経営戦略 Vol.38 「iPhone」日本上陸!ソフトバンクとドコモの違いに迫る!

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
いよいよ7月11日(金)に、あの「iPhone」が日本上陸します!私も注目していた日本でのビジネスパートナーは、とうとう「ソフトバンク」に決まりましたが、ライバルのNTTドコモも、交渉をあきらめていないと発言。私はこの動きを見るなかで、両社のビジネスに対する考え方の違いを明らかに感じてしまいました。

人気の「iPhone」 いよいよ日本上陸!

 米アップル社の携帯電話「iPhone」が、いよいよ7月11日(金)に日本にも上陸するとあって、このところ各メディアにも頻繁に取り上げられています。昨年、アメリカで発売された折には、私のブログでも取り上げたのですが、私も注目していた日本でのビジネスパートナーは、とうとう「ソフトバンク」に決まったというわけです。

 事業契約にあたっては、「ソフトバンクは、アップルの言いなりだった…」などと噂されていたり、ライバルである NTTドコモ側も「iPhone」は魅力ある商品。(自社販売を)あきらめたわけではない」とし、引き続き米アップルと交渉する構えを見せているようですが、私はこの動きを見るなかで、ソフトバンクとNTTドコモのビジネスに対する考え方の大きな違いを感じてしまいました。たとえ同じものであっても、右から見るのと左から見るのでは大きな違いがあるように、同じビジネスをしていても、その捉え方によっては、まったく違った展開になってしまうものなのです。

 経営には、「外せないポイント」があるものです。ここで経営判断を間違うと、その後いくら後悔しても、決して取り戻せないような瞬間があるのですが、この「iPhone」に関しての一連の争いは、まさにその瞬間だったように感じられてなりません。

 

「インフラビジネス」における勝利の方程式とは

 世間の噂どおり、米アップルが提示してきた契約条件は、かなり厳しいものだったことは想像に難くありません。ごく一般的な経営判断(「採算」を重視するやり方)では、「NO」と言わざるをえないような内容だったのかもしれません。

 しかし、ソフトバンクは、たとえすべての条件をのんでも「勝つ」ことにのみこだわり、結果、新規契約者の場合「2万3千円」という、驚くべき価格での販売を可能にしたのです(*^^)v。 どういうことかというと、この端末自体の価格は、8ギガのタイプで6万9120円、16ギガのタイプで、8万640円もするのですが、24回の分割払いで購入すると、毎月の料金が割り引きされるという同社のサービスプランを活用することで、本体部分の実質負担額が、8ギガで2万3040円、16ギガでも3万4560円になるというわけです。同社がこんな苦肉の策を講じてまで、「iPhone」の販売権を手にしたかったのは、これが新規ユーザーを増やす、格好のチャンスであると思っていたからに他なりません。

 

 

 電話事業を始めとする「インフラビジネス」では、「マス」を取る以外、勝利の道はないのです。極端な話、どんな手を使ってでも、「ユーザー数首位」を目指すしかありません。ここをしっかり見据えているかどうかで、経営判断もまったく違ったものになってくるというわけです。

 携帯電話事業を、「通話料」で収益を上げるビジネスと捉えるか、それとも、「マス」を取ることによって、結果的には「コンテンツ提供料」で収益が上がること目指しているかの違いです。後者の場合、はじめから通話料で儲けようという気がないのです。

 

その経営判断が今後の勝敗をどう分けるのか!?

 そんなことを考えていたら、思わず「新聞販売店」ビジネスの話を思い出してしまいました。ご存じかもしれませんが、新聞に折り込みチラシを入れようとする場合、チラシを提供する企業は、どこの販売店に自社のチラシを入れるかを、自由に選べるようになっています。企業は、地域性などを加味して選ぶわけですが、販売店は、チラシ折り込みに際し、1枚何銭という手数料をとります。

 ということは、その地域で「マス」を抑えている販売店には、当然、手数料が多く入りますから、経営も断然楽になるというわけです。それこそ、新聞購読料を1ヵ月タダにしても、契約者を増やせば、十分元がとれる場合もあるでしょう。

 

 

 私には、携帯電話のビジネスも、これとまったく同じ構図に見えます。従来の体質から、通話料収入を軸にしたビジネスモデルを捨てられないNTTドコモと、通話料を度外視してまで、「マス」を取りに行くソフトバンク、その経営判断の違いが今後の勝敗を大きく分けると私は見ています。「iPhone」のニュースをこんな切り口で見ている人はあまりいないと思いますが(笑)、世の中から経営のヒントを掴むとは、まさしくこんな感じです。ぜひ参考にしてください(@^^)/~~~

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