アフィリエイトサイト買収特有の問題点に気をつけろ

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

なぜサイトを買収しようと思ったのですか?

 自社で媒体を持ってみたいと思っていました。自社でゼロからつくると、サイト構築や会員獲得などでお金がかかると思ったので買収しました。初めて買収したサイトは、モバイルのポイントサイトです。

 現在経営しているのがアフィリエイト会社なので、ユーザーを1人集めるのにお金がかかるのはよく理解しています。であればサイトを買収して「時間を買う」という意味でもよいと思ったからです。

 

なぜそのサイトを買収しようと思ったのですか。?

 システム(ASP)がよかったこと、会員がいたこと、サイトのコンセプトがよかったということで、本業とのシナジーが生まれそうだと考えたので、このサイトに決めました。

 弊社はアフィリエイト会社なので、自社の媒体に広告を掲載し収益をあげたいです。ですので、そのような媒体を持つために買収を検討しました。

 

サイトの買収が決まったとき、どのような気持ちでしたか??

 2週間で決まったので、「自分なりにすごい早いな」と思いました。しかし、気がついたことや困難が買収した後から出てきてしまったのです。その時「もっとちゃんと確認しておけばよかったな」と思いましたね。

 

具体的には、どのようなことだったのですか??

 買収した後に「負の遺産」というか、問題が出てきました。買収したポイントサイトの、過去の会員が貯めていたポイントの引き継ぎをきちんと確認しなかったのが問題でした。新サービスのよさを知った会員が突然アクティブに行動しだし、いっせいにポイントを換金し始めるというできごとがありました。
 

 具体的には、あるユーザーが私がサイトを買収する前に3000ポイント保持しており、5000ポイントで換金したいと思い、残りの2000ポイントを、私がサイトを買収した後に集めました。これまでの会員が保持しているポイントについて考えていなかったのです。

 弊社としては5000ポイントの換金を、わずか2000ポイントで行なわなければならず、売り上げよりもユーザーへの換金額が上回ってしまい、それが全部弊社の負担となってしまいました。

 

「えー!?」って思いました(笑)

 気がついたらそうなっていたので、かなりびっくりしましたね。

 

珍しいケースですね

 当時、成約の段階で、そのような会員がいる認識はありましたけど、そこまでミイラみたいに起き上がってくるとは思わなかったんですよね。

 他社様の状況を見ていて、売り上げが伸びても、そこまで換金してくる会員は多くないだろうと思っていました。

 しかし、他社様もポイントサイトや懸賞サイトにおいて、昨今そういうケースは多いみたいです。それは気を付けた方がよいポイントですね。

 

どう切り抜けたのですか?

 結局、買収後そのようなことがあったので、過去の会員をどうにかしようと試行錯誤をしたり、社内的にやりくりしたなかで、その半年間はノウハウもかなり蓄積しましたね。

 具体的なことを言いますと、ポイントを現金以外のサービスに交換したりするようにしたりですとか、過去のユーザーで、また前のような換金が増えてしまう状況にならないためにも、ユーザーのメンテナンスなどの管理的な部分の強化を行ったりしました。

 そうすることによって、会員のアクティブ率が高まり、媒体価値はとても上がりましたね。そのほかには、ユーザビリティを考えたコンテンツや見せ方などの試行錯誤をして、最近ようやくよくなってきていますね。

 ここまで来るのに本当に大変でした。
 

懸賞サイトなどを買収する際の注意点は何ですか??

 実際に予想される換金額はどれぐらいなのかを、事前にシステムの管理画面上でチェックすることですね。

 もし、買収した後にプロモーションをして、会員を増やしていった場合に、過去の会員ばかり動いていても、換金ばかりされてしまうので、意味がないと思うのです。

 それは、サイトの評価上の問題だと思いますので、評価対象として考えておいた方がよいですよね。懸賞・ポイントサイトでしたら、どれぐらいポイントが貯まっているのかですね。
 

サイト買収をしてみて感じたことは何ですか??

 自分たちで何とかできるというシミュレーションを立てて購入した方がよいと思います。

 売りたい人は、もちろん儲かればよいなと思い、高い金額を提示してきたりしますし、買いたい人は、すぐ利益が上がるだろう、と売り手と買い手のミスマッチが出てくると思うのです。そのミスマッチをお互いうまく調節すればよいと思います。

 サイトにかかるコストやリスクを重々に考えるということですね。

 

今後もサイト売買をする予定はありますか??

 ありますね。この業界は、市場がなくならないと思いますので、よいサイトがあれば、買ってみたいとは思います。売り手さんがかなり高い金額で提示されるのは、少し怖いですけどね。

 売り上げやPV、会員にしても、きちんと調べないと、高い金額で買ったとしても、何の意味もなくなってしまうのでそういう部分では、かなり怖いです。

 売り手さんは、サイトを売って終わりでもないし、買い手さんも買って終わりではないと思います。売る人にも買う人にも責任があると思うので、売買が決まった後も、相手のことを考えて、お互いにうまくコンタクトをとっていく必要がありますよね。

竹内の「サイトM&A ミニ講座」

 サイトを購入する場合、売り主からは、WEBサイトはもちろん、そのサイトに付随するすべての物を引き継ぐことになります。例えば、ECサイトであれば仕入れ先、広告収益モデルのサイトであれば広告出稿主など、サイトに付随するすべての物が譲渡対象物になります。

 今回のケースでは、モバイル(携帯)のポイントサイトと言うことで、サイト自体のシステム(ASP)がよかったこと、会員がいたこと、サイトのコンセプトがよかったという点、本業とのシナジーがあるということでご購入された案件でした。ところが実際には、目に見ることのできない所謂「負の遺産」も併せて引き継ぐことになってしまい、ご購入当初は相当苦労をされたケースです。

 もともといた会員で当時アクティブでなかった会員が、新サービスがよいということを知り、突然動き出してしまいました。このように、購入時にはあまりに気に留めなかった非アクティブなポイント保有者が動き出したことによって、購入時とは違った予定になってしまい、大変な思いをされたようでした。

 しかし、本購入者様においては、ポイントを現金以外のサービスに交換したりするようにしたり、過去のユーザーで、また前のような換金が増えてしまう状況にならないためにも、ユーザーのメンテナンスなどの管理的な部分の強化を行なうことで対策をとりました。それにより会員のアクティブ率が高まり、媒体価値もとても上がり、さらにはノウハウの蓄積にも繋がった、最終的にはWINのパターンになったケースであると言えます。

 今後、このようなポイントサイトを購入する際に注意しなければいけないポイントとしては、実際の今いるユーザーのアクティブ、非アクティブに限らず、サイトが保有する会員の残ポイントの換金額、実際の換金額はどれぐらいなのかを事前にシステムの管理画面上でチェックするなど、特にポイントサイトにおいてはこのような残ポイントに対する精査がとても重要です。

 サイト売買においては、ポイントサイトに限らず、このような目に見えない注意点をよく見るように留意し、また、仲介会社は売り主への徹底的なヒアリングを行うと同時に、両者WINの関係になるように努める必要があると思います。購入時に今後の運営にあたったコストとしてどこまで読めるかも大事なポイントになってきますので、買ったから終わりではなくて、そういったことも加味して、購入者様で価値向上の運営ができるかというシミュレーションを立てて購入しなければいけない時代に入ってきました。

 サイトオーナー、サイトユーザーともにリテラシーが高まっている現在、サイト売買においては、仲介会社に課せられるミッションもレベルの高い物、デューデリジェンスに関しても、購入者様が納得するような精査など、サイト売買仲介会社に求められるスキル、要望も日々高まって来ています。
 

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