Vol.40 「おとりよせ」1年待ちの店に学ぶブログ活用術

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
不景気の影響で消 費が鈍る反面、インターネット通販は好調なようです。なかでも、おいしいと評判の人気商品は「おとりよせ」などと言われ、注文してもすぐには手に入らない 商品もあるようです。特に驚いたのは、1年待ちの餃子があるという話。そして、その陰にはブログが非常に大きな役割を発揮していたのです。

 最近では、専門のポータルサイトやショッピングサイトもあるほど、「おとりよせ」人気は浸透してきている様子です。
  その中でも私が驚いたのは、餃子の通販です。『夏目家』というお店なのですが、この店の「和風あん餃子」の通販は、なんと1年先まで予約が入っているとの こと。通常の餃子とは対極のあっさり系の餃子だそうで、商品のポジショニングの上手さも感じますが、今回注目したいのはそのマーケティングです。
  特に、開店前から開始している「ブログ」は小さな会社でも参考にできるマーケティングのヒントになると思います。

 

開 店前から続くブログ

 このお店のユニークなのは、商品である餃子だけではありません。なんと、お店のブログを開店前から始めているのです。お店 を出していないのにどんな内容を書いていたのか気になるところだと思います。40-3

このお店がブログに書いたのは、

・餃子店を開店するまでのいきさつ

・社名など会 社を立ち上げる途中の様子

・設備、店舗を準備するまでの様子

・餃子の試作の経過、などです。

 開店前か ら時系列で起こるさまざまな出来事を書いているのですが、そんなブログを見ていると、なんだか応援したくなってしまいます。このときの心理には、子供の頃 からの成長を知っている人に妙に親近感を抱くのと似ている部分があります。

 通常は、開店時は全くゼロからのスタートということが多いも のですが、このお店の場合はブログをきっかけに知って開店待ちというお客様もいたようです。

 今では、「ネットでのお取り寄せは1年先ま で予約で完売」という状況ですが、餃子が美味しいということはもちろん、開店前から続けているブログの効果も大きいものがあったのではないでしょうか。

 

ブ ログの特性を生かしてファンを増やす

 この事例から、いろいろと学べる点があると思いますが、私が特に参考になると思ったのはブログの 特性を生かしてファンを増やしていったところです。

 ブログは、通常のWEBサイトに比べて、更新がより簡単、コメントやトラックバック など読者とのコミュニケーションを促進する仕組みなど、かっちりと作り込み、販売を主体とした企業サイトとは違い、より手軽に情報発信し、情報ネットワー クを広げやすいという特徴があると思います。

 このお店も更新しやすいという特性を生かして、ブログを頻繁に更新しています。
  そして、そこには商品の売り込みはほとんどなく、その代わりに商品を売り出すまでのお店の実況中継などがされています。
 それも一方的なものでは なくて、読者と共に作っている一体感が味わえます。40-1

 例えば、ブログの中で『試食大会』と呼ばれる試食アンケートを行っています。「代金は送料のみ」で試食して感想 を送るという非常にシンプルなものですが、これが売込みっぽく感じません。
 なぜなら、お店を立ち上げるに至った背景などから記事があり、兄弟で 運営していること、二人とも餃子作りの経験は無いこと、それにも関わらずなぜ新しい味の餃子を作りたいと思ったか、などが分かるので、純粋に試食の感想を 商品作りに生かしたいという思いが伝わってくるからです。

 そして、その結果を受け改良していく様子もまた、すぐに紹介されていきます。
  試食してもらった結果も「おいしい」という良い意見ばかりではなく、「味にパンチが無い」なんていう真逆の意見などもあります。
 その上で、自分 達なりの新しい餃子を作りたいというポリシーを貫きながら、改良していく様子が随時更新されていくのです。

 こうして試食の結果が改良さ れていく様子を知ることが出来ると、「お店を育てている」という気持ちも湧いてこようというものです。
 実際、試食大会を始めたあたりから、ブロ グへのコメントも増え、応援の声、開店を待ちわびる人が増えていくような様子が分かります。
 それにつれてブログランキングも上がったり、また、 同時にブロガーたちが餃子を気に入った場合に紹介を促進しやすいようブログに貼り付けるバナーも用意するなど、さらなるアクセスを呼び込むしかけも余念が ありません。
 そうして訪れた人の中からも、こうした経過を見て好感を持つ人もいるのです。

 

情報 ツールを活用した場作りで顧客をサポーターに

 ブログは確かに手軽だけれど、なかなか活用しきれていないという方も多いのではないでしょ うか。40-2
 でも、ブログのような情報提供ツールを活用し、顧客と触れ合う場作りをしていくことで、経営サポーターのような会社の ファンを増やしていくことは、むしろ中小、ベンチャー企業の方がやりやすいかもしれません。
 開店前のお店でも、その時で出来ることを頑張って発 信し続けて結果につながっているのです。
 経営資源の限られる会社こそ、こうした活用法を参考としたいものです。

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