介護ビジネスで起業・独立 Vol.4 介護事業に必要な運転資金と資本金

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
会社の設立にあ たって、資本金の最低額がなくなった今、この資本金の額はいくらにするのがいいのでしょうか?

介護事業を始める為の起業形態

 前回、介護保険法による事業者 指定の申請にあたっては法人格が必要というお話しをしましたが、その法人の多くは株式会社、有限会社と言った営利法人が多いようです。やはり意思決定の早 さが大きな理由のようです。

 さて、会社法の改正もあって会社の設立が従来に比べて比較的容易に、そして早くできるようになりました。実際 に設立件数は増えているようです。設立件数が増えているひとつは最低資本金が撤廃され、資本金300万円未満でも設立が可能になった点が大きいと言われて います。大きな資金が必要のない事業にはやはりこの制度のハードルが大きかったと言えるでしょう。

 では、最低額がなくなった今、この資本 金の額はいくらにするのがいいのでしょうか?簡単にシミュレーションしてみましょう。

 

用意しなければならない、資本金額の算出

 詳細はあらためてご紹介いたしますが、申請にあたって は介護のお仕事ができる状態にして届出をする必要があります。また、事業者指定がなされお仕事をスタートできるまでには都道府県によって1カ月から2カ月 程度の時間がかかります。

 東京都であれば

 ・事務所を借りる

 ・備品をそろえ、写真撮影を行う

  ・申請書を届け出る。

といったことを9月に行ったとします。

 この申請に対する指定は翌々月の11月となります。

  少なくとも、11月の事業開始前の2カ月間、この費用が発生します。

 また、訪問介護の場合、必要な固定費は事業所をおく事務所、そして人 件費です。

 逆に言うとこの事務所の賃借料、人件費をコントロールができると利益率が高くなります。

 こういうこともあって 遊休不動産を持つ企業の参入や、自身や家族が資格を持つ方の企業が増えた所以でもあります。

 人件費については、事業開始時から雇用するこ と、また、訪問介護の場合は設置とされる管理者、サービス提供責任者、訪問介護員のうち訪問介護員は非常勤でもかまわないため、仕事量に応じた差配をする ことによってある程度の圧縮することもできるかと思います。

 さて、11月に事業開始後、1日から利用者がいた場合、この介護報酬はいつ入 るのでしょうか?

 介護報酬のうち1割は生活保護、生活困難者を除くと利用者負担となっていますので、通常は月末にご請求を行っているよう です。介護保険分についいては翌月10日締めで国民健康保険団体連合会に請求し、翌々月末に振り込まれます。

 皆さんすでに、お気づきです ね。いわゆる売り上げは2カ月遅れます。これに先立って、非常勤であっても人件費の支払いは収入がある前に発生するため、この支払いを考えた資金的余裕が 必要です。このため、利用者が急増したときほど資金繰りが苦しくなるといったことも予想されるのです。

 少なくとも、事業開始前2カ月と事 業開始後2カ月後の資金的余裕が必要です。これにもちろん利用者の確保できるまでの資金を加えた額が資本金のひとつの目安となるでしょう。手元資金でこの 資金がご用意できない場合はあらかじめ早い時点での融資のご検討も必要です。

 また、この資金繰りの特性もあって介護報酬債権の買取りや ファクタリングなどの業者もありますが、この2カ月のために思いがけない高金利になっていることもありますのでご注意ください。

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