経営を成功に導くIT Vol.8 IT投資「5つのオプション」を理解し、収益確保

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
IT投資にも「種 類」があります。それを知れば、IT投資への評価がしやすくなります。実は、金融投資と同じような考え方をすればいいのです。

IT投資効果は見えにくい…

 「どうもITは投 資効果の判断がしにくい」と感じている経営者はたくさんいます。

 確かに、ITへの投資案件は効果予測がしづらいものが多いです。例え ば、顧客情報分析のシステムなどは、そのまま収益に直結しないので効果の度合いを金額ベースで計算しにくいですよね。情報セキュリティ対策にも同じような 側面があります。

 このように評価が難しいところを見て、投資効果の評価を諦めてしまう(または、やったふりをして終わらせてしまう)企 業が結構多いのですが、これは当然、好ましくないことです。

 では、どうすれば評価できるのでしょうか?これにはIT投資の考え方を知る 必要があります。ただし、くわしく説明しようとすると本が1冊書けてしまう位なので、今回はその触りとして、IT投資には「種類」があると いうことをお話したいと思います。

 

IT投資の5つのオプション

  筆者の考えるところでは、IT投資には5つのオプションがあります(いろいろな説がありますが考え方はどれも概ね同じ です)。そして、それぞれで投資効果に特徴があります。つまり、次のようなものです。

(1)ビジネス活用
 自社のビジネスに積極的にITを活用して収益を上げようとする投資。ネットショップを始めたい企業がEC
サイトを構築することは、これに当たります。概して、収益予測は立てにくいです。

(2)情報インフラ整備
 自社のIT活用のために、その基盤を整えるための投資。ネットワーク構築や共通設備への投資がこれに
当たります。収益確保のための基礎で、長期的な観点で見るべき要素です。

(3)セキュリティ対策
 自社IT設備に対する情報セキュリティ対策への投資。収益には直結しませんが、リスクを見誤って投資を
怠れば、企業に大きな損害を与える要素です。

(4)定性的効果
 売り上げ向上など金額で見えるものではなく、顧客満足度向上など定性的な効果を見込んで行う投資。
顧客分析や経営管理システムが該当します。収益には間接的に影響する傾向があります。

(5)業務効率化
 自社の非効率な業務などを改善するための投資。業務を自動化するシステムなどはすべてこれです。
コスト削減効果が見えやすいため、収益予測も立てやすい特徴があります。

  ところで、IT投資はよく金融投資に例えられるのですが、実は上記は上からハイリスク・ハイリターン~ローリスク・ローリターンの順に並んでいます。あく までイメージですが、株式投資~定期預金の順に並んでいると考えるとわかりやすいかもしれません。

 

もしかして「定期預金」だけだったのでは……

 この5つの分類を基にIT投資を 考えて、おカネを投資するときと同じく、自社の収益を増やすにはどうしたらいいかを考えてみてください。

 「定期預金」だけでは、おカネ はあまり増えませんよね。すなわち、今まで「IT投資に効果があったと思えない」という企業は、業務効率化にだけ投資していたのかもしれないということで す。

 このように、5つのオプションを基にして案件ごとにその目的を考えれば、投資の前提を意識できるので評価方針を考 えやすいはずです。投資の分類をあまり意識していなかった方は、ぜひ利用してみてください。

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