Vol.2 テレビCMとネット広告との気になる関係

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
最近は、自社の放 映中のテレビCMをWEB上で公開している企業が多いですね。なかには、CMメイキング映像なども見ることができたりして、大変充実している感があり、マ ニアにはたまらないコンテンツになっているとか。逆に、テレビCMが企業や商品の広告戦略の幹を担っていた時代と比べ、テレビ広告の効果が低下していると いう声もよく聞かれます。では、今、テレビ広告をどうしたらうまく活用できるか?

テレビCMを見てない人たち、テレビCMが届かない人たちが増加中

  実は、テレビCM、テレビ広告をめぐる視聴環境が大きく変わってしまいました。例えば、技術の進歩によって、DVD録画ができるプレイヤーなどはCMを飛 ばして録画ができたり、「録って見」といって、録画しながら後追いで必要なところだけ見ることのできる機能が付いてたりします。いわゆる「CMスキップ」 と呼ばれる現象です。さらに、深刻な現象がアメリカでの調査結果からわかりました。それによると、録画されたCMを1度目は見るが、同じCMが放映される と2度目から飛ばしてしまうという傾向があるということです。そうなると、CMは絶えず新しい内容にしなければならず、到底費用対効果に合わない広告手段 になってしまいます。

 さらに、やっかいな問題があります。テレビCMというのは基本的に視聴率を足しあげたGRPという数 値で効果を計り、「率=量」を目安に計画を立て投下します。そこには「質」的な要素を計るものは介在していません。例えば、テレビ視聴をしているのが男性 だとしても、女性用化粧品のCMが流され、そこにも効果があると判断してしまうのが、テレビ広告の課題でした。いや今でも「視聴質」といった問題は解決し ていません。

 また、「ながら視聴」もテレビCMが届かない理由の一つになっています。テレビを見ながら、インターネットを したり、携帯でメールしたり、かつてのようなテレビ画面を家族全員で熟視するというような光景はいまどこの家庭にも見られなくなってきています。実感でき ますよね。そうなれば、CMが訴求したい内容が充分届いているかどうかといえば・・・…。

 

テレビCMの表現が変わってきた

 テレビCMをめぐる問題が表面化してくるに合わせ、テレビCM の表現方法や、その二次的な使用方法も変わってきました。

 まず、表現面では、「インパクト」の強いCMの割合が増したということです。 「インパクト」といっても、方法は多岐に分かれます。最近目立つのが、タレントを使う、それも一人二人ではなく、大量に登場させるというやり方です。女性 化粧品や携帯会社のCMでお馴染みですね。これは確かに効きます。視聴者からのレスポンス率も高く、業績のアップにつながっています。でも、この方法は、 多額の制作費がかかるので大企業しか使えませんが。

 また、次に訴求内容がシンプルになりました。もともとテレビCMという のは、たくさんの情報を一度に伝えられる媒体ではありませんでしたが、スポンサー側からの強い要請により結局はあれもこれも、ということになり、CM自体 の認知度はあるけど、内容の認知度が思うようにのびていなかったりすることがままありました。それが、CMの本来の役目である「単一イメージの伝達」=ブ ランド形成へ回帰しているように思います。例えば、カード会社のCMです。「人生で使えるカード」という単純なコンセプトをストーリー仕立てで構成し、さ らにWEBサイトに誘導するというシンプルな表現は多くの視聴者から支持を得ました。

 

テレビCMはネットCMでもある

 上記のカード会社では、自社のWEB上にテレビCMの続編コン テンツを公開していましたが、今、テレビCMはネット上で再利用するというのが効果的な手法になってきています。インターネットの通信環境も著しく発達 し、CMのような動画コンテンツの展開も可能になってきています。つまり、テレビCMを作るとき、すでにネット広告としての役割を考慮しながら作るという のがポイントなのです。

 テレビ上では、単純なことしか訴求しない。でも自社のWEB上ではその先の回答があるという作り方こそ、今、テレ ビCMが求められている表現方法であり、存在意義なのです。

 起業する方に、ぜひ理解を深めていただきたいのは、テレビCM は15秒もしくは30秒のサイズではなく、その背景に膨大なコンテンツが連綿とつながっているゲートウェイであるということです。

  テレビCMでいいたいことは、一つにして、視聴者である消費者に振り返っていただき、じっくりご挨拶するのはネット上でというくらいの気持ちでCM制作に あたっていただければ、必ず反響の呼ぶCMが作れると思いますよ。

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