Vol.6 初日が勝負!開店までのスケジュールをキチンと組む

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
お 店を出そうという方で、取り組みはじめからキチンとスケジュールが組めている人は、実は結構少ないもんです。でもある程度計画が進んだ時に一度整理してス ケジュールを組んでおかんと、予定が狂ってきた時にはどうしようもなくなります。工事が終わったのにお金が用意できてへんとか、物件を決めたのはいいけど 設計や工事の業者が決まってへん、ということがないように…。

第1期 コンセプト創りから事業計画まで

 まずは基本コンセプトですね。これまで読んでいただいている皆さんはもうおわかりだと思いますが、まず始めに真面目に取りかかる課題です。「基 本とウリ」が決まったら、ブレることなく目標に向かって突き進みましょう。何度も繰り返しますが、きっちりとした基本コンセプトに沿った、個性ある「ヒ ト、モノ、ウツワ」を創り、それを情報発信していくことが、「流行るお店」創りには不可欠だといえるでしょう。

 次に、具体的なビジネスプランを練っていくと同時に、各種のリサーチを始めます。事業計画を創っていくうちに、物件取得にかかる費用や設計、工事 費用にいくらかかるのかという疑問が出てきます。物件はネットなどで相場を調べたり、実際に不動産屋さんに問い合わせて、相場観を養いましょう。

  また、設計や施工の部分の費用は、物件や業者さんによって大きく変動しますので、前回お話ししたように、一度現場に同行してもらうとか、複数の業者に問い 合わせて、リサーチしてみましょう。資金計画についての詳しいお話は、また別の機会に書くとして、ここでは次に進んでいきます。

 リサーチを進めていくうちに、事業計画書を何度も書き直すこともあるとは思いますが、これは仕方のないことです。われわれデザインの業界では 「企画書はできたその日から腐り始める」というのが常識です。ドンドン書き換えて、ブラッシュアップしていきましょう。この段階では、時には基本コンセプ トすらも書き換えられることも多々あります。

 しかし、とめどなく書き換えていっては、「はて?いったいオープンはいつになるの?」 とい うことになりますので、そういう意味でも開店までのスケジュールを組む必要性があるのです。期限や納期、お金のことが書かれてないという事業計画書では、 それはビジネスではなく、趣味か遊びというものです。少なくとも事業計画書が完成する時点では、スケジュールも決定してしまいましょう。

 

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第2期 決定した事をドンドン進めていく

 事業計画書が一とおり完成したら、いよいよ実行に移ります。融資の申し込みなどの資金調達と平行して、物件を押さえ、各外注業者さんを決定し、具体的なメ ニュー創り、宣伝広告の計画、内装デザイン、各官庁への諸届けなど、スケジュールに基づいてドンドン進めていきましょう。

 この段階で気をつけなくてはならないポイントは二つ。

  一つは、常に資金と照らし合わせながら事を進めていくこと。これは当たり前の事だと言えますが、常に余裕を持って予算を組む事が重要です。また、融資を受 けるとならば必ず決定後に物件は押さえましょう。事業計画ができたと同時に、資金調達を先に行い、物件、設計、広告、工事などへというイメージです。

  もう一つは、コンセプトから外れない事。意外と難しいのはこの点で、外部のコンサルタント、税理士、行政書士、仕入れ業者、設計者、工務店、設備業者、デ ザイン事務所、広告業者、印刷業者など、皆さんの廻りにはいろいろな人とのお付き合いが発生します。みなさんは、その道のプロですから、いろいろなご意見 をいただきますが、この時点ではご参考程度にとどめておきましょう。
 

 コンセプト創りから関わってきたブレーンやアドバイザーの方の意見も含め、いい意見は積極的に取り入れるべきだと思いますが、最終的な判断は起業家であり、経営者であるあなたが決めなくてはいけません。特に一度コンセプトから外れてしまうと、軌道修正は大変です。

 とは言っても、やはり人のやる事。時には後で過ちに気付くこともあるというものです。そうなってしまったら即、全力で修正。もしくは、ある時点に 立ち戻っての再構築です。そのまま進んでしまうと、とんでもないことになる事が多いので、その時は気を取り直して取り組んでいきましょう。

 

第3期 いよいよクライマックスです

 ご近所への挨拶も済ませ、工事が始まると開店準備も大詰めを迎えます。現場に行き、わからないところがないか、図面とおり仕上がっているか、工事 がキチンと行われているかのチェックの傍ら、備品や調理器具、材料の調達へと進んでいきます。チラシや手配りビラ、オープニングスタッフの募集も忘れずに 進めていきましょう。

 そしていよいよ引き渡し検査、待ちに待ったお店の鍵があなたの手元へ渡され、開店準備の最終段階です。各種機器の取り扱い、メニューの試作や、従 業員のロールプレイングなど、通常は合間を縫って手直し工事が行われます。折り込み、ポスティング、手配りなども本格的になり、いよいよ開店間近の空気と なっていきます。

 今も一部では行われているようですが、昔の飲食店は試作メニューなどはお店の宣伝を兼ねて、近所の人たちに試食していた だいてたものです。これに関しては賛否両論あると思いますが、ぜひ行って欲しいと思います。やはり商売の原点は人との繋がりだと思いますので、この場を借 りてお奨めしておきます。

 

そしていよいよオープン当日、勝負です。

 前日から徹夜でそのままオープンした、というお店も少なくはありません。これまでの汗と涙の集大成がオープン当日と言えるでしょう。開店と同時に多くの人がお店に入ってきます。

 まさに、今までやってきた事が実る瞬間です。と同時に、最初の勝負の瞬間でもあります。飲食店の場合、開店時には予想以上にお客様が来られます。お店に入れなかったお客様が帰ってしまう事もあり、そこでの対応もキチンと考えておかなくてはいけません。

  もし、期間限定の割引などをしていれば、チケットをお渡しし、次に来ていただく時にも同じサービスをしましょう。何らかの理由でそれができない場合は同等 のサービスを、それもできない場合はご来店していただいた事に対して、ひたすら感謝いたしましょう。言葉と態度でお客様にはわかっていただけるものなので す。これはお店がスタートし、落ち着いてからもそうだと思いますが、カタチはともかく、今できる事を精一杯やりましょう。その誠意が、きっとお客様には伝 わるものです。

 
 逆に言えば、開店時にバタバタし、メニューもおざなりで、対応もいい加減というお店では、間違いなく失敗します。どんなお店も同じですが、開店時は最大の広告と販促のチャンスなのです。 

 では、がんばってお店を楽しみましょう。「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」

 
 次回はお金のお話。私はドリームゲートではアドバイザーもさせていただいており、創業塾などにも講師として参加させていただいておりますが、その中でも結構相談の多い、「捕らぬ狸の試算法」をお話ししたいと思います。どうぞお楽しみに!

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