経営戦略 Vol.61 仮想空間ライブが収益を生む!? 「ピグドーム」のしかけ

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

サイバーエージェントが運営するアメーバピグ内に開設されたイベントエリア「ピグドーム」が盛り上がっているようです。なぜ、人はネット上のイベントにこうも熱くなるのか!?  そこに見え隠れする、今どきの消費者心理を検証してみましょう。経営者は常に消費者心理に敏感でなくてはいけません。
 

今、ネットの仮想空間で行われるライブが熱い!?

 

ライブイメージ今年(2010年)6月、サイバーエージェントが運営する内に「ピグドーム」が開設されたのをご存じでしょうか? 「ピグドーム」とは、インターネットの仮想空間を使って、ライブイベントが楽しめるエリア。そのこけら落とし公演では、アイドルグループのAAA(トリプル・エー)がライブを行ない、大いに盛り上がったようですよ(*^_^*) 
このライブ会場に入るには、チケットの代わりに300円のTシャツを買う必要があったのですが、1万枚近く売れたといいますから驚きです(@_@;) 単純計算すると、この仮想空間が300万円近い売り上げを挙げたってわけですが、Tシャツのほかにも、AAAのオリジナル・ピグアイテム3種類も販売したようですから、実際にはもっと稼ぎ出したことになります。
 なんでも、AAAのライブでは、ファンが曲に合わせてタオルなどを振り回すのが“お約束”になっているそうですが、自分のアバターにタオルを持たせている人もチラホラいたようです。今後、こうした「コンサートグッズ」などを充実させていけば、「ピグドーム」はますます“稼げる空間”になるわけですね。
 

空間を超えた盛り上がりとファン真理

 

それにしても、1万人近いファンが仮想空間に集い、盛り上がるのはスゴイですよね。この日のイベントでは、実際に行なわれたライブイベントの映像の一部を動画配信したようですが、盛り上がりに拍車をかけたのは、なんといってもライブ中にアーティスト本人のピグ(アバター)が登場したことです。
 ファン同士の交流に加え、アーティスト本人(見えるのはアバターですが)と、ライブ映像を一緒に見たり、リアルタイムでチャットしたりできるわけですから、ファンとしては熱くならないわけにはいきません。
「みんな盛り上がっていこうー!!」と、AAAメンバーがパソコンに打ち込むと、画面のアバターに吹き出しが現われ、数秒後にはファンの「いぇ~い!」といった吹き出しで画面が埋まる様は、ちょっと妙な感じもしますが……(笑)。メンバーと直接リアルタイムで「つながってる」楽しさは格別なものがあるのでしょう。  実際の舞台裏がどうなっていたかというと、都内の別室で、AAAのメンバーたちがパソコン向かい、スタッフの読み上げるファンからのコメントに必死で答えていたそうですよ!(^^)!
 

仮想空間の持つ可能性は大きい

 

サイバー空間イメージ運営会社であるサイバーエージェントは、この「こけら落とし公演」の盛り上がりを受け、「今後はメンバーが実際に操作している映像も同時配信するなど、ファンとより一体化できるライブに進化させたい」と考えているようです。
 ネットの世界では、「やらせ」や「なりすまし」のような行為がバレた瞬間に、ユーザーはザーッと引いていきますから、今後の仮想空間ライブの成功は、「本人とリアルタイムでつながっている証明を同時に提供していくこと」がキーになるかもしれませんね。つまり、今後の運営の仕方によっては、リアルなライブを超える楽しさをファンに提供できる可能性もあるわけです。
こう考えていくと、ライブやコンサートに限らず、実在のリアルな空間に「人を集める」ことの意味が、根本的に変わっていく可能性さえ感じます。たとえば、企業の新製品発表会や各種セミナーなども、仮想空間を使ったほうが効果が出る時代になるかもしれません。たとえばアバターを使って開催する株主総会が行われるようになったらどうでしょう? 想像しただけで、ちょっと面白いですよね。
 それはともかく、時代のスピードは加速する一方ですが、経営者たるもの、常に“ミーハー心”を忘れずに、世の中の消費者心理を常にチェックしていきましょう(@^^)/~~~

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