Vol.16 公式キーワード検索が与えるケータイサイトの可能性

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
世間の携帯電話関 連話題はすっかり携帯電話番号ポータビリティ制(MNP)に偏ってますが、ケータイWEBを通じてマーケティングをするすべての企業に大きな影響を与える のは、10月から全キャリアでの運用が開始された「キャリア公式キーワード検索サービス」です。

ケータイキーワード検索サービス、始まる

 各キャリアの公式メ ニューページに登場したキーワード検索サービス、もう使ってみましたか?

「そういえば、使ってみたことなかった」

と いうあなた、いますぐお使いのケータイの公式メニューページを開いてみてください。
そして、検索キーワード入力のためのテキストボックス(入力 窓)を見つけてください。
見つかりましたか?

見つかったら、どんな検索結果が出てくるのかを実験してみてください。
た めしに、お仕事に関連するキーワード(業種名、分類カテゴリー名、商品名など)を
入力してみましょう。
一覧にはどんなサイトが出てきまし たか?

検索の結果一覧が「キャリア公式」のサイトだけなら、
カンタンな操作で「一般サイト」(=非キャリア公式サイト)も対象にし て検索できるはずです。
試してみてください。
さあ、今度はどんなサイト一覧が出てきましたか?

表示されるサイトの 一覧(とくに一般サイトの結果)に、もしかすると驚かれるかもしれません。

「このキーワードで、こんなサイトが上位に出て くるの?」と。
この記事を書いている12月現在、さまざまな人気ありそうなキーワードで検索してみているのですが、個人ブログ、あ るいは意図が不明なコンテンツのサイトが上位に表示されるというケースが少なくありません。

キーワード検索のサービスを利用する人は、何か しら目的を持っているはずですが、
その目的を果たせそうなサイトが見当たらないのです。

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  • 詳しい情報を知りたいが、そのニーズに応えるサイトが上位にない

  • 商 品名やサービス名で検索しても、提供企業が発信しているサイトが上位にない

  • 問い合 せ・予約・応募・購入など、アクションニーズを満たすサイトが上位にない

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※ もちろん「全公式検索エンジン」の「すべてのキーワードで」、というわけではありません。
  PC用の検索結果と比較したときの傾向です。

ケータイ検索サー ビス、現在チューニング中?

 どうしてこんな事態が生じてしまっているのでしょう?

まず、検索エンジンのサイト順位決定ロ ジックがケータイWebの都合に対応していないのではないか、
という疑いがあります。
PCインターネット用のSEOノウハウとして、検索 エンジンがサイトを順位付けするうえでサイトの「被リンク数」が
重要な判断材料になっているということは有名です。
ところが、ケータイ WEBではPCのWEBのようには頻繁に他サイトへのリンクを張りません。
そもそもキャリア公式サイトは、基本的に非公式サイトへのリンクが制限 されていますし、
ブラウザのウインドウがひとつしか開けないケータイWEBでは「サブウインドウを開いて、ほかのサイトをちょっと参照」
と いう使い方ができないため、公式・非公式に関わらず、運営者は外部サイトへのリンク設置に慎重に
ならざるを得ません。
PCインターネット では「他サイトからの参照の多い(=被リンク数の多い)サイト」≒「利用価値の高いサイト」
という論理判断が成立しますが、ケータイWebでは少 し事情が違うのです。

逆に被リンクの数が多くなるのは…

  • 運営者がコツコツと複数のランキングサイトに登録している
  • 運 営者がコツコツと相互リンクを働きかけ、それに成功している
  • ブログエンジンを利用したサイトのため、自動的に複数のリンク・被リンク構 造が生成される

といったケースだと考えられます。

検索の結果「こんなの探してるわけじゃないよー」といったブロ グやコンテンツの意図が不明なサイトが上位に表示される事実と符合します。

SEO対策の専門家らからは、ケータイ用検索エンジンの 「順位付け」ロジックが、
いまだチューニング段階にあるようだという証言も聞かれます。

「ケータイ用の検索エンジ ンの運用ロジックは(PCほど)安定していると思えません。
 観測しているサイトの順位が日々めまぐるしく変わっているのです」

検 索エンジン側もケータイWebの実情に合わせた判断基準のブレンドを試行錯誤し、
最適化に努力しているのかもしれません。

それで は検索エンジンのロジックが安定し、それに応じたSEO対策サービスが充実すれば、
キーワード検索結果の一覧に「便利・有益なケータイサイト」が 並ぶようになるでしょうか?
あなたはどう思いますか?

残念ながら、わたしは「NO」だと思います。
さて、クイズです。な ぜ「NO」なのでしょう?

企業ケー タイサイト、呪縛からの解放

閑話休題。
ケータイのWEBサービス提供企業、とくにベンチャーにとって、
キャリア公式キー ワード検索サービスの登場は「産業革命的な出来事」と言って過言ではありません。

長い間、ケータイサイトの集客はキャリアの公式メニューに 依存してきました。
少なくとも、企業がケータイサイトを構築する場合には
キャリア非公式サイトの道を歩み広報宣伝活動に血道を上げる覚悟 を決めるか、
折衝・調整に時間と手間がかかることを承知でキャリア公式サイトを目指すか
究極の選択を下さなくてはなりませんでした。

広 報予算コストも相当なら、準備にかかる人的コストも相当です。

「こんな小さなサイト一つ運営するのに、なんでこんなにコス トがかかるんだ?」

しかも、非公式サイトでの運営を選択した場合、
支払う努力とコストに対する対価=集客が保 証されるわけではありません。
あらかじめ広告宣伝キャンペーン予算があって、そこにケータイサイト企画を取り付ける
というような場合を除 けば、企業がよりリスクの低い「キャリア公式サイト」を目指すのは当然の流れでした。

「キャリア公式サイト化できないの なら、ケータイサイトを立ち上げない」

時代の最先端メディアとしてにスポットライトを浴びてきたにも関わらす、
企 業ケータイサイトがPC版サイトのように増えなかったのは、そんな背景があったのです。

しかし、この秋のキャリア公式キーワード検 索サービスの登場によって、
このパラダイムは完全に過去のものになりました。
企業はケータイサイトを(PCサイトと同じように)マーケ ティングのツールとして
自由に活用できるようになったのです。

「ケータイサイトは公式サイト化が大前提」という呪縛から解き放た れ、
検索キーワードをフックに興味・潜在層を集客できる環境が整ったのです。
「ケータイWebの産業革命」と言ってもいい。大袈裟ではな いと思います。
とくに資本の大きくない企業、ベンチャーにとっては大きな転換点だと言えるでしょう。

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