中国で起業 Vol.5 中国最大の検索サイト「百度」、日本進出!

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
中国語インターネット検索最大手の「百度」。中国国内で60%という驚異的なシェアを誇る同社の強みはどこにあるの でしょうか。

「百度」、日本進出!

 2006年12月4日、中国語インター ネット検索最大手の「百度」(ばいどぅ、本社:北京市 http://www.baidu.com) は、2007年に日本市場に進出する予定であることを明らかにしました。

 李彦宏(りーいぇんほん)会長兼CEOによれば、同社は半年前 に具体的な準備を始め、すでに東京に事務所を開設、日本人スタッフも雇用した、とのことです。

 そして、日本で成功を収めた後は、他のアジア の国に進出する予定だそうです。中国最大の検索サイトとなった「百度」が、中国に止まらず、アジアを制覇するにあたって、インターネット普及率が高く、中 国語と似た漢字を使う日本市場をファーストステップとして選ぶのは、非常に合理的な選択である、ということなのです。

 

中国国内で圧倒的なシェアを誇る「百度」

 「百度」はアメリカ留学経験者である李彦宏氏が中心と なって、2000年に設立されたインターネット検索サービスを提供する会社です。設立後急速な成長を遂げ、2005年にはアメリカのベンチャー企業向け株 式市場・ナスダック(NASDAQ)に上場しています。

 「百度」は現在、毎日6000万を超えるアクセス数を記録しているとされ、ウェ ブトラフィックを調査するALEXAによれば、訪問者数は世界第4位である、とのことです。?

 また、市場調査会社・北京正望諮詢有限公司 が発表した「中国での2006年検索エンジン市場調査」によれば、「最初に利用するサイトは?」との問いに対して、62.1%の回答者が「百度」を挙げ、 2位の谷歌(ぐーがー、グーグル)25.3%、3位の雅虎(やーふー、ヤフー)4.8%を大きく引き離し、ダントツの第1位に輝きました。?

  インターネット人口1億人と言われる中国で、60%という圧倒的なシェアを誇る「百度」。これだけのシェアを取ることができた理由は何なのでしょうか。

「百度」が中国で60%ものシェアを取ることができたワケ

 中国では「百度」は「グーグルのモ ノマネ」と言われています。それは、「百度」のデザインがグーグルとそっくりだ からです。しかし、私の会社の中国人スタッフに言わせれば、「百度」の検索精度は、グーグルに比べてそれほどよいとは言えず、中身まではマネができていな い、とのことです。では、「百度」はどうやってグーグルと差別化をして、ユーザーを惹きつけているのでしょうか。「百度」にあって、グーグルにないものと は何なのでしょうか。?

 一つはMP3検索です。以前、私は中国人の友人から「なんでだかよくわからないけど、タダでいくらでも音楽をダウ ンロードできるサイトがあるよ」と教えてもらったことがあります。それが「百度」でした。「百度」では、中国語の曲だけでなく、その他の国の音楽も、ダウ ンロードできてしまうのです。

MP3検索サービスの違法性

  日本と違って、有料の音楽ダウンロードサービスがない中国で、これだけiPodやその他のMP3プレーヤーが売れているのは、「百度」のおかげによるとこ ろが大きいと思います。

 中国では「百度」普及の、言わばキラーコンテンツとなっているMP3検索ですが、世界のなかでも厳しい著作権法を 持つと言われる日本で、このサービスが展開できるとは、私にはとても思えないのです。

 

 

百度 メインページ0001.jpg

 写真:「百度」メインページ

「百度」のメインページです。そのデザインはグーグルにそっくりです。中国系の検索サイトは一般的 に、アクセスするとポップアップ広告やフラッシュムービー広告がたくさん出てきて、非常にうっとうしいのですが、「百度」はグーグル同様、メインページに 広告がなく、すぐに検索ができます。その辺も他の中国系検索サイトを大きく引き離す要因になっているのではないでしょうか。

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