Vol.20 マウスイヤーのケータイ歴史を振り返る

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
「マウスイヤー」 の速度で進化を続けるケータイ。「モバイル活用」最後のコラムとなる今回は、「ケータイの歴史」をまとめてみました。

「マウスイヤー」の速度で成長

 インターネットの世界は、成長 度、成熟度の割合が他の業界よりも早いため、俗に「ドッグイヤー」と呼ばれることがあります。犬の1年が人間にとっての7年分に相当することから、進化の 速度をそのように例えられました。

 モバイル業界は、インターネットのそれを上回る速度で市場開拓を遂げており、そのサイクルは驚異的な速 度です。
そのため、最近モバイル業界は「マウスイヤー」であるとささやかれることがあります。つまり、ネズミ の1年=人間の18年というサイクルで変化を続けてきた、という考えです。

 では、そうはいうものの実際にはケータイはどのような足跡をた どり、どのような進化の果てに現在に至ったのでしょうか?
 以下、参考資料としてその主だったできごとを年表形式でまとめてみました。

 

ケータイ年表

1985年 NTT、車外兼用型自動車電話ショルダーホン発売

1993 年 ドコモ、デジタル方式の第二世代携帯電話(PDC)サービス開始→爆発的な普及の礎となる

1999 年 iモード、EZweb、J-skyサービス提供開始→ブラウザフォン時代の到来
1999年 「着メロ」ブーム→公式サイトの黄金期が始まる
2000年 KDDIへの統合によりauブランドが発足
2000 年11月 J-フォン、世界初のカメラ付き携帯を発売
2001年6月 ウィルコム社、AirH"の提供開始
2001年10月 ドコモ、第三世代携帯電話(W-CDMA)のFOMAをリリース
2002年12月 KDDI、着うた配信開始
2003年10月 J-フォン株式会社、ボーダフォン株式会社に社名変更
2004年6月 ドコモのパケ・ホーダイ開始によりパケット定額制が一般化
2004 年7月 モバイルFeliCa搭載端末発売
2005年5月 携帯電話不正利用防止法が施行
2005年10月 ツーカーグループがKDDIと合併
2006年1月 モバイルSuicaサービス開始
2006年4月 ワンセグ放送開始
2006 年10月 ボーダーフォン、ソフトバンクモバイルへ移行
2006年10月 MNP(携帯電話ナンバーポータビリティ)開始
2007年 1月 携帯電話・PHSの契約台数が1億台を突破
2007年3月 イー・モバイルが新規参入
2007年3月 「モバゲータウン」サービス開始後約1年で会員数400万人突破
2008年X月 iPhone日本デビュー??

2010年 第四世代携帯電話、サービス開始予定

 

 以上、駆け足で振り返ってみると、ケータイ が登場して約20年、マウス=ハツカネズミの20日という数字とどことなくかぶりますが、この20年という年月の間で、ケータイは街中の風景や人々の生活 様式など、コミュニケーション文化に革命的な変化を与えました。一方で、ワンギリ詐欺や迷惑メールの頻発、携帯電話不正利用防止法の施行に見られるよう に、社会的弊害も同時に生まれる結果となりました。

 なお、本コラムは基本的にモバイルコンテンツをテーマとしているので、iモードなどの ブラウザフォン登場をスタートラインとして考えると、たったの8年です。この8年で、それ以前は恩恵を受けるのは通信事業者だけで、一般には便利な通信手 段に過ぎなかったケータイが、メディアとなり、販促ツールとなり、ショップとなり、膨大な周辺ビジネスが誕生しました。

 モバイル・コンテ ンツ・フォーラム(MCF)の調査によると、モバイルビジネスの市場規模は2006年時点で前年比29%増となる9,285億円に達しています。
http://www.mcf.to/press/images/2007_MobileContents_market_scale.pdf (PDF)

・・・そう考えると、確かに市場形成プロセスの4段階、導入→成長→成熟→衰退のうち、導入から成長のプロセスはかなり目まぐ るしく感じられます。

 

モバイルビジネスは成 熟期に突入したのか?

 このように急激な変遷ゆえに、「モバイルビジネスはすでに頭打ちで、成熟期に突入している」という意見を毎年聞き ますが、成長率が軒並み30%前後を維持していることを考えると、まだまだ伸びしろがあると考えた方が正しいでしょう。

 しかも、上記の データにはモバイル広告市場やモバイルソリューション市場の数値は含まれていないことを考えると、その裾野はまったくの未知数です。

 ただ し、"ぽっと出"のビジネスモデルでは勝負できない状況になってきているのは事実です。公式サイト華やかなりし頃は、もの珍しさから儲かったモデルでも、 今のようにユーザーの目が肥えてきた状況ではなかなか収益に結びつきません。

 ユーザーのニーズやウォンツをうまく捉え、いかに求められて いるサービスを提供することがでるか、今後はますます勝ち負けがはっきりしてくると思われます。

 

最後に

― ケータイはもはやただの"電話"ではありません。
 ケータイでジュースが買える。
 ケータイで写真が撮れる。
 ケータイで電車に乗れる。
 ケータイでテレビが見れる。
 10年前には想像もできな かった今の私たちのケータイライフがあります。これから10年、20後にははたしてどんなケータイがあり、どのように私たちの生活と密接に絡み合っている のでしょうか?
 サイエンス・フィクションの世界をノン・フィクションに変えたケータイ、今後ますます身近で手放せない存在になっていくことで しょう。

 最後に、これまでコラムをお読みいただいた皆様、執筆の機会をいただいたドリームゲートの関係者にこの 場を借りてお礼申し上げたいと思います。1年間ありがとうございました。

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