Vol.35 不況下でも業績が伸ばせる3つのヒント

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
歴史的な景気後退 と毎日のように報道される昨今。 そんな中、逆風の中から風向きの変化を読み取り成功している例もあります。 今回は、そんな事例を参考にいち早く変化を察知し、現状を突破する手掛かりを見つける着眼点を探ってみます。

顧客の変化を味方にする会社

  歴史的な景気後退といわれる 中、売上減に苦しむ企業の報道が目立ちます。そのような状況下、結婚産業も、若者人口の減少、晩婚化35-1などの要因もあり、関連するホテル、式場、旅行などの業界の中でもとりわけ 厳しい状況です。

 毎年、厚生労働省が発表している「人口動態統計(推計)」によると2008年の婚姻件数は731,000件。多少の増減 はあるものの、70万件前半あたりを推移してきています。たしかに婚姻人口の自然増だけで売上増を期待するのは厳しいものがありそうです。

  しかし、そんな中でも顧客の変化をとらえて徐々に売り上げを伸ばしているところもあります。なかでも面白いのは、2度目の結婚式をするカップルを狙った動 きです。新婚ではなくて、結婚後10年、20年と経った夫婦が再度記念に式をあげる需要が出ているというのです。

 こうした変化に合わせ て、旅行会社でも上手く対応しているところが出ています。35-2

 近畿日本ツーリストは、ハネムーンと名のついた商品を『ロ マンチックジャーニー』と変えることで、こうした需要の取り込みに成功しています。 原油高など大きなマイナスの要素があった中でも、行き先によっては、 前年比5%増となかなかの健闘ぶりがうかがえます。

 

 また、式場でも変化をうまくとらえているところがあります。

  たとえばホテル日航東京は、最近増えてきた『こだわり婚』にウェディングプランナーによるきめ細かい対応をすることで、挙式数を伸ばしています。特にここ 1~2年ほどの伸びが目立ち、その前まで700~800件だったものが、一気に1000件の大台にのり、来年はウェディングプランナーを増員し、さらに1 割増を狙うそうです。

 しかも『こだわり』が強いので、単価も上昇傾向にあるのだとか。 数だけの増加では限界もありますから、こうした成 果も注目に値するところです。 

 

1:商品、サービスの購入動機は十人十色と考え よう

  これらの事例を、たまたまこの業界だから、特殊な事例だと片づけるのは簡単です。しかし、ニーズの多様化、価値観の多様化にうま く対応した好例だと思います。多様化したニーズや価値観を持つ顧客とは、言わば、一味違うものを求める人、提供する側が想定した使い方とは違うものを求め る人達の存在です。

 きっと今までも、こうした願望はありながらも既存のサービスで我慢していた人達はいたのでしょう。そうした顧客の要望 は、式場とかハネムーン旅行以外のレストランとか、ちょっとした旅行とか、温泉とか、プレゼントとか、身内の工夫とかで代用されていたのかもしれません。

ひょっ とするとあなたの業界も無関係では無かったのかもしれませんね。

 

2:キーポイン ト「増えた顧客」と「減った顧客」に目を向けよう

 

 さて、ではこのような顧客の変化を見逃さないようにするにはどうした ら良いでしょうか?

 統計資料を集めてくる?業界のマーケティングリサーチ?どちらも悪くはないと思いますが、もっと身近な情報源がありま す。

 そう、あなたの目の前にいるお客さんです。35-3

  私はよく、最近「増えた顧客」と「減っ た顧客」についてクライアントと話します。全体の売上げの増減に関わらず増える客層、減る客層はあるものです。最初は良く分からなくて も定期的に「増えた顧客」、「減った顧客」についてチェックしてみることで、思わぬ客層の変化に気がつくことが出来るものです。その中には、こちらが予想 しなかった想定外の顧客も含まれることは珍しくありません。

 先ほどの2度目の結婚式をしたり、結婚記念にハネムーンに申し込んでくる夫婦 などはそうです。最初のうちは完全な想定外の顧客だったはずです。

 

3:想定外の 出来事を味方にしよう

 いくら考えても想定外の出来事が起こるのがビジネスです。ならばいっそのこと想定外の出来事を味方にする術を身に つけるというのも一考の価値があると思います。

 ・想定外の失敗には、改善すればさらに良くなるポイントを見出すことが出 来るはずです。

 ・想定外の成功には、新たな事業の芽が隠れているのかもしれません。

  ・想定外の顧客は、気付かなかったアピールポイントを教えてくれているのかもしれません。

 

 そう考える と、想定外の出来事も悪いことばかりでは無いのかもしれません。景気の変換期には新ビジネスが生まれやすいとも言われます。ぜひ、これらの事例を参考に新 たな展開を見つけ出す参考になればと思います。

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

無料で始める