経営を成功に導くIT Vol.20 中小企業IT経営力大賞から学ぶ実践したい3ポイント

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
企業にとって他社 との差別化は最大の目標の一つですが、IT活用はそれを実現するものです。実は、大企業顔負けのレベルでこの目標を実現する中小企業がどんどん増えていま す。

「中小企業IT経営力大賞」とは

 同賞は、中小企業のIT活用 促進の一環として、経済産業省が2007年度から新たに設けた制度です。つまり、昨年度が第一回ということで、去る2008年2月に大賞3件を含む各賞の 発表がありました。20-1

 それに合わせて、応募のあったIT活用企業の中から、業務 全般にITが効果的に活用されている企業139社を「IT経営実践認定企業」に認定しています(受賞企業にご興味のある方は、コラムの最後をご覧くださ い)。
 

中小企業でもここまでできる!

 各賞を受賞した企業を見ます と、概ね従業員が数十~200名以下、売上高は数十億円規模の企業が多数を占めています。世間一般にいうところの「中小企業」です。

 筆者 個人の実感としては、こうした規模の企業では、ITベンチャーでない限り、パソコン利用とウェブサイト開設以上のIT活用をあまり必要と感じていないケー スが大半だと思います。

 しかし、受賞企業の事例を見てみますと、その達成レベルは大企業顔負けです。ITでビジネスを成功に導こうと主体 的にアイデアを実現している様子がよく理解できます。筆者はかねがね、「会社の規模を拡大させるつもりなら、小さいうちからよく考えてITを活用するべ き」と申し上げているのですが、それをまさに地で行く事例ばかりです。     
 

「際立つIT活用」のための3つの共通目標

 受賞企業の事例は、このコラムを読んでいるみなさん にとってヒントになる情報が詰まっていると思います。そんな事例からは、「際立つIT活用」に向けて、企業規模や業種を問わず実践したい 3つの共通目標が見えると思います。それは、次のようなものです。

1.「見える化」

  社内の情報を集約し適切な行動を取るために、経営が見るべき情報を「見える化」することです。当たり前のようですが、「経営が見るべき情報」さえ定義でき ていないケースが多いものです。日本商工会議所会頭賞を受賞した明豊ファシリティワークス(株)など、多くの受賞企業で、業務状況を数字で見て数字で指示 を出し、結果も数字で判断ができるという好循環を生み出しているようです。

2.「情報流通」

  システムがある企業もない企業も、無駄な仕事を生む一因は情報がうまく流れないことです。情報を全社レベルでよどみなく流通させることによって、一気通貫 の業務プロセスを作り上げるのです。大賞を受賞した(株)東洋ボデーなどの、特に製造業では、営業から受注・生産・納品までの一連の業務をすべて情報でつ なげることで、納期短縮・コスト削減・生産効率向上などを実現しています。

20-23.「独自性の追求」

 コアビジネスの部 分には徹底したこだわりを見せ、その部分は自社開発で実現しようとしています。受賞企業19件のうち、筆者が特定できるだけで半数弱の7件が、自社開発シ ステムの活用がカギになっていました。ただし、自社開発がよいということではなく、要はユーザー企業が主体性を持って要求仕様を決めているかが重要です。 事例には表面化していませんが、自社で仕様検討した企業まで含めれば、7件よりももっと増えるのではないかと思います。

 単 に、ベンダーが提案してきたITシステムをそのまま導入するだけでは、「際立つIT活用」にはなかなかつながりません。まず自社にとって 真の「見える化」「情報流通」「独自性の追求」とは何かを深く検討してみれば、魅力のあるIT活用の形が見えてくるのではないでしょう か。簡単ではありませんが、だから「際立つ」のです。

 

「中小企業IT経営力大賞」の発表について
http://www.meti.go.jp/press/20080212001/20080212001.html

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