飲食店開業:ショップコンセプトの確認

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
飲食店を長く続け ていくためには、自店の強みを生かし、店の売りをつくっていくことが重要です。お客様に飽きられずに、末長く愛される飲食店を続けていくためのポイントを 見てみましょう。

 

お店の「売り」となるもの

 お店の売りとなるものは、店舗内装、デザイン、居心地、接客 サービス、システムそして商品そのもの(メニュー)であり、お客様が求めるものはさまざまです。しかし、店舗の商品として「コア」なものはそれぞれの店舗 の「コンセプト」により変わってきます。最近では、料理は二の次で店舗デザインやサービスのパフォーマンスやサプライズなどで有名になるお店も増えてきて います。しかし、それらはすぐに飽きられるものであり、長続きするものではありません。自店の「売り」を明確にし、今日は「あの店で」、「あれを食べに行 こう」と言われるような人気店になることが皆さんの目標ではないでしょうか。

 

自分の「強み」を磨き上げる

 自分自身や自店の「強み」とは何だろうか?開業時の自己分 析により、自己の棚卸を行い、自己の持っているスキルや経験、資金や人脈など他よりも勝るものはなんだったのか。開業してからしばらくして売り上げの落ち 込みや精神的なものなどで自分自身に自身がなくなる時期がやってきたときに、もう一度自己分析を行い自身の強みを確認すること。

 この「強み」が、起死回生の「売り」になることがあります。開業前の自己の強みが、コンセプトづくりであった人はもう一度作り直してもいいでしょ う。基本的なものを変えることは無くても、見直しや手入れは必要です。社会の変化や環境の変化に敏感に反応していくことは重要です。予想もしなかったこと が起こることもあります。例えば、同業同種の競合店が近所に出店してきたときには当然このようなことを行う必要があります。

 

「強み」をお客様に伝える

 自分の「腕」や「味」に自身のある人に限って、競合店の出店 に弱いものです。「美味しいものさえ出していればお客は来る」と思っている人ほど、自信は崩れやすいものです。時代の流れを理解し、「流行」や「好み」に 合わせることも重要です。価格に対して値打ちのある内容かどうか?お客様が求めているものかどうか?など、自店の商品がお客様から選ばれるものであるかを 常に考えておかなくてはなりません。

 自身の「こだわり」は重要なことですが、お客様が来てくれなければその「こだわり」は無用なものとなります。こだわりは自己満足と裏表であること を忘れてはいけません。

 「美味しいお店」がなぜ潰れるのか?「腕のいい板前の店」がなぜ潰れるのか?それは立地や資金力の問題はあるとしても、実は、「美味しいこと」や 「腕のいいこと」などがお客様に伝わっていないことが大きな原因です。なぜ美味しいのか、それは素材の選び方やどこから仕入れているのか、腕がいいこと、 それはどこのお店で修行をしたとか。このようなことを伝えることは今の飲食ビジネスではとても大切な販促手法です。

 

他店に無いものを絞り込んでいく

 あらゆる業界においていわゆる「絞り込み」と言われる、セグメントされたターゲットのニーズに対して、自店の商品が「ブレ」ていないかを確認する ことはとても重要なことです。飲食ビジネスにおいて、常に顧客ニーズを捉え、求められている商品を提供していくことが繁盛店への重要課題となります。飲食 店舗において、フードメニューにあらゆるジャンルのものを幅広く用意することよりも看板商品を絞り込んで数多く売ることは、ロスも少なくオペレーションコ ストも低くなる訳です。

 新商品開発を自店でゼロから行うことは時間や経費を大きく要します。しかし、全国的に認められ「誰もが知っている」個性ある商品を探し出し、自分 らしく手を加えることで「オリジナル商品」となったものはたくさんあります。それらは決して「物まね」や「模倣」ではなく、商品開発のアイデアをいただくだけ のことです。そして、他にはない「個性的」で「独創的」なオリジナル商品は、他ではまねの出来ない商品へと創り上げていくことになります。

 

メニューの絞込みで差別化を図る

 飲食店のメニューには、「グランドメニュー」といわれる常時提供できる店舗コンセプトを表現しているメニューのほかに、毎日の仕入れにより変化し ていく「日替わりメニュー」があります。グランドメニューは、年間を4シーズンに分けて年間4回は変えて生きたいものです。日替わりメニューはレストラン では「市場メニュー」とも言われ、当然毎日替えて表示することが原則です。お客様には毎日の日替わりの楽しみが利用動機となる方も多いようです。

 グランドメニューはコンセプトに沿った、調理オペレーションにロスの無い食材を用意することになりますが、日替わりメニューについてはその日のう ちに「売り切る」ことが大切です。これが出来ないと、次の日の「ランチメニュー」になったり、その日の「おすすめメニュー」になったりします。このときの 食材の「旬」や「流行」を読み、無駄のない「仕入れ」をすることが経営者や料理長の重要な仕事になります。

 メニューを絞り込み、お客様に求められる商品をいち早く察知し、顧客に提供していくことはお客様の満足を得ることと同時にお店の利用頻度も上がる ことに繋がります。

 

「コンセプトを売る」

 自分のお店は何屋なのか?何を求めてお客様はやってくるのか?それは「味」や「サービス」、「雰囲気」そしてオーナーや店長の「人柄」だったりし ます。これらはすべて、「店舗コンセプト」と言われる、開業当初からのお店としての「生き方」ではないでしょうか。

お店として「生きていく方法」を明確にし、そのお店の「個性」をお客様に伝えることが数あるお店の中で生き残る最善の方法であると思います。

 前文でも言いましたように、コンセプトは「経年劣化」を生じ、時代に合わせて変えていかなくてはいけない部分があります。このわずかなズレを見直 し、修正していくことが「Going Concern」と言われる、企業や店舗の継続経営の基本となります。お店は自分のこだわりやコンセプトだけで開く ことではなく、続けて経営していくこと。それがその地域のお客様から指示される「必要なお店」となります。

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