Vol.30 iPhone3G発売! Appleのマーケティングマジック

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
2008年7月 11日に世界22カ国一斉販売という発表で話題を呼んでいるAppleのiPhone 3G。 今回は、この話題の製品をネタに、主にマーケティング部分で学びとなる点は?中小企業やベンチャー企業が活用できることは?今後の影響は?などを考えてみ ましょう。

想像力の活用はAppleの得意技?

 

 ガッ ツポーズする人、チャンピオンベルトのように頭上高々と持ち上げながら歩く人、ハイタッチやハグをしている人。昨年のiPhone発売 時のこうした購入者たちの映像は、日本にいる私にとっては、まるでファンタジーの世界を見ているようでした。

 どうして、これほどまでの熱 狂ぶりが?これぞ、Appleのマーケティングマジックとも言えるところだと思います。

  そのポイン トを一言で言えば、「想像力」ではないでしょうか。Appleといえばその秘密主義は有名なところです。情報を小出しにしてきます。そして、熱狂的なファ ンやトレンドリーダーの注目も高いので、その小出しの情報は勝手に彼らの想像力というフィルターを通って、さまざまな憶測を含めた情報発信がされるので す。30-1

 現在はブログな ど、個人でさえも簡単に情報発信できる手段があります。こうした影響は大きいものがあり、iPhoneの場合でもその口コミ効果を広告費に換算すれば数 百万ドル分に匹敵するとも言われているほどです。通常は情報をもれなく、しっかり発信というのが新製品の発表ですが、まったくその逆を 行うことで莫大な広告に匹敵するだけの口コミを得ているというわけです。

 

 もう一つ、Appleが従来の技術メーカーと違 う点は、感性や感情に訴えかける表現を活用しているところです。従来であればリポートトークと言われるように、技術メーカーの新製品発表と言えば、理論的 な性能の説明に重点が置かれる傾向がありました。スペック表を見るとすごいんだけど、そのすごい感じがどうもうまく伝わってこないといった感じです。とこ ろが、Appleはその逆で、イベントはもちろん製品発表などの演出も人の感覚、感情に訴えかける工夫が凝らされています。

 そして、価格 に関しては、高すぎて売れないだろうと言われたiPhoneですが、アメリカではその予想は蹴散らされました。そし て、新型iPhone3Gは旧型の6カ国での販売から、初期の予定だけでも22カ国での販売と大幅に拡販を目論んでいます。そのため、価格面でもより販売 数を重視した価格設定をするようです。こうしたことからもマーケティング戦略面で初代とは違うものとなっているのが分かります。

 

この事例から自社が活かせることは?

 

 さて、iPhone関連 のAppleのマーケティングについては、細かい部分での話題はまだまだあると思いますが、ちょっと視点を変えて私たちはどう活用できるかを考えてみま しょう。

 まず一つは、Appleのマーケティングにヒントを得て、自分も真似してみるということです。

  Appleが長年かけて築き上げてきた企業のイメージやパーソナリティなどがあってこそといえるので、そのままを真似るのは難しいと思いますが、エッセン スを真似るというのが妥当かと思います。

 

 既存顧客や見込客相手に小出しにするというよりは、こまめに情報を提供する。そ の情報の出し方を一連の物語のように続きのあるものにする方法などは、ダイレクトレスポンスマーケティングでのシーケンスレターなどで効果は実証済みで す。

 また、イベントを活用して、お客を巻き込む方法も規模の大小に関わらずできる方法です。

 

 それともう 一つは、iPhone3Gの話題性を活用するということです。

 すでに初期のiPhoneが発売されたアメリカではiPhoneを題材にし た動画がYou Tubeなどで話題になり注目を高めた企業なども現れています。顧客の頭の中にあるものを活用するのは、成功するマーケティングの基本です。話題性がある うちに限られますので、タイミングをうまくとらえたいところです。

 

iPhone でマーケティングはどう変わるか?          

 

 さて、活用というところでいえばiPhone3Gが発売され たことによる影響というところも関わってきます。影響度はどれくらい売れるのかで変わってしまうわけですが、何かしらの変化があるという仮定で予測してお くに越したことはありません。それでは、仮に売れたとすると何が変わってくるかを考えてみましょう。

 まず考えられるのは、モバイルでの利 用サイトの変化です。

 今までも携帯電話でPCサイトをPCサイトビューアーを利用して見ていた人もいましたが、そういった人たちは圧倒的 に少数派です。ほとんどの人たちは携帯電話ではケータイサイトという利用の仕方をしています。

 しか し、iPhone3Gのような携帯端末が普及してくれば、ケータイでPCサイトを利用する人が増えてくることが予想されます。その影響で、携帯端末の市場 全体が活性化されるようなことになってくれば、今までの一部マニアの市場から新たな市場として注目されるぐらいの規模になってくるかもしれません。今まで のケータイサイトのユーザーがPCサイトに流れ込んでくることもあるわけで、そうした変化に対応したPCサイトを意識して作る必要性もあるということで す。30-2

  また、iPhone3Gには 専用のアプリケーションもあるのですが、そうしたアプリケーションを配布することでマーケティングに活かすこともできます。実際にアメリカでもPR効果を 狙った無料アプリケーションの配布事例などもあります。さらに普及してくればiPhone3G用アプリケーションの有無が売り上げに影響 するなんてこともあるのかもしれません。

 

 さて、今後の影響については推測ですが、ひとつの出来事から でもたくさんの学び、事業機会は見つかるものです。誰もが知っていることだからと興味を持たない人もいますが、誰もが知っていることだからこそ自分で考えてみ るということが重要なのではないでしょうか?

それと、新しい技術は、その後の変化への準備のためにもとりあえず使ってみる、遊んでみるとい うことも必要なことなのかもしれません。

それでは、また。

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