Vol.41 商品を変えずに10倍以上の売上を上げる方法

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
お客様が自社の商 品に、差別化された魅力を感じられるかどうかは、なにも商品の中身の問題だけではありません。 それ以外でも工夫のしかたで、同じ商品でもより差別化された魅力を感じられるものにすることもできます。 今回は、あるお米屋さんのユニークな取り組みから、より商品価値を高めるヒントを探ってみたいと思います。

ギフトに注目した提案で売上をアップしたお米屋さん

 食の安心、安全 に関心が高まる中、減農薬や無農薬、産地直送など、安心、安全やこだわりを売りにした食品が注目されています。私たちが普段食べているお米も例外ではな く、現在ではさまざまな企業が通販に乗り出しています。ライバルがたくさんいる中で、各社がお客様に選んでもらうための理由をさまざまな切り口で訴求しています。 減農薬、無農薬、高級ブランド、手に入りにくい希少なもの、信頼できるプロによるブレンド、価格の安さなど実にさまざまです。41-2

 そんな激しい競争の中で、京都の八代目儀兵衛というお店は他社とは異なるユニークな切り口で売上げを伸ばしてい ます。他社のほとんどが、自家消費という用途で販売している中、ギフトとしての米という提案で新しい市場を開拓しているのです。
さ らに、面白いのがそのパッケージです。酢飯用、炒め物用、おにぎり用、おかゆ用など、各用途に最適な異なるお米をそれぞれ2~3合ぐらいづつの小分けに し、さらにそれぞれのパックをカラフルな風呂敷に包んで包装するなど見た目も素晴らしく美しいのです。また、そうした小分けパックが12個詰まったものを 「十二単(じゅうにひとえ)」、2つの巾着に入ったものを赤い糸で縛ったものを「良縁米」と名付けるなど、ネーミングのセンスも今までにない感覚です。

  店主さんは、お米に対して並々ならぬ情熱をお持ちの方なので、どれも良いお米だと思いますが、ブランドを自慢しているわけではありません。しかしながら、 こうした工夫を施すことで、売上げは3年前に通販を始めた頃の14倍にもなっているそうです。
 

注目のポイント

  さて、このお店、商品パッケージやネーミングの斬新さが目立つので、パッケージが珍しいから売れたのかと思われるかもしれませんが、私はそれだけではない と思います。

 結婚関連のギフトの調査データでは、引き出物を含む結婚祝いのお返しの選定ポイントとして、予算以外では「実用的なもの」 「いくつあっても困ら ないもの」などが圧倒的に上位にきています。また、同時に「高級感のあるもの」「自分らしさの表現できるもの」「縁起のよいもの」なども比較的上位にあ がっています。(株式会社カウネット カウネットモニカの調査より)
 その点から考えてみても、「実用的」「いくつあっても困らない」という点で は、まさにお米はうってつけ。パッケージやネーミングを工夫することで「高級感のあるもの」「自分らしさの表現」「縁起のよいもの」という点を満たしてく れるものと思います。41-1

 そのような背景からこのお店が、成功したポイントは具体的な使い道の提案をしたことがあげられま す。このお店の場合は、結婚の内祝い(引き出物)、出産内祝いなど具体的なシーン別に使い道の提案、商品の提案をしています。ただ単に、贈 り物にもどうぞでは具体的な使い道をイメージしにくく、興味もわきづらいものですが、具体的なシーンでこんな使い方が出来るという提案があると自分に照ら し合わせて興味がわきやすくなります。
 その手法として、まずパッケージとネーミング、ウェブサイト上での写真の撮り方などを工夫し、ギフトとし ての演出をしています。結婚の内祝いだったら、2つの巾着を赤い糸で結んだセットを加えて「良縁米」。その他のお祝い事にも使えるようなものとしては、カ ラフルな風呂敷に包んで小分けされたものがセットになった「十二単 満開」など、おめでたい席にぴったりの演出がされています。

 ただ単に 変わっていれば良いというわけではありません。具体的な提案とその使い道にあった演出をしていることがポイントです。

 

  『ギフトとしてのお米』は、自家消費用のお米に求められるものとは明らかに異なる価値観です。お米をギフトに贈るという売り方をしているところは他にもあ りますが、そのほとんどは自家消費用に売っているものをそのままギフトで送りますという提案です。これでは、ギフトという用途ではお客様の求める価値を提 供するには不十分です。お客様の求める価値に合致していた上で、分かりやすい演出、提案がされているからこそ差別化が出来たことで魅力を感じられるように なっているのです。

 お客様の求める価値は何かを見極めたうえで、その魅力を存分に伝えるために商品の中身だけに頼らない価値の演出もしっかり考 えたいところです。ひょっとすると、あなたの会社の商品もこうして生まれ変わることがあるかもしれません。

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