのだ。

この会員に対する評価は、実は調査を依頼する企業側の担当者が行っており、実際にマーケティングデータとして参考になるコメントがあれば、それがモニター会員の評価に反映されるようになっている。。

調査の報酬は「ランク」に応じて1回あたり数百円~5000円程度。調査会員のモチベーションを高めるさまざまな施策によって、従来のアンケート調査などから寄せられるコメントに比べて、3倍以上の文字数になるという。

もうひとつのユニークな仕組みを紹介しよう。依頼企業側は専用の管理画面を通じて調査結果を社内で共有することができる。そして、気になったコメントには「きづき」というチェック(facebookのいいねボタンのようなもの)をつける。この仕組みによって、企業内で前向きなディスカッションが生まれる確率を高めているのだ。

さらには、特定のコメントをつけたモニター会員には直接企業側からメッセージも送ることができ、ダイレクトな追加ヒアリングの調査も可能。

そのほかにも、管理画面で各種の分析や調査結果の生データの取得、モニター会員を数人入れたチャットによる「グループインタビュー」機能などラインナップ。こうしたサービスをクラウドとして提供することで、これまで最低でも百数十万円はかかっていた調査を半分以下のコストで行うことができるという。圧倒的なコスト競争力である。

3つの新規事業を立ち上げた男。満を持して勝負に出る。
ビジネスアイデア発想のきっかけ

Mycomment2Mycommentを運営している株式会社リサーチ・アンド・イノベーションは、2011年4月15日に創業したベンチャーだ。創業者の中岡邦伸氏は高知出身で、大手電機メーカー関連企業で11年間、カスタマーエンジニアとして働いていた。中岡氏は顧客からの信頼も厚く、指名で商品購入の相談が入るなど、社内でも成績優秀な社員だった。大企業ならではの福利厚生や研修制度なども充実していたが、中岡氏はそんな順風満帆なサラリーマン生活を享受しながらも、「自分で何かをしたい」という思いが日に日に強くなっていったという。

その後、起業に踏み切るまでに2年も悩んでいた中岡氏。決断のきっかけとなったのは、同郷の知人が有名な起業家として活躍しており、彼とたまたま再開した際に、新規事業への参画に誘われたことだという。

その誘いを受けて勤務先を退職し、著名な経営者数名が参画した新会社に転職。そして中岡氏は、1年をかけ、たった1人で10数名の組織にまで育て上げた。その後、世界最大のミステリーショッピング会社の日本事業の立ち上げに2年半携わり、次に、有名なSEO会社の経営者にヘッドハントされ、その会社でも顧客満足度調査の新規事業を立ち上げて成功させた。そんなプロセスの中で、人脈やノウハウ、自己資金を確保し、2011年、念願の起業を果たした。

Mycommentのサービスは、中岡氏が過去2社の事業立ち上げの中で、業界の問題点を解消するサービスを考えつづけた結果であり、スタート時から非常に洗練された設計となった。

そんな洗練されたビジネスモデル以外に、Mycommentがスピーディーに事業を軌道に乗せた秘密は、創業メンバーにある。創業メンバーは中岡氏とエンジニア、デザイナーの3名。中岡氏いわく「サッカーで言うフル代表ですよ(笑)」というだけの事はあり、それぞれ業界トップクラスののスキルを持つ人材。開発はその2名に任せて、中岡氏はサービスの設計、営業、会員獲得に集中したという。

MycommentはTwitterやFacebookのアカウントがあれば簡単に登録できるが、主な会員獲得はリスティング広告を活用している。中岡氏の前職がSEO会社だったこともあり、検索エンジンの活用はお手の物。成果の高いキーワード選定を徹底的に行った結果、5000人の会員獲得にかかった費用はわずかだという。

さらにユーザーにできるだけストレスを感じさせないシステムの使い勝手の良さ、モニター調査という敷居を感じさせない今風のWebデザインなど、ユーザビリティに対する細部へのこだわりも成功の秘訣だろう。

起業で一番苦労したことは資金面だったという。自己資金300万円で起業したが、自分を含め3名分の給与や開発機材の購入ですぐに資金が足りなくなり、運転資金は受託案件や借り入れでまかなっている。しかし、2012年3月には短月黒字の見通しも立っており、スタッフも2012年には14名程度の体制にする計画だ。

市場調査事業で世界に打って出る。5年後には年商100億円へ!
将来への展望

圧倒的なコスト競争力で市場調査業界に参入した同社だが、従来の調査手法では取得が難しかったデータも、Mycommentなら簡単に低コストで取得できるという。

例えば、各家庭でカレーを作る際の、具材の切り方や大きさなどの調査も可能。「最近は、ニンジンは小さめ、ジャガイモは大きめ、ナスは輪切りが好まれる」といった嗜好情報が高い信憑性で調査できれば、食品会社の商品開発にとって貴重なマーケティングデータになる。

市場調査のマーケットは国内だけで1800億円といわれている。「5年以内にはその10%のシェアを獲得する」と中岡氏。さらに国内だけでなく、世界中で使われるサービスとしてMycommentを育ていくのが目標だと語ってくれた。

株式会社リサーチ・アンド・イノベーション
代表者:中岡 邦伸 設立:2011年4月
従業員数:5名(社員4名、アルバイト1名) URL: http://mycomment.jp/
メッセージ
かつて、旧来型のリアルだが手間のかかるリサーチが、インターネットを活用したリサーチに押されてしまった様にリサーチにもさまざまな歴史がありました。しかし、それによって失われた「良さ」も少なくありません。私はインターネットは単なるツールに過ぎないと考えます。これからはリアルとインターネットの最適な融合が重要です。実は現在のMycommentは私の中では事業全体の2割に過ぎません。残りの8割が完成した時には日の丸を背負って世界に挑戦状を叩きつけたいですね。

当記事の内容は 2011/11/1 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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