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100種類もの香りでお客を引き寄せる。ドトールやキオスクも採用した「匂いの販促サービス・ZaaZ(ザーズ)」

執筆者:ドリームゲート事務局
更新日:2013年11月12日

匂いで注意喚起を起こす! 月額1万9980円から使える販促ツール 展開している事業内容・特徴

zaaz1焼きたてのパンの匂いや、焼き鳥のタレの匂いに誘われて、思わずお店に入った経験がある方も多いだろう。飲食店や小売店などの実店舗において、匂いはお客の注意を引き寄せる重要な宣伝材料だ。

しかし、焼き鳥屋のように常に調理をしていて匂いがでるものであればよいが、例えばパン屋などはパンが焼きあがった直後にしか、強い匂いがでない。匂いでお客の興味を引くためだけに、ずっとパンを焼き続けるのは当然だが非効率である。

そんな匂いを用いた販促を手がけるベンチャーが、今回紹介するザーズ株式会社だ。同社では匂いの持つ販促効果、集客力に着目し、匂いを常に出し続けられるマシンを開発した。その名は、匂い販促サービス「ZaaZ(ザーズ)」。月額1万9980円~(2年契約の場合)というリーズナブルな価格で、匂いの販促が行える。

仕組みは簡単。同社の開発した「ZaaZ」というマシンを店頭や店内に設置するだけ。マシンのサイズは机の上にも置けるコンパクトなもので、マシン内に匂いの元となるボトル(同社ではENERGYと呼んでいる)を差し込んでスイッチを入れると匂いが発生する。

匂いはミスト状態で発生し、強さもコントロール可能。マシンの稼働音も、店内でBGMを流していれば聞こえない程度で、屋外であれば雑踏の音に紛れて気にならない。匂いの種類は約100種類。マシンと匂いはすべて自社で開発している。

例えばどんな匂いがあるかというと、「青山のパティシエがつくったマドレーヌの匂い」 「一人暮らしのおねえちゃんが作ってくれたやさしい味のカレーの匂い」「バナナの葉で軽くローストしたココナッツの匂い」 「ふわふわの厚焼き玉子を口に入れた瞬間に広がるかつおだしの匂い」などなど、ユニークなネーミングも秀逸だ。

取材時に、「お肉のたっぷりはいったミートソースの匂い」の匂いを嗅がせてもらった。スイッチを入れるとすぐにおいしいミートソースの匂いが漂ってきて、まるでイタリアンレストランにいるように気分になり、正直、かなり食欲をそそられた。空腹時だとちょっとたまらないだろう。

ちなみに「青山のパティシエがつくったマドレーヌの匂い」はバター系の焼き菓子の香りで、お菓子メーカーのヨックモックの販促にも使われている。

また、ドトールコーヒーでは、「ホイップにキャラメルソールがかかったコーヒーの匂い」を販促に使用したり、クロックスというシューズショップのバレンタインシーズンの販促では、ターゲットである女性の気を引くために「夕日の差し込む教室で、はじめて渡したバレンタインチョコレートの匂い」を使っている。

また、東京・柴又にある「寅さん記念館」というミュージアムでは、各ブースごとに匂いを設置。例えば、インク屋ではインクの匂い、だんご屋ではみたらしだんごの匂いといった具合だ。

ザーズ株式会社の代表である川口健太郎氏によれば、匂いの販促において重要なのは、ファーストインプレッションを喚起させることで、必ずしも商品の匂いをそのまま使用することがベストとは限らないという。例えば、カフェではコーヒーの匂いを使用するよりも、あえてサイドメニューであるトーストの匂いを出したほうが客単価が向上するそうだ。

匂い販促の料金プランは1年契約と2年契約の2種類。2年契約の場合は月額1万9980円。日割りに換算すると1日660円になる。仮に飲食店で客単価が1000円とした場合、原価が約3割として粗利益がだいたい660円。つまり匂い販促を使って1日1人以上の集客が見込めれば元はとれるという試算。

基本契約では300mlのボトル一本がついてくるそうで、それだけで2週間から1カ月は持つ。効果が上がれば匂いを強くして、ボトルが足りなくなれば追加で購入できる。

学生時代、スーパーの試食やパソコン店頭販売実績で日本一に!
試行錯誤して気づいた販促のポイントを武器に起業 ビジネスアイデア発想のきっかけ

zaaz2川口氏が起業するきっかけは高校時代にさかのぼる。高校2年生の時にメンズ向けのネイルアートを独学で勉強して友人相手に試していた。なぜメンズ向けネイルアートに注目したかというと、世の中が全般的に中性化(女性が男性的になり、男性は女性的になる)しており女性向けのネイルを男性相手に(アレンジして)行えば流行ると考えた事と、また国内のメンズネイリストは20~30人(当時)ということもあり、4歳からはじめた絵のスキルを活かして高校生からネイルアートをはじめたら、日本一のネイリストになれると思ったからだ。

実際、大学生になってからは本格的にネイリストとして仕事を始めた。メンズネイリストが少なかった事もあり、結構な稼ぎになったそうだが、客単価はせいぜい1、2万円。1人に1、2時間はかかるので1日に4人が限界。ゆえに1日の売り上げは最大でも8万円。もっと大きな事業がしたいと思い、ネイリストの道はやめて、大学生の後半から別の事業を考え始めた。

スーパーの試食販売員や家電量販店でパソコン販売員のアルバイトもしていた川口氏は、どうやれば売り上げが増えるかを常に考えていた。そんななかで、最も効果的だったのが声の大きさ。カラオケで18番の歌を歌うくらいの大きさで声を出すと、売り上げが上がった。また、PC販売の場合は、PCに詳しい親戚の息子がおじさんにPCをオススメするイメージで、親近感をもって話すことを意識した。

PC販売時代の最高成績は販売達成率1200%。つまり、12人分の成績を1人で出した。また、試食販売員でり最高成績はアイドルタイムに入る前に、倉庫中のトンカツ1000個を完売した。一般販売員の4倍以上という成績を達成していた川口氏は、その成績を担保に個人契約を提案。時給は3000円ほどになったという。

ZaaZ事業のキッカケは、ダーウィンの『種の起源』を読み考え付いたという「オリジナル論」。ビジネスの根幹(オリジナル)は、人間の感情が動いたときだと感じた。突き詰めれば、どんなビジネスであってもお客の注意を引き寄せることが重要。「人間の感情が動く」ことには大きなビジネスになるのだ。

人間には五感がある。そして例えば視覚ではメディア産業が、味覚では飲食業が、触覚では美容やマッサージなどが、聴覚では音楽が大きなビジネスとなっている。

では嗅覚とは何だろうと考えた時、お香、香水、アロマテラピーなどのBtoC事業はあるが、匂いに特化したBtoBがないことに気づいた。そこでどのようにしたらこの市場を切り開いていけるのかと考え、「いろいろな食べ物の匂いが出るマシン」という構想が浮かび上がってきた。

これは事業になると考えた川口氏は、匂いの出るマシンの開発を開始。ちなみに大学は経営学部だった川口氏は機械については素人。しかし、独学で設計などを学んで匂いを出すマシンを完成。製品名は「ZaaZ one(現製品はZaaZ 2)」そうして大学在学中の2009年10月に起業し、匂いの販促事業を立ち上げた。

ありそうでなかった匂いの販促サービスはすぐに反響を呼び、ドトールやキオスクのような大手チェーンや、「寅さん記念館」といったミュージアムからも引き合いが届き、順調なスタートを切った。また、ビジネスのユニークさにも注目が集まり、日本大学大学院(MBA)から特別講師の依頼も。ちなみに、川口氏は日本大学大学院の最年少講師となった。

やりたいことは匂いの販促だけでない。空中をテーマにした事業も構想中! 将来への展望

川口氏の事業理念の根底にあるものは、21歳の頃に読んだ、ダーウィンの『種の起源』にある。この本にインスピレーションを受けて、「オリジナル論」というロジックを考案。一言で言うと「オリジナルこそが、万物において最大の優位性を持つ」ということ。

例えば、ピカソの絵をゴッホが模写してもピカソのクオリティには届かない、ビートルズの曲を有名なバンドがコピーしてもビートルズの壁は越えられない。ビジネスにおいても同様で、オリジナルを行うのが最も強いという考え方だ。

そんな川口氏にこれからの展望を伺ったところ、「イメージは、太陽系」という回答が返ってきた。現在手がけている「匂い事業」は1つ目の惑星で、次は空中に特化した事業を構想しているという。そういったいくつかの惑星が連なった状態を引いたアングルで見て、全体のイメージが太陽系になるような会社をつくっていくということ。

ちなみに、「空中の事業」とは、例えば20mほどの気象観測用バルーンにくす玉をくくりつけ、くす玉のなかに発光体を入れておく。バルーンは上空3万5000mの成層圏まで上がり、リモコンで操作してくす玉を開くと発行体が落下する際に流れ星のように見える。こういう仕かけを、大きなイベント、例えばオリンピックのセレモニーでやりたいそうだ。

また、ショッピングモールの中を飛ぶ、空中広告もつくりたいという。クワトロコプター(4つのファンがつき、コンピュータ制御されたラジコンのヘリのため、空中での安定性がよい)に電子ペーパーをつけて、ショッピングモールの床から3m~5mぐらいを飛ばして空中に動画広告を実現するという構想だ。

現在は、「ZaaZ」事業に集中しているが、いずれはそうした次の展開も行いたいという。取材中、いろいろユニークなアイデアが次々と出てきて圧倒された。今、足りないのは資金と人材。この記事を読んで、彼とザーズ株式会社に興味を持った方は是非アプローチしてほしい。これからどんなサプライズを見せてくれるのか、楽しみな起業家だ。

ザーズ株式会社
代表者:川口 健太郎氏 スタッフ数:1名
設立:2009年10月 URL:http://zaaz.jp/
事業内容:
匂いの販促ツール「ZaaZ」の開発・運営。デサイン、Web制作、アプリ制作受託事業

当記事の内容は 2013/11/14 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

この記事の執筆者

ドリームゲート事務局
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取材・文:ドリームゲート事務局 起業・開業・独立・ベンチャーの悩みに、専門家がお答えします。無料なのでお気軽にどうぞ。

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