Vol.10 過去の仕事経験からベストな人材を採用する方法

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
人材採用では「こ んな人を採用したい」という「人材像」を描きます。そこで大切なのが、その応募者の「仕事の経験」。では、あなたの事業には「どんな仕事の経験」をした人 が望ましいのでしょうか。その答えを出す簡単な方法が「事業の3要素分解」です。さらに、これを活用すると新たな人財発掘の可能性が生まれます。

 

 仕事に必要な知識や技術は、学校や研修の場で学習することもありますが、実際にそれらを身につけ、さらに それに磨きをかけるのは現実の仕事の場面です。そこで、人材採用の際には、面接などで応募者の仕事の経験をくわしく聞き、自分の事業で活用してもらえそうな ものがどれくらいあるのかを探っていきます。

 

 「経験」の内容は、その人が仕事をしてきた「業種」や「業態」と密接な関係 があります。そこで、「業種」や「業態」の中身について、もう少し細かく切り分け、「共通する点」「異なる点」を比較しやすくする方法が「事業の3要素分 解」です。事業の内容を「顧客特性」「商品特性」「方法特性」の3つの要素に分けて捉えます、「どの要素」で「どんな経験」を持っている人が、あなたの事 業で活躍してくれる可能性が高いかを判断します。

 

顧客特性=どんなお客さんに

  事業には必ずお客さんがいます。同じ商品を売るのでも、お客さんの特性が変われば、その仕事をする人に求められる「ものの考えかた」や「行動のしかた」も 変わります。

 まず、お客さんは法人か個人かで経験の内容は変わります。法人であれば、民間企業か官公庁か、大企業中心か中小企業中心か、 特定の業界か広範囲か、大都市の企業か地方の企業か、などの区分で考えてみます。個人の場合でも、男性か女性か、若年層か中高年層か、国内の人か海外の人 か、富裕層か一般層か、勤労者か学生か、など、さまざまな物差しで分けて考えます。

 

商品特性=どんな商品やサービスを

 取り扱う商品やサービスが変われば、その仕事で必要な仕事を する「チカラ」は変わってきます。まず、有形の「モノ」か、無形の「サービス」か、という代表的な区分。さらに、レディーメードかオーダーメードか、消費 するものか生産に役立てるものか、耐久性のあるものか消耗するものか、高額か低額か、大型か小型か、実用品か嗜好品か、流行があるか定番か、などの区分で 考えることができます。

 

方法特性=どのような方法で提供するのか

  同じお客さんに、同じ商品を提供するのでも、提供の方法はさまざま。たとえば、女性に化粧品を売るのでも、専門店の対面販売、コンビニのセルフサービス、 通信販売などの方法がありますね。方法特性の区分には、対面か非対面か、店頭型か非店頭型か、訪問型か客待ち型か、個人対応かチーム対応か、ルートセール スか非ルートセールスか、狩猟型か農耕型か、などがあります。

 

化粧品販売員とイ タリアンレストランのウエイトレスは似ている!?

 応募者の経験を聞き、あなたの事業で活用できる経験がどのくらいあるかを判断するに は、まず自分の事業を3要素分解して、どのような経験が活用できるかを整理しておきます。そのうえで、応募者の経験とつき合わせ、活用できる経験が、なる べくたくさんある人を候補者として絞り込んでいきます。こうすることで、単なる印象や専門知識・技術だけで採用を決めるのではなく、経験をより客観的に判 断し、効果的な採用を行うことができます。

 さらに、従来は見逃していた応募者の経験が活用できることに気づき、新たな人材を発掘できる可 能性もあります。たとえば、「ミドルクラスのイタリアンレストラン」と「デパートの化粧品専門店」を比較してみましょう。

 顧客特性は「若 い女性」「働いているなど外出の機会が多い」「ある程度自由に使えるお金がある」「おしゃれに敏感」など。商品特性では「嗜好品」「消費するもの」「少量 多品種」「ファッション性がある」などでしょうか。さらに方法特性では「対面」「店頭型」「客待ち型」「会話を通じて販売する」などと、多くの共通する要 素を見つけることができます。ということは、化粧品販売の経験がある人が、優れたウエイトレスになる可能性が高いかもしれません。

 もちろ ん、3要素で分解した経験だけで採用を決めるわけではありませんが、業種や業態だけに拘らずに、新たな人材を発掘できる可能性が拡がるはずです。

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