小資本でも成功できる!業界No.1ビジネスの作り方 Vol.10 これから起業する方に向けて

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

最後に、これまで解説してきた内容をまとめつつ、重要なポイントを振り返ります。

■売上をあげるためには、ニーズ、オリジナル、希少性が大事

まず、起業して最初に直面するのは、やはり「売上をどう上げるか?」ということに尽きると思います。

これまで書いてきたように、いかに“お客様のニーズ”に合ったものを作っていくか、いかにアピールしていくかということが重要だと思います。

また、自社の売上を作る商品やサービスについては、品質や販売方法など、どんな部分でも良いので“自らのオリジナル”と言える部分を作るべきでしょう。

その方が同業他社との差別化を図ることができます。お客様が選ぶ材料になり得ますし、もし“希少性”を高めるようであれば、それが参入障壁となり、長く売上を作り続けることに繋がります。

売上を上げることはとても重要ですが、賞味期限が短すぎては事業を継続するために次々と新たな商品を探し続けなければいけなくなります。

せっかく商品やサービスを創り出し、販売方法を検討し、実際に営業活動をしたとしても、たった数ヶ月しか続かないようでは、効率が悪すぎます。

そのため、「いかに他社がまねしづらく、かつお客様に認められる商品・サービスを作るか」がテーマになってきます。

■利益と資金

“売上”の次に重要となってくるのは“利益”です。

ビジネスを継続するために“利益”は絶対に必要不可欠なものであり、新たなビジネスに挑戦する際の原資の一部になり得るものです。

いくら“売上”を上げられたとしても、利益が低いビジネスは継続しません。

ですから、ビジネスを構築する上で言えば、「“粗利率の高い商品・サービス”を目指すのが自然な姿」だとボク自身は思います。
このことを実現するためにも、先に述べた“オリジナリティ”も高利益を実現するために重要なファクターです。

その次に考えるべきは、“資金”のことです。

ほとんどの起業は小資本で始めることになるので、初期投資や運転資金に悩まないような潤沢な資金を前提には出来ません。

ビジネスを構築していく上で、その時点の資金力では到底実現できないものを目指したところでキャッシュアウトして終わりです。

もし、「とにかく起業してビジネスをやってみたい!」という方がいたら、ボクは“代理店ビジネス”や“手数料ビジネス”をお勧めします。
理由としては、「初期投資が少ないこと」、また「運転資金が多く必要ないこと」が挙げられます。

資金力の少ない起業家は、まずお金を稼ぐということを覚えた方が良いとボク自身は思います。
これは、ボク個人の経験からも言えるのですが、起業して成功するためには“営業力”が必要だと感じています。

それを鍛えられるというのは、まさに一石二鳥と言えますし、また、将来の事業資金を貯めることができるというメリットもあります。

ワタミの渡邊美樹会長も、居酒屋を開店するための資金を“某運送会社”の激務を1年続けて貯めたというのは有名な話です。

いくら、どんなビジネスマンが飛びつくようなアイデアを持っていても、それを実現するような資金が無くては意味がありません。

・・・ビジネスに必要不可欠なのは”資金”です。

しかも、自ら稼いだ資金であれば、無駄遣いはしません。そういう意味でも「ビジネスに使う資金を稼ぐ」というのは、とても大切なことだと思います。

■規模が大きくなった後は、資金繰りと人が命

また、事業規模が大きくなれば必要になってくるのは“資金繰り”です。

すでに書いたとおり、これは経験するしかないのですが、自分のビジネスを守る意味でも、取引先や社員に迷惑を掛けないという意味でも、きちんと”資金繰り”の管理をすることが必須となります。

ボク自身も経験したことがありますが、いくら売上を上げていても売上債権の回収や管理を怠っていると「資金が一時的に少なくなったり、底をつく」ということは実際にあり得ますし、珍しいことでもありません。

資金調達は、1日や2日で出来ることではありませんので、常に注意が必要となります。

最後は“人”です。

これは“ビジネスパートナー”という意味でも、“社員を雇用する”という意味でもあります。

事業規模は、「どれだけの価値を創り出しているか」、つまり“売上”で計られます。

いかに有能なビジネスマンであっても、創業者一人で活動するには限界があります。
ビジネスを拡大していくには、「いかに創業者の理念に共感し、共にビジネスの発展に協力してくれる仲間を作るか」にかかっていると言っても過言ではありません。

そのための成功のカギは、やはり“採用”と“教育”だと思います。

企業や組織として「どんな理念でビジネスをするのか?」「どんな手段を用いるのか?」という点に関して、いかに共有や共感を生み出すことが出来るか、また、いかにそれらを実現できる人材を採用し、その人員に理念を浸透させるか、ということは非常に大事です。

ボクの個人的な意見としては、“採用”や“教育”というのは、できるだけその企業内ですべきだと考えます。

確かにスキルやテクニックは他社でも学べるかもしれませんから、その部分は任せても良いとは思います。
しかし、いくら教育のプロであったとしても、その企業の理念を共有させることが出来るでしょうか?

創業者の思いや理念を説明することができるのは、創業者自身でしかありません。
どんなに“拙い言葉”であろうと、どんなに“非論理的”であろうと創業者の言葉を超えるものはありません。

ボクにも経験がありますが、創業間もない頃は、経営者としての自信もなく、自分の理想や夢を語るということを躊躇してしまうこともあるかと思います。
ただ、理念や思いを“共有”、“共感”するためには、自らコミュニケーションをしていくしかありません。

ですから、もし社員やビジネスパートナーと共にビジネスをやりたいのであれば、自分からコミュニケーションをとっていくべきだと思います。

教育に関して、ボクの経験から1つだけ。

現在のボクの周りの人間は信じられないかもしれませんが、創業間もないころ、ボクは「社員を叱る」ということが出来ませんでした。 それは、“経営者としても上司としても自信が無かったから”というのが理由でした。

「ボクなんかが人を指導して良いものなのか?」
「偉そうなことを言って、引かれてしまわないのか?」
「モチベーションを下げたらどうしよう・・・?」

こんな事ばかりを考えてしまい、“叱る”という事ができませんでした。

結果として何が起きたかというと、「仕事を甘く見る」、「経営者や上司を軽視する」といった社員が増えていき、一時期は経営が立ち行かなくなりました。

確かに「元々そういった資質を持っていた」という面もあるかもしれません。
しかし、今ははっきり言えますが、「そういう社員をボクが作ってしまっていた」のです。

人は「自分自身に甘い生き物」です。
ですから、誰かに律せられないとなかなか努力をし続けることは出来ません。

ですから、間違った行動をしていれば“叱る”ことをボクは強くお勧めします。
いくら自分に自信がなかったとしても、自分自身ができていなかったとしても、そうすべきだと思います。

ただ、“叱る”というのは、感情的に“怒る”のとは異なるということを認識しておかなければなりません。
あくまでも理性的に接し、「成長してほしい」「良くなって欲しい」という思いを持ち続けなければ、相手には伝わりません。

理不尽なことを言ってもいいんです
高い要求をしてもいいんです

人は「制約や制限が多いほど、高いパフォーマンスを出す」ということも事実ですし、高い理想を求めた方が成長します。
自らも実践すべきではありますが、社員には厳しい要求をした方が、会社は成長すると思っています。

人間は「出来ない理由」はどんどん思いつきますが、「可能にする手段」はあまり思いつきません。
これは人の脳の傾向なので、意識せずにはどうにもなりません。

社員に対して高い要求をした場合、ほとんどのケースは可能性を全く考えず、脳は最初から諦めて“出来ない理由を探すこと”に奔走します。
これは脳の性質なのでどうしようもありませんが、そのほとんどが“言い訳”と呼ばれるものです。

ボクは“言い訳”というものを許しません。
そして「最初から諦めている」というものを認めません。

ですから、ボク自身が社員に何かを要求する際には「出来ない理由はいらない。どんな前提条件を出しても良いから出来る手段を考えろ。」と言います。

「どんな前提条件を・・・」と言っているので、手段を考えられない理由がありません。
つまり“言い訳”をさせないアプローチをしているのです。

もし、会社がその前提条件を用意できず、他の代替手段も無ければ、実現できなかったとしても仕方がありません。

しかし、実際に考えてみると何らかの実現方法は見つけられますし、もし不可能であっても道筋は付けられます。

一番の問題は、「最初から諦めること」や「言い訳に走ること」。
このような思考から抜け出すことが出来れば、成果を出すことはたやすいとボクは思います。

■起業で失敗しにくい業界

最後の最後になりますが、「起業で失敗しにくい業界」についての話をしたいと思います。

これは、ボク自身が良く“起業家向けのセミナー”で言っていることなのですが、“起業をするときに失敗しにくい業界”というのが実は存在します。

それは「自分自身がそれまでキャリアを積んできた業界」です。

これは当たり前と言えば当たり前なのですが、理由を知っておくことが必要です。
理由は2つあります。

1つ目は「すでにマーケットを持っていること」です。
起業して間もない時期に「新規参入で新たに顧客を見つけること」がどれほど困難な状況であるかはここまででも触れてきました。

その業界でそれなりに仕事をしていれば、お客様となり得る可能性のある方の1人や2人はいるはずです。
つまり、「見込み客を知っている」ということです。

これが“売上”という意味では大きなアドバンテージになってきます。

2つ目は「コスト(経費や時間)を把握することができる」ということです。

初期投資や売上を上げるためのコストなど、その業界における費用の構造を知っているという事は、とても強いリスクヘッジになります。

もし、ビジネスに関して必要な投資があったとしても、その価格の妥当性を理解していれば、吹っかけられることもありません。
また、妥当なコストを把握していれば、いくら売上を上げるために先行したコストが必要だとしても、継続や撤退の判断もできます。

利益についてお話した際に、「売上」と「経費」をコントロールすることが重要というお話をしましたが、その業界を知るということは、この2つのコントロールが“実現できる”ということですので、起業において失敗しにくい大きな理由となります。

このことを理解しておくことはとても重要です。

■最後に

このコラムを最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

ここまで、ボクの経営者としての“想い”というか、経験から感じた“感覚”みたいなものをとりとめもなく書いてきました。

だからこそ、少し伝わりにくい表現などがあったかもしれません。

もしかすると、起業してみると「なるほど」と感じていただける内容かもしれませんので、もしまだ起業していない方であれば、創業して1年ぐらい経ったときに、もう一度読み返してください。

ボクとしては、より多くの方が起業にチャレンジするきっかけ、またはそのための参考となるように、自分なりにかなり実践的に書いたつもりです。
起業を目指す皆さんに少しでもお役に立てるようであれば、とても嬉しいです。

近い将来、経営者が集まる交流会で、起業した皆様にお逢いできるのを楽しみしております。

R3Corporation株式会社 代表取締役
ドリームゲートアドバイザー 平松二三生

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