経営を成功に導くIT Vol.18 ディザスタ・リカバリの必要性。御社のIT、災害に勝てますか?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
地震列島と呼ばれ る日本。地震が来るとITシステムは止まってしまうかもしれません。そのとき、どうしますか?今回はディザスタ・リカバリというキーワードを通して対策へ の考え方を見ていきます。

ディザスタ・リカバリとは

 ディザスタ・リカバ リとは、日本語で「災害復旧」という意味です。企業社会においてこの言葉は、自然災害や不測の事態で業務が継続できなくなった場合に、あらかじめ用意して いた代替手段や復旧方法によって、業務を回復させることを意味します。
 

 つまり、本来はITに限らず事業全般に対して使わ れる言葉ですが、ことIT分野においては、障害復旧対策を施すことで有事の際にシステムやデータを復旧させることを意 味しています。
 

 日本では地震が多く、企業が集中する関東圏では大地震が来ることが以前より予想されていますね。そのた め、多くの企業で天災に対応するための施策が重要視され、備えが進められているのです。防災計画などはその端的な例ですね。こうした施策のことは BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)と呼ばれています。
 

 どんな小さな会社でもPCを利 用しない会社は皆無かと思いますが、みなさんはディザスタ・リカバリについて意識されたことはありますか?PCや サーバを活用する企業にとって、電子データは知らないうちに最重要な資産になっていることが多くあります。そのデータが失われた時、み なさんは業務が続けられますか?

 

データが消えると大変なことに

  私の会社はとても小さな会社ですが、PCと小規模なファイルサーバをオフィス内で運用しています。

 実は、2007年のある日の午前中、 私のPCが、使用中に何の前触れもなくハングアップしてしまいました。原因はハードディスクの故障でした。ハードディスクというのは、その構造上経年劣化 が顕著に表れる機器で、基本的には消耗品です。つまり、そのうち必ず壊れるものなのですが、私のものは約4年で壊れました。

 ハー ドディスクが故障すると当然、その中に格納されているファイルは読み出せなくなります。当社では共有ファイルはファイルサーバに格納しているものの、私個 人が業務で使用するファイルはすべて自分のPCに格納しており、これらがなければ業務に多大なる支障が出ます。

 大変なことになりましたが、そこは一応ITコンサルタント、 しっかりバックアップを取っておりました。

 当社ではバックアップを日次で3重に取得しています。そのうち2つは専用ソフトによる もの、もうひとつはZIPという汎用の圧縮形式によるものです。専用ソフトで取得する2つは、それぞれ物理的な格納先を変えています。また専用ソフトだけ に頼らないのは、専用ソフトが何らかの理由で使用できない場合に復旧できなくなるためです。

 こうした対策のおかげで、前日の夜時 点のデータに復旧させることができ、ひとまず事なきを得ました。

RTOとRPOを考慮せ よ

 上記は規模が小さい例ですが、システム規模が大きくなれば対策も大掛かりになりますから、それなりの設計が必要です。

  ディザスタ・リカバリ対策の技術にはいろいろあり、何が適切かは企業によって異なりますが、それらを選択する前に設計の段階で意識することは、規模の大小 を問いません。
 

 それは、「何が重要かを見極めること」RTO とRPOを考慮すること」です。
 

 RTOとはRecovery Time Objective、RPOとはRecovery Point Objectiveの略です。前者は「どのくらいの時間内で復旧させることを目標にするか」ということ、後者は「どの時点のデータに復旧させる目標にする か」ということです。これらの目標値は復旧させる対象の重要度で変わり、また厳しい目標にすればするほどコストもかかるこ とになります。
 

 「災害は忘れたころにやってくる」と言います。失ってから嘆いても、顧客は待ってくれません。BCPは企 業にとって重要なリスク管理と捉え、平時のうちにディザスタ・リカバリ対策を考えたり見直したりすることをお勧めします。

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